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44 新しい職業

1 マルクスとインゲとの面会


父さんは、マルクスとインゲを陽だまり亭に呼んだ。


「こちらがマルクスとインゲです」


父さんが紹介した。


「初めまして」


2人が頭を下げた。

商人が名乗った。


「私はエドガーと申します。夜営業の酒場を営んでいます」


エドガーが続けた。


「この陽だまり亭のようにうちの店もコーディネートしてほしいと思って、陽だまり亭さんにお二人をご紹介いただきました」

「コーディネート?」


マルクスが尋ねた。


「はい。調理台、器、調理器具。店全体を調和させたい。でも私にはそういう知識がありません」


エドガーが説明した。


「酒場なので、お酒を出す器も大事なんです。雰囲気も含めて、統一感のある空間にしたい」


インゲが興味を持った。


「お酒を出す器の統一感ですか」

「はい。あなたたちなら、できると思うんです」


マルクスが少し戸惑った。


「エドガーさん、実は、私たちは陽だまり亭のプロジェクトでは調整役として動いただけなんです」

「調整役?」

「はい。私たちの父が職人として携わっていたので、色やデザインの調整をお手伝いしました」


インゲも付け加えた。


「仕事として請け負ったわけではないんです」


エドガーが頷いた。


「それでも構いません。この陽だまり亭を見れば、あなたたちの調整力が分かります。店全体の雰囲気を考えて、必要な職人を手配し、すべてを統一する。それができる人を探していたんです」


マルクスとインゲが顔を見合わせた。


「少し時間をください。父たちに相談してからお返事します」


マルクスが言った。


「分かりました。お待ちしています」


エドガーが帰っていった。

2人は、顔を見合わせた。


「店舗のトータルコーディネートか。調整だけじゃなくて、全体のイメージを決めて職人の手配もするんだね」


インゲが言った。


「そうだね。陽だまり亭とは違う。これは、仕事として受けることになる」


マルクスが答えた。


「父さんたちに、ちゃんと相談しよう」


インゲが頷いた。



2 父たちへ相談


マルクスは、父ディーターの工房を訪れた。


「父さん、相談があるんだ」


マルクスが言った。

ディーターが作業を止めた。


「何だ?」


マルクスが説明した。


「酒場の店主、エドガーさんから依頼が来たんだ」

「依頼?」

「うん。店舗のトータルコーディネート。店全体の雰囲気を考えて、必要な職人を手配して、すべてを統一させる仕事」


マルクスが続けた。


「陽だまり亭では、父さんたちが職人として携わっていたから、僕たちは調整役として動いただけだった」

「そうだな」

「でも今回は違う。僕たちが仕事として請け負うことになる」


マルクスが真剣な顔で言った。


「店主の要望を聞いて、どんな雰囲気にするか考えて、それに合う職人を探して手配する」


ディーターが息子を見た。


「お前、やりたいのか?」


マルクスが頷いた。


「陽だまり亭のプロジェクトは楽しかった。色を調整し、職人をまとめて、良いものを作る。それを仕事にしたいと思ってる」


ディーターがしばらく考えた。


「わかった。新しいことを始めるのは手探りになると思うが、協力するよ」


ディーターが笑った。


「息子が新しい職業を作る。父として誇らしいよ」

「父さん…」


マルクスが嬉しくなった。


「ただし」


ディーターが続けた。


「職人への依頼は、きちんとした形で頼むんだぞ。ディーターの息子としてではなく、自分の仕事として発注することになる。職人とは長く付き合っていくんだから」

「はい。分かりました」


マルクスが頷いた。



インゲは、父グリムの工房を訪れた。


「父さん、相談があります」


インゲが言った。

グリムが静かにインゲを見た。


「…何だ」


インゲが説明した。


「酒場からコーディネートの依頼が来ました」

「…コーディネート?」

「はい。店舗のトータルコーディネートです。店全体をデザインして、必要な職人を手配する仕事」


インゲが続けた。


「陽だまり亭では、父さんたちが職人として作ってくれたものを、私たちが調整しただけでした」

「…そうだな」

「でも今回は、私たちが仕事として請け負います。これを職業として始めたいんです」


グリムがしばらく考えた後、低い声で言った。


「…お前たちは、職人を繋げ、色を合わせ、デザインを統一し、調和を作った。仕事として成り立つかもしれん」

「ありがとう、父さん」

「…応援する」


グリムが頷いた。


「お前の道を進め」



3 トビアスへの報告


マルクスとインゲは、トビアスの工房も訪れた。


「トビアスさん、報告があります」


マルクスが言った。


「何だ?」


トビアスが手を止めた。


「店舗トータルコーディネート業を始めることにしました」


マルクスが説明した。


「酒場の店主、エドガーさんから依頼が来て、父たちに相談したら応援してくれました」


インゲが続けた。


「店全体をデザインして、必要な職人を手配する仕事です」

「なるほど。陽だまり亭のときのようなことを仕事として請け負うわけだな」


トビアスが言った。


「はい。陽だまり亭では、トビアスさんたちが職人として作ってくださったものを、私たちが調整しただけでした」


マルクスが答えた。


「でも今回は、私たちが仕事として請け負います」


インゲが付け加えた。


「今回もトビアスさんに協力をお願いしたいんです。酒場の作業台や棚を作っていただきたいと思っています」

「もちろん協力するよ」


トビアスが真剣な顔で言った。


「ただし、職人の子どもとして調整役になったことと、仕事として請け負うことは完全に別だからね。責任感を持ってやるんだよ。君たちならできる」

「ありがとうございます」


2人が深く頭を下げた。



4 トータルコーディネート業の誕生


マルクスとインゲは、連絡ノートの前に座った。


「インゲ、僕と共同事業を始めることになるね。改めてよろしくね」

「マルクス、二人で新しい事業を始めることになったけど、私たち、うまくやれると思うわ」

「トータルコーディネート業。正式に始動だ!」

「うん!」


新しい事業の始まり。



5 陽だまり亭での報告


夕方。

マルクスとインゲが陽だまり亭を訪れた。


「トムさん、リナさん、報告があります」


マルクスが言った。

私たちは、手を止めた。


「何?」


インゲが笑顔で言った。


「トータルコーディネート業、正式に始めることにしました」

「本当?」


私は、嬉しくなった。


「うん。酒場の店主、エドガーさんからの依頼について父たちに相談したら、応援してくれた」


マルクスが説明した。


「陽だまり亭さんの改装での調整役の経験が新事業になりました」


インゲが付け加えた。

父さんも喜んでいた。


「良かったね。君たちなら、きっとできる」


母さんも笑顔。


「これからもよろしくね」


薬草を届けに来てくれていたソフィアさんも言った。


「マルクスさん、インゲさん、おめでとうございます」

「ありがとう、ソフィアさん」


2人が頭を下げた。

ソフィアさんが続けた。


「私もリナちゃんとの薬草料理、これからも続けたいです。改装中の時間、本当に有意義でした」

「うん。これからも一緒にやろう」


私も笑顔になった。

みんながそれぞれの道を歩み始めている。



6 エンディング


陽だまり亭のリニューアルから広がった輪。

薬草メニューの成功。

ソフィアの薬草店の繁盛。

トータルコーディネート業の誕生。

すべてがつながっている。

若い世代が新しいものを生み出した。

困難な時間も無駄にしなかった。

これが成長だ。

輪は、これからも広がっていく。

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