ミツルギVSゲーズ
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
ミツルギは左手の闇を操り、ゲーズが持つ盾を狙った。
「闇で盾を狙うつもりか? バレバレだぞ!」
ゲーズはヨーヨーのように盾を操り、闇が命中するのを防いだ。そしてそのまま盾を操り、ミツルギの方へ動かした。
「グッ!」
「飛んで回避しても無駄だぞ!」
ミツルギがジャンプして攻撃を回避することを読んでいたゲーズは、空中にいるミツルギに向かって盾を動かした。
「チッ!」
回転しながら襲ってくる盾に対し、ミツルギは剣を盾代わりにして攻撃を防いだ。しかし、弾き飛ばされたミツルギは少し遠くぶっ飛んでしまった。
「ててて……」
倒れたミツルギはすぐに立ち上がり、剣を鞘に納めた。
「やっぱり剣で戦うよりも、こっちの方が性に合う!」
そう言って両手に闇の魔力を開放し、ゲーズに向かって走って行った。
「武器をしまったか。素手で私を倒せると思うなよ!」
「やってみねーと分からねーじゃん!」
再び迫ってくる盾に対し、ミツルギは両手を開いた。それに合わせるかのように、両手に纏っている闇が大きく広がった。
「防ぐつもりか? できるならやってみろよ」
「じゃあ見てろよ。驚いて腰抜かすなよ」
迫ってくる盾はミツルギが放つ闇に命中した。盾は大きく回ってミツルギの闇を切り払おうとしたが、できなかった。
「グッ……これが闇の力か……」
ゲーズは盾を手元に戻そうとしたが、その前にミツルギは闇のオーラを操り、盾を飲み込むように包み込んだ。
「私の盾が!」
「返してやるよ、お前の盾」
ミツルギは闇を開き、中にあったゲーズの盾を飛ばした。
「なっ! がああああああああああああああ!」
飛んできた盾を止められず、ゲーズは回転する盾の攻撃を喰らった。何とか動きを止めて元に戻したが、かなりのダメージを喰らってしまった。
「チィ……このガキが……」
体に付いた血を魔力で止めながら、ゲーズはミツルギを睨んだ。二人の戦いを見た団員たちは、歓声を上げていた。
「ミツルギの奴スゲー!」
「ここの強い奴をかなり追い詰めてるぞ! そのままやっちまえー!」
「頑張れ頑張れミツルギ!」
「おいお前ら! お前らも他の奴と戦え!」
ドレイドは槍を使い、周りの下っ端たちと戦っていた。団員はすみませんとドレイドに向かって叫び、戦いに加わった。
ミツルギは傷ついたゲーズに接近し、剣を振り下ろした。だが、ゲーズは震える手で盾を使って攻撃を防いでいた。
「ぐ……はぁ、はぁ……」
「限界が近いじゃん」
荒く呼吸をするゲーズを見て、ゲーズの体力がないことを察した。そして、先ほど自分が与えた傷が開き、血が流れていることを察した。
「あまり追い打ちをすることはしたくないけど、お前みたいな悪人には情けはかけない!」
ミツルギは闇を利用し、ゲーズの傷跡に攻撃を仕掛けた。そうはさせまいと思ったゲーズは盾で闇を防いだ。
「今度はもう返さないぞ、お前の盾」
ミツルギが放つ闇から、何かが崩れる音が響いた。そして、闇から何かの破片が無数に落ちてきた。
「勝負あったな。情けはかけないと言ったけど、命を奪うことはしたくない。諦めて捕まれ」
と、ミツルギはゲーズに投降するように促した。だが、ゲーズは魔力を開放し、ミツルギを睨んだ。
「甘いな坊主……私の武器は盾だけじゃない!」
そう言うと、両手から盾のような魔力の塊を放った。
「炎の魔力で作った盾だ。盾にもなるし、武器にもなる」
「それがお前の本気か!」
ミツルギは闇を開放し、迫ってくるゲーズに対処しようとした。だが、ゲーズは遠く離れた所で炎の盾をミツルギに向けて投げた。その行動を見て、先ほどの盾のようなことができるのだと理解した。
「チッ!」
攻撃の内容は先程と同じ。しかし、盾が二個になったため回避が少し難しくなってしまった。盾が体に命中し、ミツルギは再び吹き飛んだ。
「アッチィ!」
ミツルギが腕に付着した小さな火を払っている隙を狙い、ゲーズは盾を戻し、大急ぎで接近した。ミツルギがゲーズの接近に気が付いたのはそのあとだった。
「ヤベッ!」
「覚悟しろ!」
勝負を終わらせるつもりで、ゲーズは二つの盾を大きく振り上げていた。
町の人たちを開放していたネレスは、魔力の変化に気付いて周囲を見回した。
「どうしたネレスちゃん?」
「ミツルギが気になるのか?」
同じく解放活動をしている団員がこう言うと、ネレスは返事をした。
「うん。別の魔力が激しくなってるの」
「気になってるなら行ってやんな」
「ここは俺たちに任してくれ」
「皆さん……ありがとうございます!」
ネレスは頭を下げて礼を言い、急いでミツルギの元へ向かって行った。慌てて走って去って行くネレスを見て、団員たちは話を始めた。
「いい子だなぁ」
「あんな子でもビガシャープ家を倒したいって思ってるもんな」
「勇ましい子だよ」
「おい、喋っている暇があったら手を動かせ! まだ町の人はたくさんいるんだぞ。それに戦いに巻き込まれる可能性がある。それを防ぐためにさっさと動けー!」
場を収める人物の声を聞き、団員は慌てて仕事を再開した。




