第三話 異世界到着
アナシア ???
肌に風を感じ、木や草の臭いを感じ、俺は目を開けた。
見渡す限り木、まるで地球のジャングルのようだった。
「これが異世界アナシアか? 何か木ばっかだなあ。異世界感あんまりないな、どっちかと言うと田舎だな」
身体を確認する、服と靴は地球で俺が着てた奴だな。後は無限紙と筆ペンか、金も無いし武器も無い、爺さんもサービスは終わりだって言ってたしなあ。
「ドローンでも飛ばせればなあ・・・」
空を見上げながらポツリと呟いた。
「そうだ! スキルだ!」
その場に座り込み、無限紙にドローンを描く。
以前買った雑誌で見た、ハイエンドモデルだ。カメラ付きだしこれならいける!
ぽふん
気の抜けた音だったが、ドローンが出てきた。そしてドローンは飛んでいった。
それを晴れやかな気持ちで見送った。
ん? ドローンが勝手に空を飛んだ? あっいけね、操縦しなきゃ!
「あっあれ? 何で勝手に? あああああ! リモコン描いてない! 操縦不能じゃないか!」
自分のバカさ加減を呪いながら項垂れていた。
「はあ・・・・戻って来てくんないかなあ。どうしよっかなあ〜リモコン描くかとりあえず」
ドローンのリモコンを描き更に気付く。
「映像を映し出す媒体が無いじゃないか・・・パソコンかタブレットか・・・スマホでもあればなあ」
無限紙にスマホとノート型パソコンを描く。スマホは爺さんの持ってた奴をイメージしながら、ノート型パソコンはバッテリー切れしないよう祈りながら
ぽふん
気の抜けた音で、スマホとリモコンが出て来る。ノート型パソコンはダメだった。
「ドローンやスマホはいけて、パソコンはダメってサイズかなあ? う〜んわからん」
悩んでも仕方ないのでガチャガチャとドローンのリモコンを弄る。
「あれ? 何だこの背面のスイッチこんなんあったかな? 」
ポチ
スイッチを押した瞬間目の前にドローンが現れた
「ふぎゃっ! びっくりしたああ、急に戻って来るなよ・・・。このスイッチは戻す用なのか、なるほどでも良かった。」
ドローンを脇に置き、スマホを弄る。アドレス帳に
【爺さん】と表示されている。
「爺さん? これあの爺さんに繋がるのか? 電波とかあるのか? うーんわからんとりあえずかけるか」
pppppr
『もしもし』
「爺さん! 俺だよ! 異世界転移? サンキューな!」
『へ? サンキューな!ってその馬鹿みたいな言葉は!
御主一体どうやって⁉︎ 』
「スキルでドローン飛ばして遊んだよ! 映像は確認出来ないけどな・・・・。爺さんのスマホイメージして描いたら爺さんって電話帳に表示されたからかけたら繋がった、原理は知らん!」
『ーーーーおうふ。御主今めちゃくちゃな事しとる自覚はあるかのう?』
あれ? ため息つかれた?
「いや、パソコン出せなかったし、そんなに無茶苦茶な事してないはずだぜ?」
『はあ・・・・。頭が痛いわい。御主魔物倒してレベル上げしたのか? ポンポンスキル使っておるが』
「いや? レベル1なんじゃないかな? 魔物まだ見てないし」
『おかしいのう』
この話題はまずいな・・・・とりあえず別の話題にするか。
「まあまあ良いじゃない、なあ爺さん現在地がわからんのですよ、だから人里が何処にあるかわからん。漫画とかだと都合良く街道があったり人が出て来るんだが、魔物はおろか、人っ子一人居ないんだが?」
『ん?転移先はランダムじゃからのう。御主運が悪いの、その場所はアナシアのアドルフ大陸の東部じゃろうな。』
「近くに何か無いのか? 俺餓死するぞ」
『スキルで出せばええじゃろうに。ドローンやらスマホやら思いつくのに、抜けとるのう』
「おお! 爺さんサンキューな! ほいじゃ、また連絡するわ!」
『スキルの連続使用について何じゃがーーー
ブチッ
ふー危ない危ない、爺さんにバレて怒られたくないしな。とりあえず爺さんを信じるなら食料や水は大丈夫だな、当面はレベル上げも視野に入れてサバイバルするしかないな。