第二話 旅立ち
「どうしよっかなあーピクチャークラフトさえ有れば何でも再現出来るだろうしなあ。 グレーアウトしたからスキル備わったのかな? 試してみよっと」
雷がカッコいいよな、良し雷描こう。
「出来た、狙いは爺さんが座ってる座布団にしよう! いけ!」
ズガアアアアン!!
稲光で目が眩み、激音が辺りに響く
『目っめがあああああ、わっ儂の耳がキンキンしよるうう』
「ひええええ……」
こっ腰が抜けた・・・。何だよあの威力座布団消しとんだし、怖えよ! 雷だけで無双できるだろこれ! 爺さんに当たらなくてよかった・・・危うく異世界に行く前に殺人? するところだった。
『おっ御主! 何をしたんじゃ!』
爺さんも腰を抜かしている、屁っ放り腰で怒ってるからあまり怖くないな。
「こっこんな威力が有るなんて知らなかったんだよ! レベルすらまだ有るかわからない状態でこんな威力なんて……でもすっげえ! すげーよ爺さん! サンキューな!」
目をキラキラさせながら、爺さんにサムズアップしてみた。
『サンキューな! じゃないわああああ! あっあれ儂さっきの雷で目をやられたかの? おっ御主若返っとらんか?』
「よし! キャラメイキングが反映されたんだな!」
『ちょっちょまさか御主、勝手に弄りおったのか?』
「爺さんがぶつぶつしてる間にちょっとね! ゲームみたいで面白かったぜ! だけどさあ爺さんスキル欄が、グレーアウトばっかじゃつまんないぜ。もっとこうさ色々と押したかったのにさ」
『パッバッバ、バッカモオオオオン!!!』
うっうるせえ・・・・いきなりキレだしたよ。怖いよ爺さん、キレる老人とか誰得だよ・・・。顔真っ赤だし目が血走ってるよ・・・・。
「けっ血圧上がりますよ? 落ちついて……そうだ! ヒッヒッフーって呼吸しましょ?」
『それは妊婦の呼吸法、ラマーズじゃああああああ!!』
爺さん叫びすぎだろ。
「突っ込みが激しい爺さんだな・・・・やれやれだぜ」
某主人公の真似をしながら決め顔で首を横に振ってみる。今のは似てたな、学ランと帽子が欲しいな。
『何を決め顔でやれやれだぜって言うとるか! 御主他には何もしとらんじゃろうな⁉︎ 』
「してないしてない」
爺さんの顔色が元に戻った。良かったぜ、これで爺さんの血圧の平穏は保たれたな。
『はあ。御主を助けるんじゃなかったわい……御主とんでもない事しよったの。異世界に転移するだけならまだしも、若返ったりしよって……御主だけでリソース喰いまくりじゃないか。』
おやおや? 本格的にやらかした感じがしてきたな……仕方ない必殺技を出すか!
「リソース? 何かわからないけど、ごめんなさい」
綺麗なジャンピング土下座をした。
『もうええわい。 スマホは没収じゃ。ピクチャークラフトじゃ描く媒体がいるじゃろうから、この無限紙をやる。他のサービスは無しじゃ良いな?』
サービス無し⁉︎ これは不味いせめて言葉だけでもわかるようにして貰わなければ!
「日本語は通じるんですか? 言葉が通じないと色々困るなあ・・・なんて?」
『ああん? これ以上御主にリソースを使えと?』
こっ怖え! 人殺しの目つきだよ! だが俺は負けない! 言葉がわからないと詰むまじで!
「お願いします! 言葉だけはせめて!」
『はあ……仕方ないの。ほれ』
爺さんの指から光が伸び頭に当たる。
激痛が走る
「ぐおっ頭が割れる、なんじゃこりゃああ」
頭が痛い、最初の衝撃程じゃないがめちゃくちゃ痛い。
『そりゃ痛みもするわい、今まで知らない言語を無理やり頭に詰め込んどるんだからの。普通なら頭がパンクしてパーになるところを痛むくらいで済んどるのじゃ我慢せい』
ぐぬぬ、ぐうの音も出ない程の正論だ、ちぐそう。漫画や小説ならさらっと貰えてるチートにこんな落とし穴が有るなんて……。
『さーそろそろアナシアに送るぞ。特に使命は無いが頑張って生きなさい、あっ儂の絵を布教すると良いぞ』
「あっありがとうございます。布教するかはわかりませんが、頑張ってネタ集めします」
『良き人生になる様願っておる』
暖かな光に包まれ、異世界アナシアに旅立った。俺の旅はこれからだ!