④照明用リモコンの怪
アパートに住まってすぐ照明のリモコンが壊れた。当然、不動産屋に連絡すると何日かして青年が修理にやって来た。リモコンは青年が操作すると何事もなく点灯、消灯を繰り返した。結局青年は修理作業をする事もなく帰って行った。
その日の夜、照明を点灯するためリモコンを押したが100回押してもナシのツブテだった。仕事が夜勤のため昼間は暗室にしていたので、そのまま点灯せず月日が過ぎた。
やがて10年が過ぎた頃、突然のコロナ騒ぎで外出自粛になり暇に任せ部屋の掃除を始めた。玄関、風呂場、シンク、部屋そして最後に照明器具の掃除をする事になった。
照明器具のカバーを外し中を見ると豆球が無い。近くのホームセンターで豆球のブルーライト0.5W長寿命タイプを購入し取り付けた。そして試しにリモコンを押した。するとあれ程頑固に無反応だった照明が点灯、押すたびにピッピッと音がするので歓びながら何度も押してみた。すると突然反応が無くなる。100回押してみたが反応しない。完全に振り出しに戻った。
原理はリモコンから赤外線が放たれると、照明器具のセンサーが反応してスイッチが入るのだが、赤外線が出ていないと思われる。こんな時はスマホのカメラ機能が役に立つ。
リモコンの発光部にカメラレンズを向けスイッチを押す。スマホのカメラ画像に光が映れば赤外線は出ている事になる。しかし何も写らない。電池切れかも知れないので電池交換する。
結局リモコンの機能が回復する事は無かった。やむを得ないのでアマゾンで調べると全く同じリモコンが1つだけ在庫が見つかった。代金は送料を入れて6千円、あまりにも高額なため即座に断念、修理出来るかリモコンを調べるためメーカー(SONY)のシールを剥がす。下から出て来たのは大手企業名TOSHIBAと型番だった。改めてアマゾンで探すと幾つかヒット、価格は1500円で送料はタダ。今度は迷う事なく注文を確定した。
古いリモコンはもう要らない。そう思いながら未練にもスイッチを押すと、照明器具が反応している。あれ程頑固にウンともスンとも言わないスイッチが反応しているではないか。この出来事はよくある話しで「機械は素人を舐める」傾向にある。機械を熟知した者には何故か素直に従うのである。私も常々感じてはいたが機械なんぞに馬鹿にされるのは我慢ならない。
私は古いリモコンの悪戯を無視した。そしてアマゾンからの真新しいリモコンの配達を心待ちにした。(新しく購入のリモコンは本来の定位置に、古いリモコンは枕もとに納まり今は何不自由無く機能している)