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激戦の後

 見知らぬところでミツルギは目を覚ました。しかし、意識はうっすらとしていて、身動きはとれなかった。聞こえるのは赤ん坊の泣き声と、見知らぬ男女の会話だった。


(何だここ……一体どこだ?)


 周囲を見渡そうとしたが、何故か動けず見渡すことはできなかった。だが、男女の会話だけははっきりと聞こえた。


「ビガシャープ家の連中が魔界に攻めてくるようだ」


「やはり、魔界を領地にするために」


「勇者である私を倒すつもりだ。厄介な奴は消すつもりだろう」


「愚かな奴らだ。自分たちに歯向かおうとする奴を力づくで消そうだなんて……」


「トープラーが考えそうなことだ。だが……ここが戦場になるとこの子が不安だ」


「ああ。この戦いに巻き込まれる可能性がある」


「まだ、名前も付けてないのにな」


「タイミングが悪いが……まぁいい。奴らを追い払った後、ゆっくり名前を考えよう」


「そうだな」


 会話後、その男女の腕が近付き、ミツルギを抱き上げた。その際視界が動き、男女の顔がはっきりと映った。女性の方は金髪で、凛々しい顔をしていた。男性の方は銀髪で、ミツルギと少し似ている顔つきだった。




「俺?」


 この時、ミツルギは目を覚ました。それに合わせるかのように、ネレスの悲鳴が聞こえた。


「ネレス、無事だったのか!」


「ごめん、今着替え中!」


 ネレスはこう言って、ベッドシーツで自分の体を隠した。ネレスが着替え中だと知り、ミツルギは慌ててネレスとは別の方を向いた。だが、その時動いたせいで体に激痛が走った。


「ガッ……ツゥゥゥゥゥゥ……」


「大丈夫? 着替えたら治療するから」


「た……頼む……」


 しばらくし、着替えを終えたネレスはミツルギの怪我の治療を行った。その時、ミツルギはネレスに話をした。


「なぁ、あれからどうなったんだ? ネレスがやられてからブチ切れた後、記憶が一切ないんだよ」


「ミツルギが私を傷つけた人を倒したようだけど、逃げて行方が分からないの」


「逃げたのか……」


「うん。だけど、ドレアンさんとカリューさんが倒した敵は捕まえたって。私たちが寝ている間にドレアンさんが知り合いの刑務所に入れたって」


「知り合いの刑務所……ドレアンさんの人脈って一体……」


「それより、ミツルギに話があるの」


「俺に話?」


 真面目な顔をするネレスを見て、ミツルギはかなり重要な話があるのではと思った。だが、ネレスが話をする前にドレアンが部屋に入って来た。


「大変だぞ二人とも。これを見ろ」


 ドレアンが手にしているタブレットには、ビガシャープ家関係者とセイントガーディアンの記者会見の様子が映し出されていた。


「何やってんだあいつら?」


「俺たちがモリトゥスの館で暴れたのを察して、こうやって情報を伝えるために会見をしているんだよ。問題はそれじゃない」


 と言うと、ドレアンは会見を行っている男性が手にしている写真を指さした。その写真には、ミツルギとネレスが映っていた。


「俺とネレス?」


「あの時俺たちと一緒に暴れたせいで、二人のことが世間に知らされた。恐らく、生き残ったモリトゥスの部下やセイントガーディアンの連中が伝えたんだろう。セイントガーディアンやビガシャープ家に仕える奴をぶっ飛ばしたせいで賞金首にされてるぞ」


「賞金首……」


 ネレスはそう呟くと、自身とミツルギの首にかけられている賞金を見た。


「一人一千万ネカ。二人合わせて二千万」


「俺たちの首にも賞金がかけられている。二人よりもかなり高い賞金だが、最初からこんなに高額の賞金がかけられるのは初めてだぞ」


「俺たちが目立ったってことか」


 ミツルギは会見を見ながら、ドレアンにこう言った。会見を見終えた後、ドレアンは二人にこう言った。


「話がある。これからのことについてだ」




 ミツルギによってボロボロにされたゲインは、何とかビガシャープ家が関係する病院へたどり着き、モリトゥスの館での情報をバーラードに伝えていた。


「話は以上です。ほぼ会見の話と同じですが……」


『結構だ。それよりも、銀色の髪になった少年……確かミツルギだったな』


「はい。俺を痛めつけたのもそのガキです」


『賞金首となった今、腕に自信がある奴らが襲うだろう。ミツルギとその連れのネレスを倒すのは賞金稼ぎに任せて、お前はそのまま治療を続けてくれ。完治し次第、俺の元へ戻ってくれ』


「分かりました」


『お前からの情報、大変参考になった。厄介な芽もこれで摘むことができるだろう。今は怪我を治すことに専念しろ。見舞いに行けなくて済まない。では』


 と言って、バーラードからの電話は終わった。ゲインはベッドの上で横になり、ため息を吐いた。


「厄介な奴らが出てきたもんだなぁ……」


 そう思いながら、ミツルギとネレスのことを考えた。ゲインからしてみればあの二人はただの子供である。しかし、その二人と銀色の竜によってモリトゥスの館にある兵器は全て破壊され、さらにオデッサとボブザードが倒されてしまった。その上、ミツルギの闇の力によってゲイン自身が大怪我をしてしまったのだ。バーラードからは二人を倒すのは賞金稼ぎに任せろと言っていたが、ゲインの中では俺が必ずあの二人を倒すと決意が生まれていた。


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