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100年後の冬  作者: project-r1
第4章: 漆黒の雪
11/12

第11話 一つの終焉

【2126年12月31日・夕方・ニューヨコハマ・解放祭会場】

「まずいな」

見つからない

爆弾魔がいる情報を"奴"から受け取ったが…

嘘ということも考えられる

いや、俺を罠にかけたって意味はない

「ノウマンさん」

焦っている中、その時だった彼女が俺に話しかけた

「なんだ、姫」

姫の指さす方に振り返ってみてみると

見知った顔だった

スタジアムのはす向かいに12人目の刺客がちょうど姿を消すところだった

あの男こそが爆弾魔だ

俺たちは広いスタジアムの中を半周駆ける


「そろそろ時間だ。マリア、行ってきなさい。お前の努力が実を結ぶ瞬間を私は見守っておるよ」

優しい顔・優しい言葉

母さんがの前でしか父さんはこんな顔をしなかったような気がする

それに対して私は

「行ってきます」

と、父親の姿を一度振り返って廊下を進んだ


まだ、爆弾は解除できない

ここはちょうど、マリアハウンドが宣言を行う舞台の下だ

もしも、爆弾の解除を誤ったらと思うと

汗がにじんでくる

あと爆発まで数時間もない

11構造の時限爆弾

裏切り物の俺自身を抜いた殺し屋の数か

または、奴自身を抜いたのかそんなことはどうでもいい

9構造を突破した。残りは奴とリオンハウンドの分

振動式ロックが待ち受けていた

旧時代のイライラ棒の要領で板を抜いていく

左右の壁に当たれば爆発する

恐れがありながらもむしろ快感すら感じている

10番目を突破し、最後に残ったのは赤と青の線だった…


ステージは暗い

大衆が私を見守る

誰もが私の言葉を待っている

マイクも前に立ち、私は喋りはじめた

「皆さん、この場所に集まってくださいましてありがとうございます」


「いきなりですが本題に入らせてもらいます」


「かつて、人間は1種類でした」


「情報時代の後に新しく生まれた人類と長い時代を暮らしてきた人類に分かれてしまい」


「2つの人類は争いを始めました。すべてはそこが過ちだったのです」


「2つの人類は階級を隔てられ、旧来の人類は奴隷として扱われてしまった」


「旧来の人類を人と見なさない時代がやってきて、不満は降り続いてしまう…」


「対立と圧政が続き、旧来の人類は迫害され殺し合いすらも始まってしまった」


「戦争の憎しみが旧来の人間を迫害する原因を作った」


「しかし、戦争から100年。もう憎しみは必要ない…」


「旧来の人類は解放されていいと思います」


「我々は共生していけるんです…」


「姫」

姫が俺の手元を見つめる

「赤と青どちらがいい」

決断は彼女に任せたかった

俺には決めることが出来ない…

「私が決めていいんですか?」

うなづく

「赤」

即決だった

赤の線をナイフで切り上げる…


風を切り裂く音

爆発音

地鳴り

会場がざわつく


「死ぬんだな、マリア・ハウンド」

視界の果てにフェルリンが立っていた。銃を片手に

警備員が倒れている

「フェルリン、貴様」

お父さんが立ち上がる

「動けば、娘の命はないぞ」

引き金を絞る。死を覚悟したその時…

「姉さん。あなたらしくないですね諦めるなんて」

フェルリンを羽交い絞めにする男の姿

「ショーン。生きていたのか」

父さんは驚きを隠しきれない様子だった

「裏切者め…」

白い肌の少年がフェルリンの首をきつく絞める

「あなたは、勘違いをしています。僕は初めからあなたの仲間ではなかった」

もがくが、より首が締まっていく…

「昔から僕は姉さんとイフさんのファンなんですよ。だから、あなたたちの夢を…」

フェルリンは体を激しく動かす

「戯れ言をぉぉぉ」

その時、舞台から二人は宙に舞った

そして、爆風が二人を包む

「ショーン」

名前を叫ぶが、爆音にかき消されてしまう


大型の爆弾は解除したが、何十個の小型爆弾が残されていたことに爆発してようやく気が付く

施設の脆弱な部分を狙って時間差で爆発するそう仕掛けられている

情報提供者も、急進派の長も荼毘に付した

ずっと苦しめられてきた奴隷たちの叛逆が始まるだろう

「姫。俺たちの時代が来る」

彼女は不安そうに俺を見つめていた

「あなたとは相容れないのかもしれませんね」

その時だった、銃弾が俺の偽耳を射抜いた

「まさか、あの高さで生きているとはな…」

あの男は不死身なのかとすら感じさせるほど血まみれな男がやってきた

「俺は死なんよ、貴様ら奴隷どもから搾取し続けるさ」

不敵な笑みを浮かべて銃を片手に近づいてくる

「手始めに、貴様らから死んでもらう」

引き金を絞ったその時、真後ろで爆発が起きる

フェルリンは爆風にあおられて地獄へ戻っていった


スタジアムの観客席は大混乱だった

一部は転落し、崩落し炎上していた

土地の有力者・企業の社長・有名人など新人類においての重要人物

彼らが集まった会場は地獄となった

出口に人が押し寄せる

しかし、彼らが出ることはできなかった

なぜなら旧人類のレジスタンスが機銃掃射を始めたからだった

計画は順調に進んだ


騒動の中少女は悲しんでいた

父親は炎の中に死んだ

そして彼女は銃を突きつけられている

「彼女はどうする」

彼女には聞こえていない

「殺すべきではない偶像として祀りあげる」

その男は笑っていた

「なるほどな連れていけ」

彼女ほどの信念も持たずただ、誰かの思想に乗りかかった男が言った

彼女を羽交い絞めにする

しかし、男は死んだ

「マリア様。逃げましょうここはじき戦場になります」

空虚になっていた彼女は光を見つけた

「イフリート」

イフリートに抱えられ、マリアはその場を後にする天をも焦がす会場を後にして…

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