表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/281

煌めく魔法の刃

 ボブザードはカリューの攻撃によってできた傷を手で拭っていた。このままじゃまずいと思い、彼は風を発してカリューに向かって飛ばした。


「甘い!」


 カリューはナイフから火の刃を発して風をかき消したが、攻撃後の隙を見計らったボブザードは一気にカリューに近付いた。


「なっ!」


「やっとまともな一撃を与えられる……」


 ボブザードの右腕には大量の風が発生し、渦を巻いていた。この状態で殴るつもりだと察したカリューは火の盾を作ってボブザードに向かって蹴り飛ばし、攻撃の邪魔をしようとした。しかし、ボブザードは盾が飛んで来るのにも構わず攻撃を放った。


「そんな盾じゃあ俺の攻撃は防げない! 喰らえ、エッジミキサーパァァァァァァァァァァァンチ!」


 ボブザードの技、エッジミキサーパンチがカリューの放った盾に命中した。だが、盾はすぐに風によってズタズタに破壊されてしまった。


「すごい破壊力……」


「次はお前がこうなる番だァァァァァァァ!」


 このままボブザードは攻撃を続行した。しかし、その時下からオデッサの悲鳴が聞こえた。その悲鳴を聞き、ボブザードは動きが固まってしまった。


「オデッサ!」


 攻撃が止まり、カリューはチャンスと思い、魔力を開放してナイフを構え、ボブザードに接近した。ボブザードがカリューの接近を察したのは、攻撃を喰らうその寸前だった。


「しまっ」


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」


 この攻撃で確実に敵を倒す。そう心の中で決めたカリューは無我夢中でナイフを振り回し、ボブザードに切り傷を与えた。


「グゥッ! この程度で倒れてなるものか……」


 ボブザードは強がる姿勢を見せていたが、額から流れる脂汗や、苦痛を我慢している表情を見て、カリューはもう一押しで倒せると察した。


「これで決めます」


「何をほざく小僧! ここで倒れるのはお前だ!」


 最後の一撃を喰らう前に、ボブザードは体内の魔力を全て開放してカリューに襲い掛かった。しかし、カリューはボブザードの攻撃をかわし、ナイフを構えてながら猛スピードでボブザードの背後へ回った。攻撃が終わった後、カリューはナイフをしまって魔力を抑えた。


「そ……そんな……バカな……」


 ボブザードの顔は驚きと苦痛が混じった表情をしていた。少し体が震えた後、脇腹から大量の血が流れ始めた。その後、ボブザードは小さく吐血をしてその場に倒れた。しばらくし、カリューは気を失って倒れているボブザードに対し、こう言った。


「安心してください。殺しはしませんよ」




 その頃、オデッサは爆発によって大きなダメージを負っていた。爆発の際に発した衝撃で体は吹き飛ばされたが、その前にガソリンのせいで強い火が体中に付着し、大きな火傷を負ってしまった。


「クソ……あの小娘……かなりえげつないことをやってくれるじゃねーか……」


 回復魔法で体を癒したものの、完全にダメージと火傷を治すことはできなかった。


 この状況下で、オデッサは自分に二つの選択肢を与えた。一つは煙が晴れるのを待ってネレスが出てくるのを待つか。二つは回復を専念するため、使用した魔力を補強するために食糧庫へ向かうか。どっちを選んだとしても、メリットもデメリットもある。ネレスが出てくるのを待つ場合、先ほどの爆発でネレスもダメージを負っていると思われ、止めを刺すことができる。しかし、まだ仲間がいるため、一人を倒しても残りの仲間が自分にとどめを刺す可能性がある。魔力を確保する場合、爆発で負った傷を治すことができるが、この隙にネレスが逃げてしまうか、移動中にネレスの仲間と遭遇してしまう恐れがある。どちらにしろ、一つを選ばなければならないのだ。


「ぐ……こうなったら……」


 オデッサは槍を握り、爆発があった部屋へ向かった。オデッサはネレスにとどめを刺すことを選んだのだ。部屋の中に入り、オデッサは槍を振り回して煙を追い払った。しばらくして煙は消えたのだが、そこにネレスの姿はなかった。


「何だと……あいつはどこへ行った!」


 消えたネレスの姿を探すため、オデッサは傷ついた体で部屋中を探し回った。だが、どこにもネレスの姿は見えなかった。逃げたのかと思いつつ、オデッサは部屋から出ようとした。その時、後ろから魔力を感じた。そこには、ブリッツスパーダに魔力を注ぎ込み、構えているネレスの姿があった。


「い……いつの間に……」


「この部屋に隠し階段があったんです」


 ネレスの言葉を聞き、オデッサは後ろの棚の位置がずれていることを察した。その裏には、階段らしきものがあった。


「モリトゥスの野郎……そのことを俺たちにも伝えてけよ……」


 オデッサは察した。爆発があった際ネレスはバリアか何かを利用して防御した後、隠し階段で身をひそめ、オデッサの隙を伺っていたと。


「運がよかったな嬢ちゃん。それか……俺の運がなかったか」


「運のことはどうでもいいです。さぁ、覚悟してください!」


 ネレスはオデッサに急接近し、ブリッツスパーダを振り上げて素早く振り下ろした。この瞬間のネレスの動作を見切れず、オデッサはネレスの攻撃を防御できず喰らってしまった。


「クソォ……この俺が……」


 悔しそうにオデッサは呟いた後、傷口から血を流してその場に倒れた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