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ネレスの怒り

 ミツルギは様子のおかしいネレスを心配していた。だが、その前にネレスは一足先にサベーナの町にやって来たスネーク剣士団の元へ向かってしまった。


「ネレス! 全く、どうしたんだよ?」


 飛んで行ったネレスの後を追い、ミツルギは走り始めた。


 町の方ではスネーク剣士団が周りを見渡しながら歩いていた。


「で、お前らをぶっ飛ばした奴はここにいるのか?」


 ボスらしき人物が包帯まみれの三人組に声をかけた。


「分かんないですけど、ここから近くの町ってここしかないですし……」


「あの闇を使う坊主を倒せるのはあなたしかいません、ロイッグさん」


 ロイッグと言われた男は背中の大剣を下ろし、大きな声で叫んだ。


「おい! 俺の仲間を崖に突き落とした坊主はどこだ! この俺が直々に相手してやるよ!」


 そう叫んだ直後、雷の魔力で作られた矢がロイッグに命中した。


「何だ?」


 腕に突き刺さった雷の矢を抜き、前を睨んだ。そこには魔力を開放しているネレスがいた。ネレスの姿を見て、三人組は驚いて叫んだ。


「あいつはあの坊主の仲間!」


「嘘でしょ、あんなすごい魔法使いだったなんて!」


「小娘が、ふざけた真似をしやがって!」


 ロイッグは大剣を装備しようと思い、右手を背中に回した。だが、その前にネレスは竜巻のような風を発生させ、ロイッグと三人組を上空へ飛ばした。


「いやあああああああああ! また落ちるのねェェェェェェェ!」


「何だと……これほどの魔法使いがいたとは……グッ!」


 上空に飛ばされたロイッグは何とか地面に着地できたが、三人組はそのまま地面にめり込んでしまった。


「この小娘! また俺の仲間を傷つけやがって!」


 と、ネレスに向かってロイッグは叫んだが、ネレスは次の攻撃の準備を行っていた。


「無視しやがって……」


 ネレスの態度を見て少しイラついたロイッグはとにかく接近してネレスを殴ろうとした。だが、その前にネレスの指から無数の炎が放たれた。


「グオッ!」


 飛んでくる炎を防御し始めたロイッグだったが、腕や足に付着した炎はとても熱かった。


「グッ、火傷しちまう!」


 火を消すのに夢中になっているせいで、隙だらけのロイッグに向かい、ネレスは魔力で作った水をロイッグの頭上に浮かしていた。


「何だその水は? 俺を濡らすってわけか?」


 そう呟いたロイッグだったが、ネレスが発した水は急に巨大な氷となり、ロイッグを押しつぶした。


「グッ……参った降参だ……体が潰れる……」


「分かったわ」


 ロイッグに近付いたネレスはそう言うと、氷を溶かしてロイッグを水浸しにした。その後、ネレスはロイッグの顔を持ち上げてこう聞いた。


「あなたのリーダーはどこですか?」


「それを聞いてどうする……」


「答えなさい!」


 怒りのあまり、ネレスはロイッグの顔面に炎を当てようとした。だが、追いついたミツルギがネレスを止めた。


「落ち着けネレス。一体何があったんだ?」


「ミツルギ……」


 ミツルギの顔を見たネレスは、深呼吸をして落ち着いた後、話を始めた。


「実は、お父さんが使っていた剣が行方不明になったと聞きました。お父さんはどこかで戦って命を落とし、そのままビガシャープ家の誰かが使っているのかと思っていました」


「まさか、車で聞いた魔力を強める剣ってのは……」


「おそらく、お父さんが使っていた剣、ブリッツスパーダ」


 その話を聞いていたロイッグは、笑い声を上げた。


「そうか、ムイサさんはボーナスでバーラードさんから貰ったといったが、まさかかなりレアな剣だったとはな! 俺たちスネーク剣士団も愛されてるって証拠だな!」


「黙れクソ野郎」


 ミツルギは闇を発し、ロイッグに追い打ちを仕掛けた。その後、ミツルギはネレスを宿に連れ、休ませることにした。


「宿のおじさんが言ってたけど、明日には奴らが来るかもしれない。その前に休もうぜ」


「だけど」


「大事な剣だってことは分かった。だけど、あれだけ暴れたら腹減るだろうが」


 ネレスは立ち上がって元気な所をミツルギにアピールしようとしたが、強烈な腹の音と共に強い空腹に襲われた。


「うう……」


「なんか貰ってくるよ。それまで寝てろよ」


 ミツルギはそう言って部屋から出て行った。




 その頃、サベーナの町から少し離れた所に砦のような場所がある。スネーク剣士団はそこを住処とし、サベーナの町や他の村、町を襲って支配下にしている。


 リーダーであるムイサは玉座のような椅子に座り、綺麗な布で手にしている剣を磨いていた。


「いつ見ても美しい剣だ……本当に素晴らしい剣をバーラード様は俺に譲ってくれた。ありがたいありがたい……」


 美しく銀色に光る刃を見て、ムイサはうっとりとしていた。そんな中、部下が部屋に入って来た。


「どうした、騒騒しい」


「報告です! サベーナの町へ向かったロイッグさんたちが戻ってきません!」


「何だと? すぐに向かうぞ。休みせずにそのまま町へ突っ込むぞ!」


「分かりました! 準備の方を促した後、向かいます!」


「頼むぞ!」


 その後、出かける準備を終えたムイサはバイクにまたがり、後ろにいる部下たちにこう言った。


「このまま町へ突っ走るぞ。このまま走れば夜中には着くだろう! では行くぞ!」


 ムイサの声の後、部下たちは大きな声で返事をした。


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