残された子供たち
モレーノの街から旅立ったミツルギとネレスは、次の目的地であるバイヤン山へ向かっていた。その山には鉱山があり、ビガシャープ家がその中にある金銀財宝を手にするために無理矢理近くの町の人を働かせていると情報を手にしたのだ。その町の人たちを開放するため、二人はバイヤン山へ向かうことにしたのだ。
旅立って数日後、二人はバイヤン山近くの町に到着していた。
「えーっと、ゴイロの町か」
「多分ここがモレーノの人たちが言ってた町だと思うんだけど……」
ネレスは周囲を見渡し、不気味な気持ちになった。町を歩く人は誰一人おらず、車も通っていない。
「本当に町だよな? 人っ子一人もいないぞ」
「皆働いてるのかな?」
「かもなー。町の人たち総出で働かせてるって聞いたけど、まさか子供たちも犠牲になってるのか?」
「そういう話は聞いたことがあるけど、本当だったら許せない」
「そうだな」
二人は話しながら町を歩いていると、突如人の気配を感じた。ミツルギは武器を持ち、ネレスにこう言った。
「誰かいる。俺の後ろに下がってろ」
「うん……」
その直後、ミツルギに向かって何かが飛んできた。ミツルギは素早くそれを受け止めて何が飛んできたのかを調べた。
「何だこりゃ? BB弾?」
「何それ?」
「小さいおもちゃの玉だよ。エアガンとかこの世界にはないか。本物があるくらいだし」
ミツルギがネレスに話をしていると、何者かが二人に接近した。
「動くな!」
「お前らは一体何者だ!」
襲撃者を見て、二人はキョトンとしていた。何故なら、襲ってきたのは子供だったからだ。
「子供?」
「おい、革命ごっこなら他に相手を探しな」
ミツルギはこう言って子供たちに戻るように告げたが、子供たちは手にしている剣のようなおもちゃをミツルギに向けていた。ミツルギはため息を吐き、おもちゃをどけてこう言った。
「悪いな、遊び相手は他を当たってくれ」
「うるさい! 子供だからって甘く見るな!」
子供たちはおもちゃの剣を振り回したが、ミツルギは軽く受け流して子供たちのおもちゃの剣を奪い取った。
「親から物騒なおもちゃは振り回すなって言われなかったか?」
「くぅっ……」
「止めるんだタゲウ、スリヒコ」
そこで別の子供の声が聞こえた。ミツルギを襲った子供はその手を止め、別の子供の方を振り向いた。
「ドイル。でもよー、こいつら見たことのない顔だぜ」
「ビガシャープ家の連中かもしれませんよ」
「奴らは今鉱山にいる。俺たちの親と共にな。それに、その人たちの表情見てみろよ、何が起きたか分からないって顔をしているぜ」
その子供はそう言うと、ミツルギとネレスに近付いた。
「俺はドイル。この町の解放団のリーダーみたいなもんだ」
「解放団?」
何が起きたのか分からないミツルギとネレスは解放団と名乗るドイルと言う子供の話を聞くことにした。
その後、二人は解放団のアジトへ向かうことになった。そこには無数の子供たちがいて、各々のやりたいことをやっていた。
「うわー、子供だらけだなー」
「どうして子供たちだけなの?」
ネレスが前を歩くドイルにこう聞くと、ドイルはため息を吐きながらこう言った。
「ここにいる子供たちは皆、親を奪われたんだ」
「親を奪われた?」
「ビガシャープ家の連中にだよ。この町を支配しているスカッシャーとネーゴによって無理矢理鉱山で働かせているんだ」
「ひでぇ話だ」
ミツルギがこう呟くと、ドイルは壁を叩いてこう言った。
「中には命を落とした人がいるって話だ! 俺たちは奴らを倒すために……こうやって解放団を作ったんだ」
「だけど、何もできないでいるんです。だからこうやって、警備するしかないんです」
と、スリヒコがこう言った。話を聞いたミツルギは、ドイルの方を向いた。
「鉱山はどこにあるんだ?」
「おいまさか、あいつらを倒しに行くつもりか?」
「ああ。俺とネレスはとても強いから」
「それでも不安ね」
と、別の女の子の声が聞こえた。ドイルはその女の子の方を向いてこう言った。
「何だシェリー、話を聞いてたのか?」
「ええ。見た所心の優しい旅の戦士みたいだけど、本当に奴らを倒せる実力があるかどうか分からないわ」
「じゃあ試すってのか?」
「ええそうよ」
シェリーと呼ばれた女の子はミツルギに近付き、後ろにいる女の子を紹介した。
「この子はアケワって名前よ。実はこの子、大事なネックレスを落としたみたいなの」
「すみません……危険なモンスターがいるところに落ちたらしくて……」
「それを取ってくればいいのか?」
「分かったわ。どんなネックレスか教えてくれる?」
二人はアケワからネックレスの話を聞いた後、外に出て行った。
「大丈夫なのか?」
「ああ。モンスター相手なら旅の最中に何度か戦った」
「戻って来るから心配しないでね」
ドイルにこう言った後、二人はアケワのネックレスを探しに出発した。
同時刻、バイヤン山の近くの道にはゲインが歩いていた。その後ろには部下らしき二人の人物が歩いていた。
「ゲインさん、そろそろスカッシャーが支配する町の近くですが……」
「いいんですか? 敵が近くにいるかもしれないってことを伝えなくても」
「いいんだよ。俺は今噂の敵がどんなのか知りたいだけだ。敵を知るには、奴らを犠牲にしないとな」
と、ゲインは笑いながらこう答えた。




