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ミツルギ大苦戦

 深夜、ミツルギはサベーナの町の入口にいた。明日スネーク剣士団が襲ってくる可能性があると言われたが、ミツルギは悪人のことだから夜中に奇襲を仕掛けてくるだろうと思い、見張りに行くと言ったのだ。


「さぁ来い、スネーク剣士団」


 ミツルギは町の人から貰ったチョコバーを食べながら呟いた。しばらくすると、バイクの音が聞こえてきた。


「来たか」


 バイクの音を聞き、ミツルギは魔力を解放した。それからすぐにバイクのランプがミツルギを照らした。


「ガキがいますぜ」


「知るか! 跳ね飛ばせ!」


 スネーク剣士団の下っ端はミツルギをバイクで跳ねようとした。だが、ミツルギは闇を操ってスネーク剣士団のバイクを転倒させた。


「石にぶつかったか?」


「いえ、この辺りにそんなものはないはず……」


「教えてやるぜ。何で転んだかをな!」


 ミツルギは下っ端に向けて闇を発し、捕まえて後ろから来るバイクに向かって下っ端を投げた。


「ふぅ、大したことねーな」


 悲鳴を上げる下っ端を見ながらミツルギは呟いた。しかし、下っ端たちを乗り越えるかのように一台のバイクが現れた。そのバイクに乗っていたムイサが地面に降り、ブリッツスパーダをミツルギに向けた。


「よくも俺の部下をやってくれたな」


「それじゃああんたがスネーク剣士団のボスってわけか」


 ミツルギの言葉を聞き、ムイサは魔力を解放した。それに合わせて、ブリッツスパーダの刃は銀色に光出した。


「そうだ。お前は俺を怒らせた。この剣で貴様を斬り刻んでやる!」


「やれるものならやってみやがれ、悪人野郎!」


 襲ってくるムイサに対し、ミツルギは闇を発して攻撃を仕掛けた。しかし、ムイサはブリッツスパーダでミツルギの闇を切り払ってしまった。


「何!」


「ハーッハッハ! 流石バーラード様がくれた剣だ! 闇でも切り払ってしまうこの威力、素晴らしい……素晴らしすぎる!」


 ムイサの言葉を聞き、その剣がネレスの父が使っていた剣、ブリッツスパーダだとミツルギは察した。


「お前、それネレスの父さんの剣だぞ」


「今は私の剣だ!」


 ムイサはそう言うと、ブリッツスパーダから刃の衝撃波を発した。ミツルギは闇を盾代わりにして攻撃を防ごうとしたが、衝撃波は闇を切り裂いてミツルギに命中した。


「グアッ!」


 攻撃を受けたミツルギは吹き飛び、崖の外へ飛び出してしまった。


「ヤベッ!」


 慌ててミツルギは闇を伸ばし、崖を掴んだ。そして闇を使って再びムイサの元へ向かった。


「よくもやったなこの野郎!」


「野蛮なことを言う子供だ、お仕置きをしなくてはな!」


 ムイサは再び魔力を開放し、ブリップスパーダを振るってミツルギを攻撃した。しかし、ミツルギも攻撃を受けてばかりではない。ボールぐらいの大きさの闇の塊を発し、それを殴った。何をするつもりだとムイサは思ったが、その闇の塊から無数の小さな塊がムイサを襲った。


「グオッ!」


 小さな塊を喰らい、ムイサの体にはいくつも切り傷ができた。


「貴様ぁ~!」


 顔から流れる血をぬぐいながら、ムイサは怒りに任せてミツルギに襲い掛かった。ミツルギは攻撃をかわしていったが、次第に崖の方へ追い込まれてしまった。


「仕方ねー」


 ミツルギは一旦崖に飛び降り、闇を使って移動を始めた。ムイサから離れようとしたのだ。だが。


「同じ手は二度も喰らわんぞ!」


 ムイサは魔力を開放し、再び刃の衝撃波を放った。刃の衝撃波はミツルギからの手から伸びる闇を切断してしまった。


「あ……」


「あばよ、クソガキ」


 落下していくミツルギを見て、ムイサは勝利を確信して笑みを浮かべた。しかし。突如ミツルギの体は宙に浮かんだ。それを見たムイサは目を丸く広げて驚いていた。




「あ……ありゃ?」


 突如体が浮き、ミツルギは何がどうなっているのか分からなかった。周囲を見ると、そこにはネレスが立っていた。


「ネレス。起きて大丈夫なのか?」


「うん。スッキリしたし、食事もしてきた。それより……あいつがブリッツスパーダを持ってるの?」


 ネレスはムイサを睨んでこう言った。


「ああ。魔力を強くする力、そして魔力を解放した強さに合わせて強化される攻撃力。多分昼に言ってたブリッツスパーダだろ」


 ミツルギから説明を聞くと、ネレスは魔力を開放してムイサに襲い掛かった。


「今度は少女かよ。全く、最近のガキはどんだけ闘志がわいてるんだよ」


「お父さんの剣を返しなさい!」


 ネレスの言葉を聞き、ムイサはイラッとしながら叫んだ。


「お前の剣じゃねーよ、俺の剣だァァァァァァァァァァァァァ!」


 ムイサはブリッツスパーダを握ってネレスを斬ろうとした。だが、ミツルギが放った闇がムイサの攻撃を妨害した。


「返してもらうぜ、ネレスの剣」


 ミツルギが放った闇はムイサが持つブリッツスパーダを吹き飛ばした。飛ばされたブリッツスパーダは、ネレスの近くに転がってきた。


「ミツルギ……」


「今のうちに拾うんだ!」


「……分かった!」


 ネレスは近くに転がって来たブリッツスパーダを拾い、強く握りしめた。ムイサはミツルギが放った闇を振りほどき、ネレスに近付いた。


「返せ、俺の剣!」


「違うわ、あなたの剣じゃない」


 ネレスがこう言った直後、ブリッツスパーダは白く光出した。その光を見て、ムイサは言葉を失った。


「何だその力は……その剣にそれだけ力があったとは……」


「この剣は私たち一族しか扱えない特別な剣。あなたのような人は絶対にうまく扱えないわ」


 ネレスはブリッツスパーダを振り回し、ムイサに向けてこう言った。


「覚悟しなさい」


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