対決、オマリー兄弟
ミツルギは自身気に武器を構えているロッソを見て、身震いしていた。心の中で、目の前にいるロッソとヴェルデが今まで戦ってきた敵よりも、かなりできると理解しているだろうと思った。ネレスもロッソの顔を見て、今までの敵より格が違うことを確信していた。
「ミツルギ、本気を出して戦わないとまずいかも……」
「その通りだな。だけど、グーニーやジャーケムの村の人たちのため、勝たないと!」
ミツルギがそう言った直後、ロッソが槍を振り回しながらミツルギに襲い掛かった。攻撃が来ることを察したミツルギは闇を開放し、ロッソの攻撃を防御した。そんな中、ヴェルデがハンマーを構え、ネレスに襲い掛かった。
「ふんぬあああああああああああああああああ!」
ヴェルデはハンマーを大きく振り上げてネレスに攻撃を仕掛けようとしたが、動作に隙があるため、ネレスは魔力を開放してブリッツスパーダに注ぎ、攻撃力を上げて反撃のため攻撃した。
「グアッ!」
攻撃を受けたヴェルデはバランスを崩し、後ろに倒れてしまった。ミツルギに猛攻を仕掛けているロッソはヴェルデの方を振り返り、大きく叫んだ。
「ハンマーなんて使ってるから隙だらけなんだよ。もう少し軽い奴使えよ!」
「だってよ~、オイラにとってこいつが相性いいんだよ~」
「相性がいい? 攻撃喰らってんじゃねーかっと!」
ロッソはミツルギを蹴り飛ばし、ネレスに向かって炎を発した。ネレスはブリッツスパーダを使って飛んで来る炎を切り裂いたが、ロッソの炎は無数に飛んで来て、ネレスに襲い掛かった。
「きゃあああああ!」
「ネレス! この野郎!」
ネレスがダメージを受けたのを知ったミツルギは立ち上がり、感情に任せて魔力を高めた。その結果、モリトゥスの館で戦った時のように髪の色が銀色になった。それを見たヴェルデは恐る恐るロッソにこう言った。
「まずいよ兄貴、噂で聞いた通りになっちまったよ!」
「銀色になろうが何だろうが関係ねぇ! ただ戦うだけよ!」
パワーアップしたミツルギを見ても、ロッソはひるまず動揺せずミツルギに攻撃を仕掛けた。銀色になったミツルギは両手に闇を発し、ロッソの槍の矛先を消し去ろうとした。だが、ロッソはミツルギの攻撃の前に槍を投げて攻撃した。
「がっ!」
ロッソが投げた槍はミツルギの右の手の平を貫いた。
「ビンゴ」
攻撃が当たったことを確認したロッソは槍に魔力を注ぎ込み、矛先に大きな炎の塊を作り出した。
「なっ……」
「ぶっ飛びな」
ロッソは炎の塊を破裂させ、ミツルギに攻撃を仕掛けた。爆発に巻き込まれたミツルギは後ろに吹き飛び、壁に激突した。心配したネレスは近付こうとしたが、ヴェルデのハンマーが直撃し、ミツルギの近くに吹き飛んだ。
「ごめんな、これがオイラたちの仕事なんだ……」
「敵に情けは必要ねえぞヴェルデ。子供だろうがやるしかないんだ」
オマリー兄弟はそう話した後、傷を受けて怯んでいる二人に近付いた。
「グッ……強い……」
「経験が違う……」
圧倒的な力の差を感じながらも、二人は立ち上がって魔力を開放した。まだ動く二人を見て、ロッソは目を丸くして驚いていた。
「おいおい、結構強くやったんだけどまだやるってか」
「オイラもう攻撃したくないよ。見てるだけで可哀そうになって来た」
「情けはいらないっての。来るぞ」
ロッソはヴェルデの肩を叩き、迫ってくる二人を見るように告げた。ヴェルデは仕方ないと思いつつ、ハンマーを振るって迫る二人に攻撃をした。だが、前にいるミツルギが闇を破裂させ、ヴェルデのハンマーを吹き飛ばした。
「ああっ! ハンマーが!」
「下げるんだヴェルデ、俺がやる! その間に武器を持ってこい!」
ロッソはヴェルデにハンマーを取りに行くよう伝えた後、槍を構えて二人に襲い掛かった。
兵器工場内で戦いが発生している。しばらくして、ジャーケムの村の人たちがその状況を把握した。
「誰かが戦ってるんだ」
「でも一体誰が戦ってるんだ?」
「分からねーよ。でも、誰かが俺たちの為に戦ってるんだ。見てみろ、工場から煙が上がってる」
下にいる人たちの話を聞き、グーニーは窓から工場を眺めた。下の人たちの話通り、工場から白い煙がいくつも発生していた。耳を澄ますと、何かが衝突するような音が工場から聞こえた。そんな中、村の見回りをしていた兵士やセイントガーディアンが大急ぎで走ってきた。
「危ないからさっさと戻れ!」
「巻き込まれて命を落としたくなければ、我々の言うとおりにしろ!」
「さぁさぁ、やじ馬は戻った!」
「夜中に何て騒ぎだ」
兵士たちはぼやき声を上げながら工場内へ戻って行った。グーニーは部屋に戻り、布団にもぐって目をつぶりながら心の中で呟いた。
もし、正しい心を持つ神様がいるとしたら、俺の願いを聞いてください。俺たちのために騒動を起こし、戦っているミツルギさんとネレスさんが無事に戻ってきますように。悪い奴らが正当な裁きを受け、罰が当たりますように。
グーニーは願いを心の中で呟いた後、眠りについた。ミツルギとネレスの無事を祈りながら。




