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戦いの場に集まる者

「う~む、困ったな……」


 ジャーケムの村の兵器工場の一室で、一人の男性がパソコンを睨みながら呟いた。この男はピリボドと言い、ビガシャープ家に仕える男の一人である。ビガシャープ家からジャーケムの村の兵器工場を任され、日々熱心に働いているのだが、ここから近くのモリトゥスの工場が襲われ、モリトゥスが捕らえられたことを知り、不安になっていたのだ。そんな中、役員の一人がピリボドのいる部屋に入って来た。


「ピリボドさん。工場入口に賞金稼ぎが来ていますが」


「賞金稼ぎだぁ? 最近噂のミツルギとネレスでも追っているのか?」


 ピリボドはそう言いながら、部屋から出て工場の出入り口へ向かった。そこにはロッソとヴェルデが立っていた。ロッソはピリボドの顔を見て、やっと来たかと言いたそうな顔で近付いてきた。


「あんたがこの村の兵器工場を任されてるピリボドっておっさんだな」


「そうだ。私がピリボドだ」


「俺はロッソ、このデカいのが俺の弟のヴェルデ」


 ヴェルデは少しおどおどしていたが、ロッソは笑いながらヴェルデの肩を叩いてこう言った。


「悪いなー、図体の割に少し人見知りなんだよ。こう見えて俺の弟。俺が親代わりに育てたんだが、どうやら俺を反面教師にして育ったらしい」


「そんなことないよ兄貴。いっつも危ないことをしてるから、オイラ不安なんだよ」


「大丈夫だって言ってんじゃねーか。それよりも、仕事の話だ」


 ロッソはピリボドに近付き、にやりと笑ってこう言った。


「この村から少し離れた所でミツルギとネレスを見かけた。そこから見失ったが……その場所から近くの兵器工場つったらここしかないと思ってやって来た。俺らを雇わねーか?」


 ロッソの話を聞き、ピリボドは彼らがミツルギとネレスを目的に動いていることを察した。だが、初めて会って一言二言話しただけでピリボドはオマリー兄弟を信頼していなかった。


「私はまだ君たちを信頼していない。本当にミツルギとネレスがこっちへ向かって来ているのか?」


「まーね。腕にも自信があるし、それなりに有名だ」


「雇うと言っても、君たちみたいな他所の流れ者には金を出さんぞ」


 ピリボドのこの言葉を聞き、ロッソは大声で笑い始めた。


「おいおいおいおい、結局金の話かよ。仕事場のお偉いさんってのは金と保身のことしか頭にねーのかねー?」


「誰だってそうだ。危なくなったら第一に守るのは自分の命と自分の財産だ」


「正直でよろしい。安心しな、俺たちはあんたらから金をもらうために話をしてるんじゃねーよ。ミツルギとネレスがいるとしたら、確実にこっちへ来る。あの二人は俺たちの獲物だ。確実に会うなら、ここに来るしかないんだよね」


 金目当ての取引ではない。そう察したピリボドだったが、まだオマリー兄弟の事を信頼していなかった。しかし、もし仮にミツルギとネレスが来たら、工場を守る兵士だけでは二人を倒すことは出来ない。しばらく考えた後、ピリボドは二人にこう言った。


「一日だけだ。もし、ミツルギとネレスが来なかったら帰ってもらおう」


「了解。俺たちは外にいるから部屋は用意しなくていいぜ。行くぞ、ヴェルデ」


「分かったよ、兄貴」


 話が終わった後、オマリー兄弟は工場の見回りを始めた。そんな兄弟を見て、ピリボドは本当に大丈夫かと思った。




 数時間後、深夜になってミツルギとネレスは目を覚ました。その時、動いた時に音を出したため、隣の部屋で寝ていたグーニーは驚いて目を覚ました。


「あ、ごめん。起こしちゃったか?」


「大丈夫。まだ寝れるから。それよりも……」


 グーニーは戦いの支度をする二人を見て、もしかしてと思いながらこう聞いた。


「今から戦いに行くの?」


「うん。夜中は見張り兵の集中力も弱くなるし、暗いから身を隠すのに適してるの」


「あまり人に見られて動くもんじゃないしな。さて、そろそろ行くか。俺たちが帰るまで安全な所にいてくれよ、グーニー」


「すぐ戻ってくるからね」


 二人はそう言った後、裏口から外に出て行った。グーニーは去って行く二人を見て、小さく呟いた。


「負けないで二人とも。二人が頼りだから」


 出て行った後、二人は周囲を確認した。見張り兵やセイントガーディアンがいるのか、ライトが動いていたのだ。


「音を出さず最短ルートで行こう」


「分かった」


 そう言った後、二人は探知しないように魔力を出し、高くジャンプして屋根に飛び乗った。そこから素早く音を出さず走り、ピリボドの兵器工場へ向かった。兵器工場近くまでは見つからず移動で来たものの、工場周辺には無数の見張り兵が立っていた。


「俺たちがモリトゥスを倒したから、警戒してるってか」


「多分そうだよ。それに、上からも行けないし」


 ネレスは外壁の上にある柵を見てこう言った。策には電流が流れているのか、時折電が走っていた。


「対策はしっかりしてあるってか。ご苦労なこった」


「どうやって入ろう……」


 二人は人の気配がしない場所へ向かい、どうやって工場に侵入しようか考えた。


「結構厄介だな……」


 ミツルギは外壁の上にある柵を見て、あれをどうにかしようと考えた。すると、あるアイデアが浮かんだ。もし、うまく行けば柵も破壊でき、回りにいる見張り兵も一掃できるアイデアだ。


「ネレス。ちょっといいか?」


「どうしたの?」


「実はよ……」


 その後、ミツルギはネレスに先ほど浮かんだアイデアを話し始めた。


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