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第2話:『芳香』


チュンチュン




ペペ『……ン〜〜………ハッ!』ガバッ


さんさんと輝く太陽に起こされる。


ペペ『俺大丈夫か⁉︎漏らしてないよな⁉︎』


昨夜からの疑問を真っ先に確認する。能力はキチンと発動していたようだ。


ペペ『いいいっよしゃァァァァァァァァァァァァア‼︎俺の考えは間違っていなかったァァァァ‼︎イヤッッホォォォオオォオウ!』










ガラッ

霊夢『陰陽玉!』 シュッ


ゴンッ

ペペ『ウグッ‼︎』 バタ……




霊夢『……朝からうるさい。』ハァ…



ペペ『』チーン



強制的に二度寝(気絶)した。






〜何故か俺が幻想入り〜

第2話:『芳香』




ーーーーーー


朝食に来いとの霊夢の呼び声で、再度起きることができた。


外の世界での霊夢の二つ名に“貧乏巫女”というものがあるため、正直朝食には期待していなかった。せめて野草でも出れば良い方かな、と思っていた。



しかし、運ばれてくる朝食に目を丸くした。



普通の朝食だった。白米に、味噌汁に、漬物…。質素で、少量ではあるが、何一つ変なところは無いのだ。



ペペ『……意外ですね。』


霊夢『何が?』


ペペ『外の世界では霊夢さんといえば“貧乏巫女”という風潮だったので…。』


霊夢『へぇ〜、それで普通の朝食が出てきて意外だと…。』スッ…


ペペ『ちょっ!陰陽玉出さないでください!俺が言い始めたわけじゃ無いですから‼︎』


霊夢『まったく、あんたも外の連中もロクでもないこと考えるのね。』パクッパクッ


ペペ『あははは……。』


ペペ(鬼巫女であることは間違いなさそうだ…。)



食料に関しては、どうやら紫さんから支給されているらしい。『博麗の巫女が倒れたら困る』ということらしい。


ペペ(…ということは、参拝客がいない……)


ピクッ

霊夢『…今失礼なこと考えた?』


ペペ『え、いや、別に!』


霊夢『そう…なら良いけど。』


ペペ(勘の鋭さも一級品か…。)パクッ




ーーーーーー


食事を終え、片付けを手伝っていると、霊夢が話題を提示してきた。


霊夢『あんたこれからどうすんの?』


ペペ『どうって?』


霊夢『生活とか、特に仕事ね。ここに寝泊まりするのは良いけど、あいにく金銭面までは、面倒見れないわよ。』


ペペ『やっぱりここで雇ってもらえませんよねー。』


霊夢『あら、タダ働きでも良いのよ。』


それは勘弁、と返し、これからについて考える。確かに幻想郷での暮らしを選んだとはいえ、将来設計についてまでは頭に無かった。ほぼ身一つで幻想入りした俺には、当然大金など持ち合わせてはおらず、精々小銭程度。それもジュースぐらいしか買えないだろう。

しかし幻想郷と外の世界の通貨のレートに差を思い出し、霊夢に聞いてみる。


ペペ『外の世界のお金を幻想郷のお金に交換できませんかね?』


霊夢『まあ可能だけど、遊んで暮らせるほどの大金持って来ているの?』 グイッ


もしかしたら大金を持っているかもと思い霊夢がわざとらしく近づく。いや持っていないですよ、と伝えると興味を無くしたようで、離れた。


ペペ(この巫女、お金にがめつい…。あと、いきなり近づいてきてビックリした。)


