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episode2 ロマン卿、戦闘職・生産職の情勢を聞く

前回のあらすじ

1、龍魅異世界に降り立つ

2、リュウコク街の違和感を感じる

3、ロマン卿、住民視点のベータ話を聞く

この世界の現状を聞いた後、俺はもう一つ聞きたいことができたのでもう一本焼き鳥を買うことにした。


「クレジーナさん、もう一本いいかい。美味しかったのもあるけど、聞きたいことがもう一個できたからね。」


「もう一本ね、いいわよ。

それで何が聞きたいのかしら。」


「たいしたことではないと思うけどね。

総合生産所とかあったりするかな。生産スキルのレベルをあげるためにも生産拠点の場所を把握しとかないといけないからな。」


軽く聞いてみたのだが、彼女は、


「総合生産所? そんなのはないよ。

鍛冶は鍛冶、料理は料理で拠点を持ってるだけで共存はあまりしてないよ。

ああ、来訪者だから情勢を知らないのか。」


そんな彼女の返答に疑問を覚える。


「共存してない、情勢?

どういうことだ。」


尋ねれば、彼女は説明を始めた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


冒険者ってのは、知ってるよね。

街の困りごとやモンスター退治を活動にしてる者たちだがある程度実力がついてくると冒険者協会からギルドの紹介をされるんだよね。


そのギルドなんだけど、ちょっと問題があってね。

いくつものギルドがあるんだが、大まかに分けると前衛ギルドと後衛ギルドに分けられるんだよ。

だけど全てのギルドが全員が同じ実力者であれ、

といって、飛び出た一人や落ちこぼれは用意しないようにと行動が制限されているんだが、そのせいで前衛、後衛の実力が合わせにくくて二つの派閥に分かれちまってるんだよ。


その影響が生産職にも出てるんだよな。

前衛装備を作ってる鍛冶ギルドと後衛装備を作ってる木工ギルドの対立が特に酷くてね、他の生産職も巻き込まれているような状態さ。


そして、私みたいな制限を受けたくない冒険者は、何処にも所属しないで野良で活動してるんだよ。

生産職でも巻き込まれたくない奴が野良でやってるね、個人工房を構えて。

だから、野良冒険者は野良生産職を探して装備を作って貰ったりしてるね。


だからこの問題を解決しないと総合生産所なんて夢のまた夢だよ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「まぁ、この街は革新派が集まって共同できるっていうのを証明しようとしていたようだけど、2ヶ月前の事件のせいで離れてしまって野良生産者ぐらいしか残ってないね。」


「うわぁ」

嫌になるほどハードモードじゃないか。


「まぁ、探せば革新派が使っていた拠点はあるんじゃないか、設備は無くなっているだろうけど。」


彼女は慰めているのか陥れたいのかどっちなのだろう。

しかしなぁ、

「生産拠点にできそうなところがないとなると生産道具を買うこともできないか。はぁ〜」

とため息をついていると、

「いや、道具はなんとかなるかもしれないぞ。」

と彼女が言ってきた。


「本当か、それ。どういうことだ。」


「落ち着け、教えるから。この広場の東通りを通っていったところに『道具屋ウィナミス』という所があるんだが、そこの店主がぼやいてたんだ。

『最近仕入れたことのない道具が倉庫にあって、捨てても次の日には元に戻ってる。』

てな。

不気味になって出ていっても他の街に入れなかったから帰ってきたって言ってたがその中身は確か生産キットって話だったぞ。」


これを聞いた俺は立ち上がり、


「ありがとう、クレジーナさん。

助かったよ。また、縁があったら会いましょう。」


そう言って立ち去った。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

sideクレジーナ


「縁があったらまた会いましょう、か。」


そんなことを言いながら立ち去った少年を見送りながら考える。


まぁ、来訪者だし暫くはこの街で活動するでしょうから、再開する機会は増えそうよね。

その時にどんな話をするのかもしくは話さないのかはその時にならないとわからないけどね。


確か、リュウコクだったわね。

商人コミュニティに流しておかないとね、取引してもいいかもしれない相手として。

後、彼が推測した友好の試練についても話しておきましょうか。


何故かしら、将来、来訪者の中で彼が一番目立つきがするのよね。

その時を楽しみにしておきましょうか。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

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