館内での大激突
ドベンロの館に忍び込んだミツルギとネレスだったが、近くにあった部屋に忍び込んだ直後、近くから見張りの声が聞こえた。
「どうしようミツルギ」
「ロッカーの中に隠れよう」
ミツルギはネレスの手を握り、ロッカーの扉を開いて中に入り、すぐに閉めた。しばらくすると、部屋の扉が開いて二人の見張りが入って来た。
「ここに誰かいるか?」
「誰もいねーな」
見張りはそう言った後、扉を閉めて出て行った。その様子を見たミツルギは安堵の息を吐いたが、ネレスの顔を見てこう言った。
「どうしたネレス?」
「ごめん……こんなに近付いたことないから……」
ミツルギはネレスの顔を見てあることに気付いた。ネレスの顔は真っ赤になっていた。その理由はすぐに理解できた。
「うわぁ! ごめん!」
「ううん、いいの……別に……」
いろいろと察したミツルギはすぐにロッカーの扉を開き、強く鼓動する心臓の音を抑えようとした。ネレスも乱れた服を直しながら、ミツルギに近付いた。
「さっきの声……聞かれたと思う……すぐに隠れないと。できれば広い所で」
「あ……ああ。ごめんネレス、焦ってて……」
「いいの、気にしてないから……本当に気にしてないから……」
その直後、先ほどの見張りが扉を蹴り破って中に入って来た。
「ここにいたか、侵入者!」
「子供だが容赦するな、痛めつけて捕まえろ!」
見張りはそう言ってミツルギとネレスに向かってアサルトライフルを乱射し始めた。ミツルギは闇を発し、飛んで来る弾丸を飲み込んでいった。
「何だと、闇の魔力!」
「貴様、魔界の生物か?」
「知らねーよそんなこと、俺はただの人間だ!」
ミツルギはそう言って闇を発し、見張りを倒した。だが、その音を聞いた別の見張りが姿を現し、次々と襲ってきた。
「やっぱりこうなったか」
「だね。でも、こっそり倒しても後々こうなると思うよ」
「だよな。だけど、俺としてはこそこそするよりかこっちの方が性に合ってる!」
「私も行くよ!」
その後、ミツルギとネレスは魔力を開放し、襲ってくる見張りを倒し始めた。
上の階にいるドベンロは戦いの音を聞き、悲鳴を上げた。
「ひやぁぁぁぁ! 戦いだ、私を狙う奴がここに来たんだ!」
「悲鳴を上げることはありません」
「私たちが輩を捕らえてきます」
シボレとソボロはそう言ってドベンロの部屋から出て行った。残ったニオウダンとスティーブを見て、ドベンロは涙目でこう聞いた。
「あの二人に任せて大丈夫なのか?」
「はい。信頼できる戦士です。あの二人なら、必ず輩を倒してくるでしょう」
ニオウダンの言葉を聞き、ドベンロはホッとした。だが、魔力を感知しているスティーブは不安な気持ちで一杯だった。シボレとソボロが部屋から出て行った数分後、気になったスティーブは武器を持って部屋から出ようとした。
「私、見に行ってきます」
「おい、二人に任せればいいのに。そんなに不安なのか?」
「はい。これまで感じたことのない魔力です。ただの町の住人がこんな魔力を持っていますか?」
「うーむ……」
その時だった。シボレとソボロが悲鳴を上げながら壁を突き破り飛んできたのだ。驚いたニオウダンは倒れたシボレとソボロに近付いた。
「気を失ってる……」
「やはり、彼らでは敵わない相手だったんでしょう」
スティーブがそう言って剣を構えたが、その時開いた壁から闇が飛んで来て、ドベンロに命中した。
「グギャアアアアアアアアアアアアア!」
「ドベンロさん!」
ニオウダンが倒れたドベンロに近付こうとしたが、直後に強い魔力を感じた。後ろを振り向くと、闇を発したミツルギとブリッツスパーダを構えたネレスがドベンロの部屋に入って来た。
「お前がやったんだな?」
「やって悪いか権力の犬!」
ミツルギはそう言ってニオウダンに攻撃を仕掛けた。だが、スティーブが剣でミツルギの攻撃を防御していた。スティーブの顔を見て、ミツルギはあの時のことを思い出した。
「お前はあの時の生意気野郎」
「生意気野郎……お前のような愛国心の無い奴に言われたくない!」
スティーブはそう言って剣を振るったが、その前にミツルギはスティーブから離れた。
「ネレス、この生意気野郎は俺が倒す。ネレスはそのデカブツを相手できるか?」
「任せて。今回は私も本気で戦うから」
「で……デカブツ……」
デカブツと言われてニオウダンはショックを受けたが、迫ってくるネレスを見てすぐに我に戻った。
「少女を相手に戦うのは心苦しいが……ドベンロさんをやった以上、情けをかける必要はない!」
ニオウダンは大きな槍を装備し、迫ってくるネレスに攻撃を仕掛けた。
「クッ!」
襲ってくる槍をジャンプしてかわし、ネレスはブリッツスパーダに魔力を込めて衝撃波を放った。
「何と!」
衝撃波を受けたニオウダンは後ろにぶっ飛び、倒れてしまった。だが、すぐに起き上がって深呼吸を始めた。
「まさか、これほどの力を持つ魔法剣士がいたとは、セイントガーディアンに入れば上の立場になれたものを……」
「私はビガシャープ家に仕えたくありません!」
ネレスはそう言って、さらに解放する魔力を強めた。




