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正義を一閃する闇の刃

 ネレスと戦うオデッサは、巧みな槍さばきと炎の魔力でネレスを押していた。防戦一方のネレスは歯を食いしばってオデッサの攻撃を耐えていた。


「どうした嬢ちゃん? さっきの威勢はどこへ行った?」


「グッ!」


 強烈な槍の攻撃を防御したネレスだが、衝撃に負けて後ろに転倒してしまった。チャンスが来たと思ったオデッサは槍を振り回しつつ、ネレスにとどめを刺そうとしていた。


「悪いが敵である以上、女だろうが子供だろうが容赦はしない。死ね」


 槍を突き刺してネレスを倒そうとしたオデッサだったが、突如ネレスはブリッツスパーダに魔力を込めて炎を発した。ネレスの炎を受けたオデッサは熱い熱いと叫びながら体に付いた火を消した。


「クソッ! 最後の悪あがきのつもりか!」


「この時を待ってました」


 ネレスはそう言って、風の刃を発してオデッサに攻撃を仕掛けた。突如発生した風の刃を見て、オデッサは防御をしたが無駄に終わった。風の刃はオデッサを斬り刻んだのだ。


「グゥゥゥゥゥ! 一体何が目的だ!」


「これです」


 と言って、ネレスは水を発した。水を浴びて濡れてしまったオデッサは、その水を触ってこう言った。


「何だこれは? べたべたする水じゃねーか」


「さぁ、反撃するなら今のうちですよ」


 ネレスはバリアを張り、オデッサに攻撃するように促した。この言葉を聞き、オデッサは笑いながらネレスにこう言った。


「どんな仕掛けがあるか分からねーが、そんなにやられたいなら丸焦げにしてやるよ!」


 オデッサはネレスに言われた通り、魔力を開放して強力な火を使い、ネレスを丸焦げにしようと考えた。だがその直前、オデッサは自身を濡らした水が嗅いだことのある臭いだと察した。


「この臭いは……ガソリンか!」


 水の正体が魔力で作ったガソリンに似た水であることを察し、すぐに火を消そうとした。火は消えたのだが、一部の火は残ってしまっていた。そのせいで、オデッサの周りについている魔力で作ったガソリンに引火し、大爆発を起こした。




 ミツルギの一閃を喰らったスティーブは、腹に負った傷を抑えながら後ろに下がっていた。


「グ……運のいい奴め……」


「運も実力のうちだ」


 ミツルギは落ちていた剣を杖代わりにして何とか立つことができていた。先ほど折った電撃のダメージがまだ残っているものの、スティーブを追い詰めることはできると判断し、ミツルギは剣を構えて走り始めた。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」


「こうなったら、やってやるぞ!」


 スティーブは気力を振り絞り、剣を強く握って振り下ろした。二人の剣はぶつかり合い、空中で火花を散らした。剣がぶつかった後、ミツルギは後ろに下がって態勢を整え、スティーブは腹の痛みを我慢しつつ前に向かって歩いた。


「態勢を整えたつもりか!」


「そんな傷でよく動けるな、大した奴だよ」


 ミツルギは冗談半分でこう言った。スティーブが自身より大きいダメージを負っていることを察しており、あと少しで倒せると思っていたからだ。だが、スティーブの方はまだ倒れてたまるか、必ずミツルギを倒すという意気込みを糧に、やる気を出していた。


「まだ倒れん! 正義の名のもとに、お前を倒す!」


「ビガシャープ家が正義と思ってるのか、何も分かってねーなお前。正義って言葉だけを信じて周りを見てねーからそんなこと言えるんだよ」


「黙れェェェェェェェェェェェェ!」


 正義の名を怪我されたと思い、自身のプライドを怪我されたと思ったスティーブは全身に力を込め、ミツルギに一閃を与えるため剣を振り下ろした。しかし、ダメージを負って力が入らない状態での一閃は簡単に対処されてしまった。ミツルギは剣を振るってスティーブの剣を振り払って落とし、そのまま反撃で腹にもう一閃食らわせたのだ。


「ガハッ……」


「苦しむだろうが、命まではとらねーから安心してぶっ飛べ」


 ミツルギは剣に闇の魔力を込め、強力な闇の衝撃波を発した。スティーブは闇の衝撃波を防御しようとしたのだが、あまりに強い衝撃波を防御することはできず、攻撃を喰らって再び吹き飛んでしまった。今度は館の外まで吹き飛んでしまい、そのままスティーブは地面に向かって落ちて行った。


「これで力の差を知ったろ……」


 目の前にできた外まで続く穴を見て、ミツルギは呟いた。その後、ネレスの援護へ向かうため急いでネレスの元へ向かった。




 外まで吹き飛ばされたスティーブは、虚ろな目で空を眺めていた。


「一度ならず……二度までも……」


 再びミツルギに敗北した。そう思うと、スティーブは情けなくて涙が出てきた。打倒ミツルギの為に力を得て再戦した結果がこれだからだ。


「チクショウ……チクショウチクショウ……」


 悔しさのあまり、スティーブの目からは涙が出てきた。その時、仲間を救助していたセイントガーディアンが倒れているスティーブに気が付いた。


「スティーブか? 酷い怪我じゃねーか! 待ってろよ、今すぐ応急処置するからな」


 仲間のセイントガーディアンによってスティーブは助けられた。だが、その中でもスティーブはミツルギに負けたことを悔しがり、涙を流していた。


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