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100年後の冬  作者: project-r1
第1章: 真紅の雪
2/12

第2話 カワサキ2126

【2126年12月21日・早朝・ニューヨコハマ・セントラルエリア・ハウンド記念総合病院・廊下】

唖然としている私を尻目に病室に行こうとしているリオンに言った。

「兄さん、どういうこと?」

振り返りざまにリオンはこう言い放った。

「マリアが一番よく知っているはずだ。」

そういうと病室に入った。


【同日・朝・ニューヨコハマ・セントラルエリア・ハウンド記念総合病院・病室】

薬のにおいが、鼻につく。

リオンと共に病室に入るとチューブの多さに驚かされた。

iPSシートが胸に貼られているのも見えた。

カルテが置いてあって、銃弾は体を暴れまわり出ずに止まったらしい。

きっと痛かっただろう。

でも、

私はイフにすがるようにイフの許で眠りについた。


【同日・昼・ニューヨコハマ・セントラルエリア・ハウンド記念総合病院・病室】

「マリア様起きて…」

その声に導かれて目が覚めた。

黒髪の少女がそこには居た。

「イフ…よかった…」

安心して、涙があふれ出した。

いつぶりだろう。こんなに泣いたのは。


「マリア様…良かった。また会えて。」

涙が治まらず、イフに頭を撫でられた。


今の時間を確認すると…

「いけないこんな時間。」

もう15時だった。

「いってらっしゃいませマリア様。」

私は大急ぎで、学校へ向かった。


さらなる事件が起きることを知らずに。



【同日・夜・ニューヨコハマ・コズクエ・学校】

学校が終わり、病院へ向かおうとしたその時、インプラントフォンが鳴った。

リオン兄さんだった。

「カワサキのオウギアイランドのゲストハウスで共生長官とのパーティです。

長官がマリアをぜひ見てみたいそうですよ。来ますか?」

行かないといってもおそらく来いと言われるだろう。

「で、時間は?」

「引き受けてくれますか。22時開始ですからそれまでに来てください。」

電話が切れた。今は…18時。歩いてギリギリか。

私はカワサキへ向けて歩き始めた。


【同日・深夜・カワサキ・オウギアイランド・政府ゲストハウス・前】

旧人類の京都をイメージしたような施設だ。

リオン兄さんは壁に寄りかかってこちらを見ていた。

「よくこの短時間で来れたな。途中からサプライズで参加してほしかったのだけれど。」

兄さんはいつもこうだ。計画は二とに話さずに決行する。

「とりあえず。マリア。会場に入ろう。」


【同日・深夜・カワサキ・オウギアイランド・政府ゲストハウス・会場】

少し寝ぼけているとパーティが始まった。

政府の要人が数人いて、リオン兄さんは司会だ。

「今日は共生庁のパーティにお越しいただきましてありがとうございます。

私は今日の司会で共生官のリオン・ハウンドです。よろしくおねがいします。」

しかし、パーティは突然終わりを迎えることになった。

リオンの背後のスクリーンに血まみれのイフが登場したからだ。

私は自分の目を疑った。


イフは、病院に居た。はず。

しかし、スクリーンの中に居る。


要人の間のどよめき。

兄さんは病室に待機しているはずのトミーに電話をかけている。


そのとき、声がした。

「マリア・ハウンド及びそこの要人たちに告ぐ。

全てのカワサキの居住区及びこの旧人類は我ら『12人の真実の殺し屋』の手に落ちた。

助けたければ、1週間後までに解放派7人を殺すんだ。」


要人のどよめきが一層広がる。


「では、ごきげんよう!」

スクリーンが白く光り…

爆発した。


「兄さん!!」

私の声が会場に響いた。

リオン兄さんは気絶しているようだった。


大変なことになった。

イフは連れ去られ、リオン兄さんは大けがを負った。


テログループの要求は私を含めた解放派7人の殺害。

私はうずくまるしかなかった。

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