ビガシャープ家打倒の旅の始まり
フレッパとウレマーズを倒したミツルギはネレスの家で休んでいた。その際受けた傷の治療をしていた。
「魔力ってスゲーなー。こんな傷でもすぐに治るし」
「浅かったからすぐに治るけど、もし深い傷だったら治るのに時間がかかるの」
「傷の分だけ時間がかかるのか」
治療中、村長がネレスの家に入って来た。
「失礼するが……」
「村長さん」
「話をしたいのだが、大丈夫か?」
「はい。治療がもう終わりますので」
その後、治療を終えたミツルギとネレスは村長と話を始めた。村長はネレスが持って来たお茶を一口飲み、口を開いた。
「フレッパとウレマーズを倒してくれて感謝する。近くの町も奴らが倒されたことを知って喜んでいる」
その言葉を聞き、ミツルギとネレスは顔を見合わせて喜んだ。だが二人の顔を見て村長は咳ばらいをした。
「しかし、いいことではない。本格的にビガシャープ家に目を付けられた可能性もあるぞ」
「ということはいずれ……」
「さらに強い奴らがこの場に来る可能性がある。そうならないようには手を打つが」
村長がこう言った後、ネレスは口を開いた。
「では、私がそうならないようにビガシャープ家と戦ってきます」
この言葉を聞いた村長は目を開いて驚き、ネレスに近付いた。
「一人でビガシャープ家と戦うというのか!」
「ずっと考えていました。もうこれ以上苦しい目にあいたくない。奴らのせいでいろんな人が毎日苦しめられています。もう我慢の限界です。だから、異世界から強い人……ミツルギを呼んだのです」
「それはそうだが……」
村長はネレスの話を聞き、考え始めた。同じく話を聞いたミツルギは、村長の肩を叩いてこう言った。
「俺も行く。話には聞いてたが、ああいう悪い奴らは許さねー。全員ぶっ倒してやる」
やる気満々のミツルギとネレスを見て、村長はため息を吐いた。
「ネレスよ。いくらお主が優秀な魔法使いの子供とはいえ、お主では……」
「いえ行きます。奴らはお母さんとお父さんの仇でもあるので」
「仇討ちか。両親のために奴らを倒しても、得にはならんぞ」
「仇討ちでもありますが、苦しんでいる人を救いたいのです」
ネレスの言葉を聞き、村長はため息を吐いて立ち上がった。
「お主たちの自由にせい。もし旅立つのなら、準備をしておけ」
そう言って村長は去って行った。その後、ミツルギは大きな欠伸をした。
「旅立つのは明日にするか。今日は疲れたし、寝ようぜ」
「うん」
会話を終え、二人は寝支度を始めた。寝る前、ネレスはベッドの上にあった写真を見た。そこには幼いころのネレスと両親が写っていた。
「これが両親さんか?」
風呂から上がったミツルギが後ろから現れた。ネレスは返事をして、写真を元の場所に戻した。
「うん。とても優秀な魔法使いだったの。昔は町に住んでたんだけど……ビガシャープ家の下っ端に襲われて滅ぼされたの。お父さんとお母さんも魔法で戦ったけど、殺された」
「ネレスだけ生き残ってここに来たんだな」
「うん。丁度その町に来ていた村長さんが助けてくれたの」
ミツルギは語っているネレスの顔を見て、急いでタオルを用意した。
「涙流れてるぜ。辛いならもうこれ以上話すな」
ネレスはミツルギからタオルを借り、涙を拭き始めた。
「ゴメン……ありがとミツルギ」
「今すぐに寝てすっきりしようぜ。明日からあいつらをぶっ倒す度が始まるんだ。辛いことを終わらせよう」
その言葉を聞き、ネレスは涙を拭いてこう言った。
「ありがとう。優しいねミツルギ」
「まーな。困ってる人を見逃せない性格だからな」
その後、会話を終えた二人はベッドや布団に入って眠り始めた。
翌日。二人は旅立ちの為に道具屋へ向かった。だが、二人が来るのを待っていたかのように道具屋の主人が立っていた。
「村長から話は聞いたよ。これ、持って行きな!」
主人はそう言って、二人に薬草や薬、剣などの装備を渡した。
「あの、いいんですかこんなに?」
「ビガシャープ家をぶっ潰すんだろ? 俺たちもあいつらに苦しめられてるんだ。いや、俺たち以外にもこの世界に苦しめられている人はたくさんいる。ネレス、そしてミツルギ。皆の希望になってくれ!」
その後、主人から道具を受け取った二人は村の出入り口へ向かった。そこにはすでに村長や村人たちが集まっていた。
「皆」
「ビガシャープ家を倒しに行くんだろ?」
「ミツルギって言ったっけ。ネレスちゃんをちゃんと守れよ!」
「二人ならできるさ。頑張れよ!」
村人たちは二人に集まり、声をかけた。そして村長が二人の前に立ち、話し始めた。
「二人とも、辛く苦しい旅になるだろう。しかし、お主たちに手を貸す者も現れる。この世界にはビガシャープ家を打倒するために革命をする者がいるという」
「私も聞いたことがあります。ビガシャープ家を倒すために大きなグループが世界に存在すると」
ネレスの言葉を聞き、ミツルギは驚いた。
「そんなのがいるのか?」
「いるらしいの。どんな人たちか分からないけど」
「俺たちみたいなのがいるんだな」
「話はそれたが……二人とも。旅を終えたらまたこの村に戻って来てくれ。これだけや約束してほしい。頼むぞ」
村長は二人の手を握ってこう言った。それに対し、二人は返事をした。
「分かりました」
「奴らをぶっ倒して戻ってきます」
「頼むぞ、二人とも」
その後、ミツルギとネレスは村人たちに手を振り、村から旅立って行った。




