スネーク剣士団の終わり
ブリッツスパーダを取り戻したネレスは、その真の力を使ってムイサに攻撃を仕掛けた。
「あ……ああああああああああああ!」
自分がどれだけ魔力を使ってバリアを張っても、この一撃を防ぐことはできないと察したムイサは、横に飛んで攻撃を回避した。しかし、バランスを崩したせいでお起き上がることはできない。
「ぐ……くそ……」
近付いてくるネレスを見て、ムイサは慌てて立ち上がって魔力を解放しようとした。しかし、ミツルギとの戦いで魔力を使用してしまい、あまり残っていなかったのだ。
「こうなったら……」
残った魔力をフルに活用し、戦うしかない。ムイサはそう思い、両手に風の塊を発した。
「斬り刻んでやるぜェェェェェェェェ!」
ムイサは叫びと共に風の塊をネレスに向けて放った。しかし、ネレスが持つブリッツスパーダが再び光を発し、ムイサが放った風の塊を消してしまった。
「そ……そんな……」
「もうあなたに勝利はないわ」
ネレスはムイサに接近し、ブリッツスパーダを振り下ろした。その一閃を喰らい、ムイサは倒れた。
戦いが終わり、ネレスは地面に座り込んだ。
「やった……勝った……」
深く深呼吸をするとともに、ネレスは手にしているブリッツスパーダを見て呟いた。
「やったよお父さん。ブリッツスパーダを取り戻したよ……」
「ネレスー!」
ミツルギはネレスの元に合流し、様子を調べた。
「怪我はないか?」
「うん。心配しないで」
「すげー剣だな。魔力を込めればその分強くなるなんて」
「お父さんは私以上にもっとうまく使ってた。私なんてまだまだだよ」
と、ネレスは笑いながらこう言った。その後、ミツルギは立ち上がってネレスにこう言った。
「さ、スネーク剣士団を縛ったら宿に戻ろうぜ」
「あの……ミツルギ……」
ネレスは立ち上がろうとせず、少し恥ずかしそうにしていた。気になったミツルギはネレスに近付いた。
「どうした?」
「魔力を使ったせいか……体が疲れて動けないの。あの……手を貸してくれる?」
ネレスの言葉を聞き、ミツルギは少し笑いながら手を差し伸べた。
「ああ。いくらでも貸してやるさ」
そう言って、ミツルギはネレスの手を握った。
その翌日、サベーナの町やその周辺は歓喜の声に包まれていた。この周辺を支配していたスネーク剣士団が壊滅したからだ。
「いやー、奴らが壊滅していたとは!」
「昨日の夜に戦いがあったらしい」
「ザマーミロってんだ!」
町の人たちは騒いでいたが、スネーク剣士団と戦ったミツルギとネレスは宿屋で休んでいた。
「あー、うるさくて眠れねー」
「何日でもいていいって言われたけど……」
「少し騒動が収まるまで休もうぜ。下手に旅に出たら止められそうだ」
「ずっとここにいてくれって言われそうだね」
「ああ。ビガシャープ家をぶっ潰さなきゃならないってのに……」
ミツルギは欠伸をし、外を見た。
「下手に騒いだら、ビガシャープ家の連中がこの騒動察するよなー」
「多分。私たちのことも知られると思う」
「だよなー。変な奴らに目を付けなければいいけど……」
と、ミツルギは不安そうに呟いた。
サベーナの町から遠く離れた都会、モレーノ。そこにある教会らしき建物の一室にある男がいた。その男は机に座ってパソコンを操作していたが、ある物を見てため息を吐いた。
「愚か者がまた発生したのか……」
男はそう言うと、部屋から出て放送室らしき場所へ向かった。マイクの電源を付け、建物全体に聞こえるような声でこう言った。
『シボレ・センチーヌ、ソボロ・エグラマソン。今すぐ私、ニオウダン・マクハバレーの元へ来てくれ』
ニオウダンはそう言うと、自室に戻った。自室にはすでに二人の男が椅子に座っていた。
「もう来たのか」
「話を聞いてすぐに向かいました」
「で、私たちに何か?」
シボレとソボロの言葉を聞き、ニオウダンは一枚の紙を二人に見せた。
「スネーク剣士団が壊滅したんですか」
「あの野蛮人共を倒した奴がいるんですね」
「うむ。どうやら銀色の竜以外にも、悪い奴がいるようだ」
ニオウダンの言葉の後、シボレはフッと笑ってこう聞いた。
「それで、我らがスネーク剣士団を壊滅させた奴と戦うと」
「そうだ。奴らはいずれ、ここに来るだろう。ここにはビガシャープ家に仕えるお方がいる。恐らく、狙われるだろう」
シボレとソボロは話を聞くと、腰に携えてある剣を抜いてこう言った。
「分かりました。我々で守りましょう」
「正義に背いたことを奴らに後悔させます。ご安心を」
二人の言葉を聞き、ニオウダンは笑みを浮かべた。
「力強い言葉をありがとう。護衛は今日の午後から行う。私も共に行く。時間が来るまで支度の方を頼むぞ」
「ハッ、了解です」
「分かりました」
返事をした後、二人はニオウダンの部屋から去って行った。
準備をするため、二人は自室へ向かっていた。その途中、話を始めた。
「スネーク剣士団を倒した奴ってどんな奴かなぁ?」
「おそらく屈強な戦士だろう。だが、二人で……いや、ニオウダンさんと一緒に戦えばすぐに終わる」
「だな。我らセイントガーディアンの力を見せてやろう」
そんな話を二人はかわし、廊下を歩いていた。




