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スティーブとの再戦

 自分を見て襲い掛かってくるスティーブを見て、ミツルギはため息を吐いて魔力を開放した。その行動を察したスティーブは素早く剣を取り出し、衝撃波を放ってミツルギの邪魔をした。


「闇は出させん!」


「ちっ!」


 スティーブが放つ衝撃波をかわしつつ、ミツルギは周囲を確認していた。襲撃を行ったおかげでミツルギがいる部屋内はかなり散らばっている。ソファーや棚も倒れており、移動するのに邪魔になりそうだ。しかし、ミツルギはこれをチャンスと思っていた。確かに移動するのには邪魔になるが、盾になるし隠れる場所にもなるからだ。スティーブが放つ衝撃波はかなり威力が高いのだが、物を破壊するだけで貫通する力はない。そのことを察したミツルギは近くの倒れた棚の後ろに移動し、魔力を開放した。


「隠れて魔力を開放したのか……小賢しい真似を!」


「戦いってのは小賢しい奴が勝つんだぜ!」


 ミツルギはスティーブに向かって叫ぶと、左手から闇の弾丸をガトリング銃のように放った。


「闇の弾丸の乱射か!」


 スティーブは雷を発して闇の弾丸をかき消そうとしたのだが、無駄に終わった。ミツルギが放つ闇の弾丸は雷を逆にかき消し、スティーブに向かって飛んできたのだ。


「バカなッ!」


 自身の攻撃が負けたことを察し、スティーブは慌てて横に飛んで弾丸を回避した。しかし、上手く回避することができず、足に闇の弾丸を喰らってしまった。


「グウッ!」


「痛そうだけど、容赦はしねーぞ」


 足を負傷したスティーブに近付いたミツルギは、右手に大きな闇で作った拳を構え、強烈なパンチを放った。この攻撃を喰らい、スティーブは壁を突き抜けてぶっ飛んだ。隣の部屋の壁に激突して勢いは止まったが、この攻撃で更にダメージを負ってしまった。


「クソッ! この私を怒らすなよ少年!」


 大きな怪我を負ったにもかかわらず、スティーブは気力を振り絞って立ち上がり、左方に突き刺さっていた木の破片を引き抜いた。そこの傷口から少し血が流れているのだが、それでもミツルギを倒すべく魔力を開放した。


「まだやるのかよ。タフだな」


「そう言っていられるのも今だけだ!」


 スティーブは魔力を水に変え、ミツルギに向かって放った。飛んで来る水に対し、何かがあると睨んだミツルギは闇で防御した。全身濡れることはなかったが、スティーブからミツルギまでの間の床がかなり濡れてしまった。


「床を濡らしてどうするつもりだよ」


「今に分かる」


「強がってもいいことはねーぞ!」


 ミツルギは開放している魔力の一部を闇に変え、スティーブにとどめを刺すべく走り始めた。この時を狙っていたかのようにスティーブはにやりと笑い、強力な雷を足元に向かって発した。その動きを見たミツルギは、ここでスティーブの狙いを察した。


「まさか……」


 すぐにそこから逃げようとしたが、無駄だった。先ほどスティーブが発した水には強力な電気が流れ、その水の近くにいるミツルギを感電させた。


「ぐああああああああああああああああああああああああ!」


 体内に電撃が走り、ミツルギは少し焦げてしまった。電気が止むと、ダメージを負ったミツルギは少しよろつきながら歩くと、その場で倒れた。


「ぐ……ぐがあ……」


「形勢逆転だな」


 逆転したと思ったスティーブは剣を持ち、倒れたミツルギに近付いた。このままじゃやられると思ったミツルギは痺れる体を何とか動かしながら、反撃の手段を考えていた。すると、スティーブを吹き飛ばした際の衝撃で落ちたのか、壁に飾ってあった剣が落ちていた。これならできるとミツルギは思い、とっさに手を伸ばして剣を装備した。そのことをスティーブは知らなかった。


「どんな手を使おうが、ここでお前はおしまいだ!」


「何も分かっちゃいねーなお前。勝負ってのは諦めたらそこで終わりなんだよ」


「諦めたら? お前はまだ勝利を諦めていないのか?」


「ああ。俺は諦めが悪い男でねぇ!」


 ミツルギは立ち上がると同時に、手にした剣をスティーブに向かって振り払った。この行動を予測できなかったスティーブは、この一閃を喰らってしまった。




 カリューと戦うボブザードは、カリューの攻撃の衝撃で少し後ろに下がってしまった。その時、ミツルギとスティーブの戦いの様子が目に入った。


「おいおい、あの坊主強くねーか? あれと戦わなくて正解だった」


「私が弱いと思っているのか?」


 ボブザードの小言を耳にしたカリューは、少し苛立ちを見せるかのようにこう言った。ボブザードは立ち上がり、風を発しながらカリューにこう言った。


「苛立っているのか? 分かるぜ、お前はあの坊主と嬢ちゃんと比べて弱そうだもんな。本当に銀色の竜の一員か?」


「弱そうか……愚かな奴だな」


 愚かと言われ、ボブザードは少し苛立ちを見せた。そんな様子を無視するかのように、カリューは話を続けた。


「見た目だけで相手を強いか弱いかと勝手に判断する考え、止めた方がいいと思いますよ」


「ご忠告ありがとさん。だけど俺は本当のことを言った。お前は弱いぜ」


「弱いですか……では、これならどうです?」


 カリューはこう言うと、足元に小さな爆発を発生させ、一気にボブザードとの距離を詰めた。猛スピードで飛んで来るカリューに驚き、ボブザードは防御をすることができなかった。その後、カリューは油断して隙だらけのボブザードに蹴りを食らわせて吹き飛ばした後、もう一度小さい爆発を発生させて加速し、ナイフで斬り刻んだ。


「んな……」


「こう見えても私は強いんです。普段はこうやって実力を隠していますがね」


 カリューは傷だらけになったボブザードの方を振り返り、にやりと笑ってこう言った。


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