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闇が勝つか、悪が勝つか

 スカッシャーはミツルギを見て不思議そうに思った。見たところただの子供だが、こんな子供がビガシャープ家の兵器工場や下っ端のスネーク剣士団を倒したのか? スカッシャーはミツルギに向かって剣を振り下ろそうとしたが、突如剣が軽くなった。


「な……何だ?」


 右手に持つ剣を見て、スカッシャーは驚きのあまり目を開いた。愛用の剣の刃が、何らかの力で折れていたのだ。


「おいおっさん、探しているのはこいつか?」


 と、ミツルギが闇を操って剣の刃をスカッシャーの足元に刺した。


「貴様……やるようだな」


「まーね。ただ、あんたらが闇の対処法を知らねーだけなんじゃねーの?」


「確かにな……しかし、所詮は子供! 一気に片を付けさせてもらう!」


 スカッシャーは魔力を開放し、折れた剣に魔力を込め、魔力の刃を発した。


「おいおい、ビームの刃かよ、そんなのありか?」


「何を言うか、戦いにルールはない! そうだろネーゴ!」


「ああ、スカッシャーの言うとおりだ!」


 スカッシャーを飛び越しながら、ネーゴはミツルギに向かって飛び蹴りを放った。突如現れたネーゴに対し、ミツルギは闇の防壁を発して攻撃を防御したが、防壁を消した瞬間スカッシャーが猛スピードで接近したのだ。


「チッ!」


 剣での攻撃が来るだろうと思ったミツルギはもう一度魔力の防壁を作ろうとした。しかし、スカッシャーは急に向きを変え、ミツルギの背後に回った。


「やはり俺の言ったとおり、所詮は子供だったようだな」


「うっせーなおっさん!」


 ミツルギは魔力を開放して周囲に衝撃波を放ち、接近していたスカッシャーを吹き飛ばした。


「グハァッ!」


 衝撃波を喰らって吹き飛んだスカッシャーは壁に激突したが、何とか立ち上がった。


「スカッシャー!」


「来るなネーゴ! 奴がどこかに行ったぞ!」


 この言葉を聞いたネーゴは我に戻り、周囲を見回した。先ほどスカッシャーの前にいたミツルギが、いつの間にか姿を消していたのだ。


「いつの間に……」


「油断するなよ。奴は俺らの隙を見て攻撃するつもりだ」


 スカッシャーは何とか立ち上がり、深呼吸を何度も行って落ち着きを取り戻した。二人は背中合わせになり、どこかに潜んだミツルギを探し始めた。


「変に動くな。奴の思うつぼだ」


「一体何を考えてるんだ?」


「知らねーよそんなこと」


「教えてやるよ、どうやってお前ら二人を同時に始末するかだ」


 少し離れた岩の裏からミツルギの声が聞こえた。その声を聞いた瞬間、ネーゴはその岩の方へ向かって走って行った。


「バカが! お前のような小僧が俺らを倒せるわけねーだろうが!」


「止めろネーゴ! 挑発に乗るんじゃない!」


 走って行くネーゴを止めようとしたスカッシャーだったが、その前にネーゴはその岩に攻撃を仕掛けていた。


「俺の蹴りで頭を吹き飛ばしてやる!」


 と言って、強烈な飛び蹴りを放った。しかし、吹き飛んだのは岩だけだった。ミツルギはしゃがんで攻撃をかわしており、隙らだけのネーゴに向かって巨大な闇を放った。


「ウゴオオオオオオオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」


「ネーゴォ!」


 闇に飲まれたネーゴはそのまま天井に強く激突した。闇が消え、天井にめり込んでいたネーゴの体はゆっくりとずれ始め、最後に地面に落下した。


「同時にやるつもりだったんだけどな。ま、いいか」


「このガキ!」


 ネーゴが倒されたことを察したスカッシャーは、魔力をさらに解放してミツルギに向かって斬りかかった。


「斬り刻んでやる!」


「やってみろよ! お前の剣の腕じゃあ俺は倒せねーぜ!」


 ミツルギはそう言いながら、右腕全体に闇を発し、スカッシャーに向かって行った。




 別室にいるゲインは魔力を感じながら、欠伸をしていた。


「へぇ、ネーゴがやられたみたいだね。それと、他の下っ端も魔力を感じなくなってる。ネズミは一人じゃないようだな」


 その言葉を聞いたマントの男が、不安そうに話を始めた。


「二人いるのか」


「一人は闇、もう一人はそれなりにすごい腕だな……」


「おいおい、そんな弱気になるなよお前ら。戦うのは少し先だ」


 ゲインはそう言って二人の部下を安心させた。その後、ゲインは立ち上がってある物を探し始めた。


「何か探しているんですか?」


「非常口。もうここには用はない」


 ゲインの言葉を聞いた部下は、慌てながらこう言った。


「スカッシャーとネーゴは助けなくていいんですか?」


「ああ。あの程度の奴なら下っ端にゴロゴロいる。雑魚が一人二人減った所で問題ないさ。いずれにせよ、雑魚連中が強い奴らに負けて支配下を取り戻されるってことは俺もバーラード様も考えていたことだし」


「しかし……」


「大丈夫だって。こんな所で出る資源や稼ぎは大した量じゃない。でかい所と比べたら、雀の涙程度だ。でかい所が襲われない限り、俺らは安泰だ」


「はぁ……」


 部下との話を終え、ゲインはようやく非常口を見つけた。


「こんな所にありやがった。よし、お前ら戻るぞー」


 そう言った後、ゲインは非常口の扉を蹴り飛ばして先に歩いて行った。


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