第五話 完璧なパーティ
俺は今異世界に来て初めてピンチを迎えている。目の前には青いゼリー状の物体、俺はスキルで出した洋式トイレに座っている、何故かって?
そう生理現象だ。
「おっおいやろうってのか⁉︎」
声が思わず震えてしまう。こっちは絶賛フィーバー中、動けるはずもない。
ジリジリと俺に近寄って来る。
「くっ来るな! 俺の尻から火を拭くぞ!」
声を荒げてもどんどん近づいて来る。
「なっナガレ助けてえええ!」
助けを呼ぶために全力で叫んだが、何故かナガレが来る気配が無い。クッソオオ裏切り者めえええ。
「いてええええ!!! 」
青いゼリー状の物体が俺の腹にダイレイクとアタックをかましてきた。めちゃくちゃ痛い? おや? おやおやあんまり痛くないぞ?
「フッフッフ、貴様の攻撃は俺にダメージを与えられないようだな・・・・。」
弱い弱過ぎるぞスライム(仮)よ!
調子に乗っていると、スライム(仮)が光り始める
「フッフッフ今更光ったところで無駄無駄無駄無駄! おっべし!」
スライム(仮)の自爆攻撃、俺に大ダメージ。
スライム(仮)の粘液まみれで、大をする情けない姿。人に見られてなくて良かった。
ナガレ、ナガレは何処だこんちくしょう。
『・・・・・・フッ』
あっ居た! あいつスライム(仮)の自爆が届かない範囲でこっちを見ながら笑ってやがる! ガッテム!
『マスター、如何に排泄中でも油断するべきではありません。助けを呼ぶべきです』
俺助け呼んだぞ?
『敵個体は未知の生物、加えてこの世界には科学では測れない物事が多数あります。舐めてるんですか? 死にますよ? 死にたいんですか? 馬鹿なんですか?』
助けを呼んだ事以外は、ナガレは俺に正論のマシンガンをぶっ放して来た。
『マスターの排泄物の臭いが更にモンスターを集めています。早急に排泄物を処分してください。私はドローン操作に戻ります。その小さなナニを早急に斬り落とすかしまう事をオススメします』
ひっ酷いそんなにボロクソに言わなくても良いのに。設定に毒舌何ていれてないのに、もっと優しくマスター御守りします! みたいな展開を望んでいたのに・・・。
俺は半ベソになりながら尻を拭いた。
『マスターびちょびちょで気持ち悪いです(笑)先ずは拠点作成をおすすめします。私には必要ありませんが、マスターには必要なはずです』
(笑)って何だよちくしょう・・・馬鹿にしやがって、でも拠点作成は大事だしなあ。
「拠点作成かあ、レベルは上がったから出来るかな? そ家でも描いてみるか? なあナガレ近くに川とかなかった?」
『10キロ程先に湖らしき場所は発見しました。湖の中までは分かりませんが、湖周辺の敵対生物は排除しています。』
「10キロかあ、うーむ俺の体力じゃ10キロも歩けないしなあ。ナガレにおぶさる訳にも行かないし・・・」
『・・・・・・情けなさはNo.1ですね、大抵物語の主人公なら自分の力で歩きますよ』
「どうしよっかなあ〜。あっ移動用件、護衛用のゴーレムを作ろう」
『自分で動く選択肢は無しですか・・・・』
俺は機動力と破壊力を重点的に考え
「そうだ! あの動物をモデルにしよ!」
下書きを見ながらナガレがため息混じりに呟いた
『マスターの思考回路は良くわかりません。珍妙キテレツ摩訶不思議です。他に色々動物やら神話に出て来るような物は居たでしょうに、全く困ったマスターです』
「良いだろ別に」
ぽん
『ウホッ』
「おー! 出て来てくれたか! メカゴリ君!」
運搬&護衛用 自動索敵機能(動体検知、熱源感知) 破壊力SS 敏捷生SS 耐久性S 自動修復機能 耐熱 耐水 耐電 耐震 人工知能搭載 赤外線カメラ搭載 ショック吸収 異空間収納(口からしまい肛門からのみ出し入れ可能) 身長2m
『ウホッウホッウホッウホッウホッウホッウホッ!』
「あれ? 言葉がわからんぞ・・・」
『そりゃゴリラですからね・・・・』
『ウホッ!』
こうして、俺の仲間は増えた。美少女ゴーレムとゴリラ。完璧なパーティの完成だ?