第七話 お腹はデリケート
スマホがやたらと鳴っている。爺さんからの着信だ。
「おえっ、もじもじ、こちら血の湖前嘔吐しまくりの龍司ですが・・・」
『ばかもーん!! 御主、あたり一帯の生物を軒並み殺しおって! デスマシーンかおのれは! 御主が作った兵器は何じゃ! 安全圏から撃ちまくって素材を取る訳でも無く、食べる訳でもなく! 何をしとるんじゃ!』
うるさっ鼓膜いかれるわ!
「おでの安全の確保の為です」
『やり過ぎじゃ! 大地の精霊と水の精霊からクレームがわんさか来とるわ!』
精霊からクレームって何だ? 精霊もいるのか?
「素材回収って言っても何処が使えるか知らないし、人里すらない中で、殺した魔物何か持ち歩いてたら腐るだろ」
爺さんは死体が腐るって当たり前な事を忘れているみたいだな。痴呆かな?
『はあ。とにかく必要以上に魔物を殺すでない。アイテムボックスをやるから殺したらきちんとしまいなさい。人里に出れば有効利用してくれるであろう』
「次からはそうするよ。いつもサンキューな!」
『サンキューな! じゃないわい。御主と話すと疲れるわい・・・』
爺さんからの説教を乗り越えた俺は、ナガレに伝える
「何か爺さんから、魔物殺し過ぎだってよ。後殺したら素材回収もしろって、安全圏確保にしてもやり過ぎらしい」
『はあ、爺さんが誰かは知りませんが、わかりました。では魔物を回収しましょうか。大量に居ますけど。シャーク君でこちらに吹き飛ばしますので片っ端から回収して下さい』
ナガレにため息をつかれてしまった。俺は悪くないのに・・・。人間味溢れ過ぎだけど、本当にゴーレムだよな?
ナガレはシャーク君を器用に操り魔物達の死体をどんどん山積みにして行く。アイテムボックスすげえなダイソンより吸引力あるぞ! 難点は触れないと回収できない為俺は嘔吐しながら、回収作業をして行く。グロいな魔物。自分で倒せる気が全くしない。
『掃除終わりましたね、これからは半径1キロメートル範囲に絞ります。・・・・もう粗方倒しましたけど』
後半何か小さい声で言ってたけど、まあ良しとしよう。
「そうしてくれ、爺さんに怒鳴られたくないからさ。しかし湖これ、どうしようか」
『自然に任せるか、マスターが湖に入り血を回収するかですね』
血を回収何て出来ないだろ・・・。自然に任せよう。
「自然に任せよう、とりあえず野営地を作るか」
昔TVで見た、ポッアップ型のテント(組み上がり済み)と寝袋を出し、テーブルと椅子も出す。
「テントのペグも打ったし、後は食材とコンロと風呂だな。服も何着か描いとくかないとな」
スキルを使いキャンプ用品を出していく。風呂はドラム缶スタイルにした。理由は簡単一回やってみたかったからだ。
『これだけみたら、地球でキャンプしてるのと変わりませんね。異世界に来てるのに』
「だって野草や魔物とか腹壊しそうだし、そもそも人里に着いて無い時点でどれが毒か何て見分けつかないし、耐性スキルも無いひ弱な絵描き何だから無茶言うなよ」
『何ともしまりませんね・・・・』