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序幕1-6
序幕1-6
茜は魔王へと挑んだ人間の軍勢全ての負傷者の手当てを終えたのは陽が傾き掛け始めた頃だった。
「あ~。お洗濯物が」と茜は沈み行く太陽を眺めながら晴れやかなニッコリ顔で魔王城の壱角に佇んでいた。
「茜」とアマネが声を掛けた。「アマネちゃんだ。お詫びに洋菓子あげる」と両手を合わせて謝った。
「洗濯物は私が干しておきました」とアマネは自分に付いて来い。と動作で茜に促した。
アマネは茜が佇んでいた壱角から反対側。魔王城の内城へと歩む。すると洗濯物が大量に干されていた。
「ありがと。アマネちゃん。お礼にアイスも付けちゃう」と茜は干されている洗濯物を見て言った。
「いえ。私はこの通り軆が植物ですので、それより壱つお訊きしても?」とアマネは聞いた。
「良いよぉ?」と首を少し傾けた茜。アマネは茜が見ていた傾き掛けている陽へと目を向けた。




