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100年後の冬  作者: project-r1
第3章: 黄金の雪
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第8話 言葉を継ぐ者

【2126年12月26日・夕・メガフロント・ニューキバ・工場跡地・玄関前】

声の主はショーン…

弟のショーンだった。

「久しぶりですね姉さん。元気ですか?」

何年振りだろうか。

「これまで何をしていたの?」

そんな問いをかけると、

「ずっと、姉さんのために活動していたんだ。」

・・・そういえば昔からショーンはそういう奴だった。

何につけても私のため。


「伝えたいことが3つあるんだ。」

「フェルリンは今度の会議に出てくらしい。」

突然、ショーンが話を切り出したのであわてたが、一瞬で理解した。

「それ本当?」


そう問いかけると、ショーンは真剣な顔をして、うなづいた。

「彼のスケジュールを覗いたらそう書いてあった。」

そんな情報・・・

「そんな情報どこからって、顔をしているね。教えられないよそんなこと。」


ふと、彼は工場に目を向けて、

「そういえば、この工場に職員でも旧人類でも無い第三者の遺体があったらしいよ。」

フェルリン派、ノウマン達を除くと解放派と十二人の真実の殺し屋。

はたまたただの一般人か。


そう考えているとショーンがこう言った。

「彼はネオコウベマフィアの殺し屋だった男。スカイフィッシュ。」

ショーンが続ける。

「何故彼がそこにいたのか。」

「それは、ノウマンを追う、フェルリンの配下、十二人の真実の殺し屋だったからなのさ。」

そうか、ノウマンも奴らに追われているのか、と思った。


そして、またショーンが話を変えて、

「イフリートさんは無事だよ…」

「知ってる。」

再び、イフの事が頭をよぎった。


「で、姉さんはイフリートさんに何をしたの。」

いきなりショーンの顔が豹変した。

「な…、何って?」

私が、イフリートにしたこと?

何を…な‥何を。


「本当に思い出せないの?じゃあ、いいや。」

そういって、ショーンは振り返り、歩いて行った。


「あなた一体今まで何を?」

そういうと彼は去り際に、

「姉さん。気付かないかな。」

といって、姿を消した。


不意に、朝の写真を裏返し、正気の字をまじまじと見つめて、

sane(正気)を入れ替えてseanショーンとしてみた。




夕日に映った工場の残骸を見ていると、

イフリートのことが思い出された。

私がイフリートにしたこと。

きっと、自分では気付いている。

分かりたくないだけ。

…………



そんなことをしていると、

隣にジョン兄さんがいたことに気付いてびっくりした。

「兄さんいつの間に。」

そうするとやれやれといった表情で、

「さっきからずっといたさ。」


「で、今日、ショーンに会ったか?」

私は、それこそうんざりして、

「さっきまで、いたわ。」

写真のことを思い出して、

「あの写真を送ってきたのは、ショーンね?」

ジョンがうなづく。


その時、何かが、ひらめいた。

「兄さん、今度の会議、イフリートが来るかも知れない。」

ショーンのことだから、遠まわしに言うに違いない。

イフリート、ノウマン、フェルリンと、会議。

このワードが頭の中で繋がった。


「ああ、俺もそんな気がしていたんだ。工場で連れていたんだ。きっと会議にも来るさ。」

イフ。待っていて。




【同日・夜・ニューヨコハマ・ツナシマエリア・ハウンド邸・子供部屋】

何日ぶりの我が家だろうか。

イフが撃たれたあの日から家には帰っていなかった。

ああ、その前は合宿だったから2週間は家に居なかった。


解放祭の原稿をまとめていた途中だったな、と原稿を拾うと、

そこには父さんの手紙が置いてあった。

「イフリートの事は心配だが、体を大事にしなさい。」

と書かれていて、私はそれを読みつつ物思いにふけった。


【同日・深夜・ニューヨコハマ・ツナシマエリア・ハウンド邸・子供部屋】

雪はさらに降る一方で、私は目を閉じた。


今日はイフの夢を見れるだろうか…

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