第6話 帝国の終焉
【2126年12月24日・夕・メガフロート・ニューキバ・ウルフドックカンパニー第2工場・内部】
「もうすぐでここは爆発するぞ逃げろ」と、俺が言うと、
蜘蛛の子を散らすように逃げて行き、誰もいなくなった。
プラスチック爆弾を仕掛けて爆破する。
30秒残して逃げようとしたとき、入口にやつが現れた。
スカイフィッシュ。
区画を爆発させて殺害したはずだ。
「ケン、裏口から出ろ。」
まず、リニアガンを引いて3発。
「兄さん、そんなこと言ってもさぁ。」
また、1発。
「巻き添え食うぞ。」
ケンはそこから走ってほかの連中を連れていった。
「死なないでよ兄さん。」
しかし、こいつは無口な男だ。不気味すぎる。
日本刀を振り回して、銃弾を切っていく。
「まずい。弾が無くなる。」
そう思ったが、時間が来た。
スカイフィッシュは爆風を避けてこちらに走ってきた。
人間じゃない。絶対に。
がれきが降り始めて1分。
かわしながらもつぶてを拾い、相手に投げる。
至近距離で銃を撃つため間合いを縮める。
メテオのように投げ続ける。
縦に横に切り分けていくあいつは千切りのように、
石を切り続ける。
だが、やつは、剣を柱に刺した。
おそらくミスだ。
銃を撃ち込む。
いや、これは罠だ。
近づいた俺は脇腹に傷を負った。
「クソっ!」
こうなれば、最終手段だ。
グレネード。
しかし、それもスカイフィッシュが斬った。
これはこちら側の罠だ。
雄たけびを上げ、ダイアナイフで心臓を一突きにした。
死んだ・・・のか?
体が動かない。
痛い。
………。
【同日・夕・メガフロート・ニューキバ・ウルフドックカンパニー第2工場・玄関前】
「助かったのか?」
横には姫の顔。
!
「なんで生きている?」
驚く俺にケンが話し始めた。
「分からないけど、がれきと共に降りてきたらしい。」
工場は崩壊して跡形もなかった。
姫の奇妙な行動。
そこで俺はある考えが浮かんだ。
『マリア・ハウンドによるイフリート・シードの統制』
統制ウイルス『ルシファーΣ』。
俺はその名を殺し屋ネットワークの中で聞いた。
人を無意識の中で操り、意識されずにマインドコントロールする。
しかし、あの聖少女マリアが?
そんな言葉は浮かんで消えるばかりだ。
撤収する帰り道の途中でそんなことを考えていた。
【同日・夜・カマクラエリア・カマクラウェイ】
目の前に人が立っていた。
避けて通ろうとしたら、その少年がささやいた。
「29日。マルノウチセントラルタワー夜6時に来い。」
振り返ると彼は遥か遠くに消えていった。
ここで俺の話は一旦終わりだ。
俺は・・・疲れたからな。