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悪魔のごとく

 ネレスを傷つけられ、激怒したミツルギ。爆発した感情のせいで魔力は急激に上がり、ゲインを驚かせた。急激な魔力の上昇もそうだが、ゲインが驚いたのはもう一つある。それは、ミツルギの髪の色が黒から銀に変わったのだ。


「何だ……魔力が上がったと思ったら髪の色が変わっただと!」


「あああああああああああああああああああああああああああああ!」


 油断して隙だらけのゲインに対し、ミツルギは闇を発しながら殴りかかった。その威力はスティーブと戦って来た時よりも上がっており、一発殴っただけでゲインは大きく吹き飛び、館のはじにある壁にめり込んだ。


「ガアアッ!」


 壁から抜け出し、痛みに耐えて何とか態勢を整えようとしたゲインだったが、すぐ目の前にミツルギが飛んで来ていた。


(嘘だろ……あそこからここまでかなり距離があるってのに……すぐ追いつきやがった!)


 猛スピードで接近したミツルギに驚くゲインだったが、防御する暇もなく追撃を喰らった。今度は地面にめり込み、抜けなくなってしまった。


「ググッ! 体が……」


 めり込んだ状態では何もできないため、何が何でも這い上がろうとした。だが、ミツルギはその状態のゲインに対し、何度も殴って追い打ちを仕掛けた。一撃一撃が重いため、ゲインは更に大きなダメージを負った。魔力を開放してミツルギを吹き飛ばそうと試みたが、ミツルギの魔力の方が強く、吹き飛ばすことはできなかった。


「マジかよ……」


 しばらくすると、ミツルギは攻撃を止め、めり込んだゲインの首を掴んで無理矢理引き抜いた。逃げ出したいゲインだったが、大きなダメージを続けて受けたせいで体は動こうとしなかった。


「があああああああああああああああああああああああああ!」


 野獣の雄たけびのような声を上げ、ミツルギはゲインを壁に強くぶつけた。その衝撃で壁が崩壊してしまったが、それでもミツルギは攻撃の手を止めなかった。壁が崩れたことを察したミツルギは別の壁に向けてゲインを投げ、壁に激突させた。


「ぐ……そう……何度も……やられる……かよ……」


 壁に激突した際、ゲインは迫ってくるミツルギの追撃で負うダメージを抑えるため、氷のバリアを張った。だが、ミツルギの怒りがこもった一撃でバリアは粉砕され、周囲に氷の破片が舞った。


「ぐ……頑丈にやったのに……」


 悔しそうに呟いたゲインだったが、すぐにミツルギの二撃目が彼を襲った。何度も攻撃を喰らったせいで、ゲインの体はボロボロになっていた。だが、ゲインはミツルギの方にも限界が来ていることを察していた。先ほどの攻撃は、前の攻撃よりも威力が落ちていたのだ。このまま反撃を行おうとしたゲインだったが、予想以上のダメージを受けたせいで、反撃をする気力も体力も失っていた。


(仕方ねー、ここは逃げるか)


 一度撤退することをゲインは選び、何とか立ち上がってモリトゥスの館から逃げようとした。しかし、ミツルギは両手から闇の魔力を発し、逃げるゲインに向かってビームを放った。後ろから迫ってくるビームを見て、ゲインは茫然としていた。


「嘘だろ……」


 避ける暇もなく、ゲインはミツルギが放ったビームを喰らい、そのまま遠くへ吹き飛んでしまった。


 ビームを放った後、ミツルギは力尽きたのかその場で倒れてしまった。その時、ミツルギの髪は銀から黒へ戻っていた。




 傷ついたネレスは、何とか治癒魔法で手当てをしていた。その中で、ネレスはミツルギが暴走してゲインに襲い掛かっているのを目撃していたのだ。


「ミツルギ……今の……何なの?」


 目の前で起こった光景を驚きながら、ネレスは呟いた。その時、上からシャンとマーチが現れた。


「ネレス、大丈夫?」


「うわ、酷い傷……」


「大丈夫……手当はしたから……」


 心配する二人にこう答えるネレスだったが、二人は弱弱しく言葉を放つネレスを見て早急に他の仲間を呼び、急いで手当てをするように伝えた。そして、離れた所で倒れているミツルギを担ぎ、飛行船へ戻って行った。




 モリトゥスの館での戦いは終わった。ドレアンたちによって倒されたオデッサ、ボブザード、そしてモリトゥスは銀色の竜の飛行船に連れられ、その中にある牢屋に入れられた。戦いの中で傷ついて倒れたミツルギとネレスは、飛行船内で治療を受けることになった。


 戦いから翌日、ドレアンはカリューと共に飛行船の操縦室にいた。


「激しい戦いでしたね」


「ああ。こっちもかなり傷ついたが……相手の方も大分痛手を負っただろ」


「兵器工場もかなり潰れましたし、これで奴らの武力を削ることができました」


「だけど、あそこから逃げた奴らもいるだろ」


 ドレアンの言葉を聞き、カリューは戦いの最中、遠くへ吹き飛んで捕らえそこなったスティーブとゲインのことをもいだした。


「あれは確か、ミツルギさんが戦った相手でしたね」


「うむ。まぁ、また襲ってくれば返り討ちにすればいいだけのことだ。それよりも……あの二人の治療はまだ終わらないのか?」


「……はい」


 カリューは小さな声でこう答えた。あの戦いが終わってそれなりに時間は過ぎたが、ミツルギとネレスの治療はまだ終わってなかったのだ。


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