ペペ『ま、まぁ、とにかく!雇ってもらえそうな所探すという名目で人里に行ってきますよ。』


霊夢『人里まで一人で行ける?』


ペペ『行けると思いますよ。多分能力を使えば行けるかと……発動!』バーンッ


ペペ『おお!やっぱり発動できた!』


霊夢『あんたの能力で役に立ちそうなのあるかしら……?』


ペペ『ありますよ。今発動したのは“嗅覚の強化”。これで女性の匂いを感知して、人里まで行こうという作戦ですよ。』クンクン





霊夢『………………犬か…』ウワァ…



画期的な方法はどうやら霊夢には気に入らないようだ。確かに自身のすぐ側で女性の匂いを嗅ぐ男がいれば、気持ち悪いだろう。場所が場所なら通報は免れない。



ペペ『それじゃあ、行ってきま〜す。』ノシ


霊夢『……帰って来なくてもいいのよ?』



辛辣に見送られた俺は人里を目指した。









ーーーーーー

人里



ペペ『ぜぇ……ぜぇ……、つ、疲れた……。』



能力の使用により結果的には人里には到着できたのだが…



ペペ『ぜぇ……“女性”の対象範囲広すぎ……』 ガクッ







遡ること数時間前・・・


ーーーペペ回想中・・・


博麗神社を出て、人里に向かっていた俺は、気がついたら森の中にいた。この能力は一見便利のように思われたが、無意識的に匂いを辿るようだ。これではただのバカ犬である。




どうしたものかと悩んでいると、目の前に







ーーー【☆10 邪神アバター】が召喚された。







ヤバい絶対バトル負ける!


ブラックホール…まだ効かねぇ!


カタストルを呼b…相手闇属性じゃねぇか!



などとあたふたしていると、真っ黒な球体から、金髪の幼女が現れ、恒例の『あなたは食べられる人類?』という質問を受けた。


『お兄さんは食べられないよー』と答えると、『そーなのかー。食べられないのかー……』とがっかりさせてしまった。


さすがに可哀想だったので、“性の具現化”として、フランクフルト(意味深でない)の錬成を試みると、見事に錬成できた。


フランクフルト(意味深でない)を幼女に食べてもらうと『美味しいからもっとよこすのだー』とせがまれたので、検証がてら色々錬成してみた。


検証から言えることは、ニンジン(意味深(ry )までが限界であった。ゴーヤ( ry )や大根(ry )を錬成しようとしても、反応しなかった。力及ばず…。


腹の膨れた幼女は満足な顔で『ありがとうなのだー』と言って去ってしまったので、再び人里に向かった。









ーーーその後幾度も無関係な女性の下へ訪れてしまったわけである……。






ーーーーーー


そして現在に至る。

ようやく人里に辿り着けたのは正午過ぎ。お昼時のためか、飲食店は人で埋め尽くされている。


ペペ(うわぁ、どこ行っても人、人、人…。意外と賑わっているんだなぁ。)


ペペ(確か幻想郷は明治時代の姿のままなんだよなぁ…と思ったら意外にハイカラなメニューもあるようだ。)


ペペ(海老フライ定食か…混んでいない時にまた来てみよう。というか幻想郷で海老?)



触れてはいけないような話題は置いといて。待つのも嫌なので、能力を使用し、腹に詰め込む。この際腹を満たせれば何でも良い。



ペペ(野菜摂りたいけど、さすがに生では……。これ以上変な人扱いは受けたくないな。)


フランクフルトにかぶりつきながら、散策する。


ここにはこんな店があるのか。この店は何をしているのだろうか。と考えて歩くのも悪くない。突然の幻想郷への移住に不満もあったのだが、正直楽しい。知らない町に対するワクワクが止まらず、足の運びもいささか軽くなる。



ペペ(ん?この店は…。)



“貸本屋”という木製の看板が、ふと目につく。幻想郷ではどのような書物が読めるのだろうか。好奇心に衝き動かされ、扉の奥へと進んでいった。


店内は仄かな照明だけで照らされているからか、一瞬ヒヤリとするが、すぐに心地の良い静寂へと変わる。

それぞれの棚には、和書、洋書などの表示が読み取れ、中には“こすずのおすすめ”と可愛らしいポップで装飾されたコーナーもある。


さらに奥へ進むと、カウンターでカリカリと音を立てて、物書きに集中している小さな女の子がいる。女の子は時折首を傾げたり、小さく唸ったりもしている。


彼女は本居小鈴。この貸本屋“鈴奈庵”の看板娘である。店番の傍ら、“妖魔本”の研究をしていると聞いたことがある。おそらく今は研究中だろう。

少しばかり声をかけたかったが、夢中になって研究をしている姿を見てしまっては、そうするのは憚られる。今日のところは本を探すだけにして、また明日にでも借りに来ればいいだろう。



頑張って、と小さなエールを心の中で送り、本棚に向かった。



さして外国語など読めはしないのだが、なんとはなしに、まずは洋書コーナーへと足を運ぶ。


ペペ(やっぱり分かるような本は無さそうだなぁ…。というかタイトルすら読めない。何語だ?)


