episode2−3 ステータス設定という名のチュートリアル
前回のあらすじ
1、取得可能なスキル一覧
2、取得したスキル
3、スキル募集
目を瞑っていたミルフィアさんは、俺が声をかけたところで再び動き出した。
「終わったようですね。
それでは少し失礼しまして見させていただきます。」
と言った後、少しして彼女は目を少し見開いた。
「また随分取得されましたね。
武器系等は少ないですが、魔法系、生産系、その他はほぼ全採りですか。
かなりの茨の道になりそうですが大丈夫ですか。」
と聞かれたので俺は、
「大丈夫ですよ。
基本はソロで活動する予定ですし、攻略組とかにもなるつもりはないので。
自分のペースで進めますから。」
と返答した。
「かしこまりました。次に参りましょう。
まずは先程説明していなかったSPの他の使い方についてですが、SPはスキルの取得だけではなく、スキルの進化・統合にも使いますので、計画的にご使用ください。
また基本的にSPを貯めるにはスキルレベルが上がった時に1ポイント貯まります。例外がありますがそちらは御自分でお探しください。
以上がスキルについての説明になります。」
と聞いて俺はどんな進化•統合するのかなと思った。
「次は装備になりますね。
初心者セットになるのですが、武器は1種類しか渡せないことになってますのでリュウコクさんはどれをお選びになりますか?」
と聞かれたので俺は
「最初は剣で行きます」
と答えた。
「かしこまりました。それではこちらになります。」
と言って彼女は何もない空間から何かを取り出して渡してきた。
それを受け取ったら顕現させていたデバイスに吸い込まれた。
「今のでデバイスのイベントリに収納されたと思うので開いてみてください。」
と言われたからイベントリを開いてみた。
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イベントリ
初心者の服(人間)×1
初心者のズボン(人間)×1
初心者の靴(人間)×1
初心者の剣×1
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「無事、開ましたね。
アイテムをタップすると『装備をする』『詳細を見る』が使えるので試してみてください。」
と言われたのでまずは詳細をみてみた。
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◎初心者の服
来訪者(人間)のために用意された服。
性能は低いが壊れる事はない。
耐久:∞ VIT:+3
効果:不壊
◎初心者のズボン
来訪者(人間)のために用意されたズボン。
性能は低いが壊れる事はない。
耐久:∞ VIT: +2
効果:不壊
◎初心者の靴
来訪者(人間)のために用意された靴。
性能は低いが壊れる事はない。
耐久:∞ AGI:+1
効果:不壊
◎初心者の剣
来訪者のために用意された剣。
性能は低いが壊れる事はない。
耐久:∞ STR:+3
効果:不壊
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詳細をみて疑問に思ったのは、
「人間用?種族で違いがある?」
そんな声に、
「ええ、その通りよ。人間や獣人で体型に違いがあるからそれに合わせて用意された装備よ。さぁ、詳細は見たと思うし装備してみて。」
と言われたので、詳細画面から一つ戻って装備してみたら自分の体が光、ザ•初心者といった感じの服を着ていた。そして、
「えっ、イベントリから表記が消えた?!」
と驚いていると、
「ええ、そうよ。装備欄に移ったもの。持てる個数の少ないイベントリから移すのは当たり前です。
装備欄から外すか、新しい装備をつける事で装備は変わります。」
メニュー画面から装備欄を見ながらミルフィアさんの話に耳を傾けていたら予想していたことが聞こえた。
「やっぱり、イベントリの所持制限あったんですね。選択できるスキル欄にアイテムボックスってあったからなんとなく予想してましたけど。」
「現地民の方でさえ、アイテムボックス持ちは珍しいのですから来訪者に同等の機能を簡単に持たせるわけにはいかないので。」
そんなことを話しながら装備欄を確認する。
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装備
頭:
体:初心者の服
足:初心者のズボン
手:
靴:初心者の靴
アクセサリー:
アクセサリー:
アクセサリー:
武器:初心者の剣
補正値
STR:3
VIT:5
AGI:1
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「装備欄に書かれている補正値はステータスにも表記されています。」
と言われたので確認してみたら(+3)とかの数値が後ろに記載されていた。
「これでよく使われるだろう項目の説明は終わったので、チュートリアルを兼ねたステータス設定を終わります。
残りの項目は、あちらの世界でヘルプをみながらお試しください。
最後に何か質問等はありますか?」
と聞かれたので、途中から疑問に思ったことを聞いてみた。
「じゃあ一つだけ。」
「はい、なんでしょうか」
「ミルフィナさんって、
生きた人間?
命令を中実にこなす機械?
それとも自分の感情を押さえ込んで無心に動く人形?
どれになるの?」
と尋ねれば彼女の動きが鈍った。
「何故、そのような質問をされたか聞いても?」
ちょっと待ってからそう聞かれたので俺は答える。
「いいですよ。
疑問の切っ掛けは最初からありました。
キャラクタークリエイトサポートと言った時から、ね。
どの会社のサポートする存在はサポートAIと言うからね、その時点で言わない理由はなんだろうと思っていたよ。
本格的に疑問になったのは、スキル選びが終わったあたりかな。
ミルフィナさん、途中から言葉使いが少し変わったり、雰囲気が少し変わったりしたからね。こう何か必死で自分を抑えてるように見え始めたからかな。
これが聞いた理由だよ。」
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sideミルフィナ
これが聞いた理由だよ。」
というリュウコクさんの考察を聞いて、その観察力が怖いなと思いながらも面白いと思ってしまいました。
他の人たちはただの作業と言って気にしていなかたのに、彼は最初から違和感を感じていたのですね。
彼はこの停滞した世界を変える一歩になるかもしれませんね。
この事は上司に報告して私もこれから気にかけておきましょうか。
おっと、まずはその疑問に答えなければなりませんね。
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sideリュウコク
「ええ、私はこの仕事をしている間は人形ですよ。
だってこの体も何百とある文体の一つなのですから。」
「なるほど、目を瞑ってたのは文体を休ませるためかな。」
と推測を口に出すと、
「そうですよ、来訪者にはいろいろな人がいますからね。
素を出すことによって、変に絡まれることを防ぐには無心でいることが楽でしたもの。
何百人を相手にしながら、絡まれるのは苦痛ですもの。」
と言っていたので、
「じゃあ、そろそろ僕も旅立った方がいいのかな。」
と聞くと、
「そうですね。リュウコク様ならもう少し話しててもよかったのですが、貴方様もそろそろ新しい世界を御覧になりたいでしょうし、ここらへんでお仕舞いにしましょう。
では、最後にこちらをどうぞ。
向こうの世界についてからご確認ください。
デバイスに表示された思いますので。」
そう言いながら彼女から光が俺に飛んできて俺の中に消えた。
「それではリュウコク様新しい世界で新しい人生をお楽しみ下しませ。」
という言葉に俺は、
「ああ、行ってくるよ。」
と応えた。
そして、俺は光に包まれた。
プロローグはここまでです。
次回から一章始ります。
次章予告
チュートリアルを終えて、最初の町に降り立ったリュウコク。
そんな彼の目の間には、事前に調べていた情報とは違いすぎる風景。
彼はこれをみて何を思い何を考えるのだろうか。
乞うご期待・・・しないで待っててください。