諦めて和書へ行こうとしたが、ふと目に入った一冊の本に惹かれ、手に取ってみる。


ペペ( 何々…N…E…C…R……… )


ペペ(……ネクロノm)



バタンと乱暴に本棚に戻す。




ペペ(…何か表紙湿っぽい気がしたような……いやいや気のせい!気のせい!)


ペペ(俺は何にも見なかったからね!)


よくよく観てみると、その棚が冒涜的な“何か”一色で染められていることに気づく。


ペペ(さ、さぁて、和書見てみようかな…。俺は何も気づいてないからね、うん……。)


ペペ(まさかとは思うけど、小鈴ちゃん、ここらの本研究してないよね…?)



先ほどの少女の微笑ましい様子も、何やら狂気じみたものに思えてきた。






ーーーーーー



ペペ(結構面白そうな本見つかったな。まさか“太陽少年○ャンゴ”が幻想入りしているとは、少し驚いた。)


ペペ(さて、そろそろ帰るかな。)



帰り際に小鈴の様子を確認してみたが、相変わらずペンを走らせている。



ペペ(……SAN値大丈夫かな?) ガラッ


ペペは鈴奈庵を後にする。



ペペ(能力発動…“嗅覚を強化”。)


ペペ(今度は道に迷わなければいいな。) クンクン



帰路に着こうとしたところに、微かにではあったが、魅惑的な匂いが身体を満たした。


ペペ(この匂いは……)


フラフラとした足取りで、匂いに導かれていった。






ーーーーーー


ペペ『………………』


ペペ『ハッ⁉︎こ、ここはいったい……』


ペペ『⁉︎』



状況を確認するために、辺りを見回す。目の前に広がる光景は……











ーーー向日葵畑であった。










ペペ(ひっ、向日葵畑だと⁉︎幻想郷で向日葵畑と言えば……‼︎)




ザッ




ペペ『⁉︎』



背後から足音がした。足音の主は優しく声をかけてきた。







『あら、迷い人?』




ーーー第2話:『芳香』 ENDーーー







ーーー小ネターーー


キョロキョロ


⁇?『…………よし!』



ジャンジャジャーン‼︎

魔理沙『本編未登場のこの霧雨魔理沙がこのオマケコーナーを乗っ取ってやるぜ!』


魔理沙『今日からこのコーナーは“魔理沙のパーフェクトキノコ教室”にリニューアル☆』







魔理沙『さあいくぜ〜!魔理沙のパーフェクトキノコ教室始m『今回の最強カードはコレ‼︎』


魔理沙『⁉︎』



ペペ『邪神アバター‼︎』


魔理沙『え?え⁉︎』


ペペ『攻撃力・守備力は相手フィールド上の攻撃力が一番高いモンスターの攻撃力を必ず100上回るという特殊なモンスターだぜ!』


魔理沙『え?え⁉︎これ絶対東方関係無いんじゃ⁈‼︎』



霊夢『召喚されてから2ターンは魔法・罠カードを発動できないとは厄介ね……』 フム……


魔理沙『⁉︎何で霊夢が知っているんだ⁉︎私だけ置いてけぼりなんだぜ‼︎』


ルーミア『あくまで魔法・罠の発動ができないだけで、召喚にあわせる激流葬などのカードやモンスター効果には弱いのだー!』


魔理沙『ル、ルーミアまで‼︎⁉︎』



魔理沙『というか私を無視するな〜〜〜‼︎‼︎』




ーーーTo be continued……



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