39 失敗と成功
1 ハーブティーへの挑戦
翌日の放課後。
私は、ソフィアさんの家の厨房にいた。
「今日は、ハーブティーを作りましょう」
ソフィアさんが言った。
おばあさんが、薬草を見せてくれた。
「カモミールと、レモンバームだ。この2つを組み合わせると、リラックス効果が高まる」
私は、メモを取った。
「カモミールは、昨日やったから」
「ええ。でも、お茶は煮込むから、量とタイミングが大事です」
ソフィアさんが、注意してくれた。
父さんも頷いた。
「では、作ってみよう」
2 ハーブティーの試作
お湯を沸かす。
カップに、カモミールとレモンバームを入れる。
「どのくらい入れる?」
私は、ソフィアさんに聞いた。
「少しずつ試しましょう」
ソフィアさんが、カモミールをほんの少し入れた。
レモンバームも、少し。
お湯を注ぐ。
良い香りが、広がる。
「すごい。良い香り!」
私は、嬉しくなった。
しばらく待つ。
「そろそろ、良いかな」
父さんが言った。
私たちは、カップを手に取った。
「味見してみましょう」
ソフィアさんが、そっと飲んだ。
「どう?」
私は尋ねた。
「美味しい。苦くない」
私も飲んだ。
確かに。
カモミールの柔らかい味。
レモンバームの爽やかな香り。
苦味は、ほとんどない。
「これは、成功だね」
おばあさんが笑った。
父さんも頷いた。
「ハーブティーは、比較的簡単だな」
3 レシピの記録
ソフィアさんが、ノートに書いた。
「ハーブティー。カモミールとレモンバーム。少量ずつ。熱湯で3分」
私も、自分のノートに書いた。
「効能は、リラックス効果」
おばあさんが付け加えた。
「疲労回復にも良い。仕事の後に、飲むと良いだろう」
私は、考えた。
陽だまり亭で、出せるかも。
お客さんが、疲れた時に。
「次は、サラダに挑戦しましょう」
ソフィアさんが提案した。
4 サラダへの挑戦
おばあさんが、新鮮な薬草を見せてくれた。
「これは、バジルだ。生で食べられる」
「こちらは、ミントだ。爽やかな味がする」
私は、薬草を見た。
緑の葉っぱ。
良い香り。
「サラダに、これを入れるんですね」
ソフィアさんが頷いた。
「はい。でも、生の薬草は、苦味が強いんです」
父さんが言った。
「では、ドレッシングを工夫しよう」
5 最初の失敗
野菜を切る。
レタス、トマト、きゅうり。
バジルとミントを、細かく切って混ぜる。
「次は、ドレッシング」
父さんが、オリーブオイルと酢を混ぜた。
塩も、少し。
サラダにかけて、混ぜる。
「味見してみよう」
私は、フォークでサラダを取って、口に入れた。
「……苦い」
やっぱり、苦い。
薬草の味が、強すぎる。
ソフィアさんも味見した。
「確かに、苦いですね」
父さんも、考え込んだ。
「オイルドレッシングだけでは、足りないか」
6 試行錯誤
「もう少し、酢を増やしてみましょう」
ソフィアさんが提案した。
酢を足す。
でも、まだ苦い。
「レモン汁は?」
私も提案した。
レモン汁を足す。
少し良くなった。
でも、まだ苦味が残る。
「うーん、どうしよう」
私は、困った。
ソフィアさんが、考えている。
おばあさんも、黙って見ている。
「ハチミツドレッシングは、どうでしょう?」
ソフィアさんが、思いついた。
「ハチミツ?」
私は尋ねた。
「はい。ハチミツの甘さで、苦味を和らげる。薬草の効能も、損なわない」
おばあさんが頷いた。
「良い考えだ。ハチミツは、薬草との相性も良い」
7 ハチミツドレッシング
父さんが、ハチミツを取り出した。
「じゃあ、作ってみよう」
オリーブオイルに、ハチミツを混ぜる。
酢も、少し。
レモン汁も、少し。
よく混ぜて、ドレッシングができた。
「サラダにかけてみましょう」
新しいサラダに、ハチミツドレッシングをかける。
混ぜて、味見。
私は、フォークでサラダを取って、口に入れた。
「……これだ!」
苦味が、和らいでる。
ハチミツの甘さが、薬草の苦味を包んでくれる。
でも、薬草の香りは、ちゃんと残ってる。
ソフィアさんも味見した。
「美味しい!苦くない!」
父さんも頷いた。
「これなら、食べられる」
おばあさんも笑った。
「よくできた。薬草の効能も、保たれている」
8 レシピの完成
ソフィアさんが、ノートに書いた。
「薬草サラダ。バジルとミント。ハチミツドレッシング」
私も、書いた。
「効能は、食欲増進」
おばあさんが説明した。
「バジルは、消化を助ける。ミントは、胃の調子を整える。食前に食べると、良いだろう」
私は、考えた。
陽だまり亭で、前菜として出せる。
9 3つのメニュー
ソフィアさんが、ノートを見返した。
「3つのメニューが、できましたね」
私も、自分のノートを見た。
1 消化を助ける薬草スープ(タイム)
2 疲労回復のハーブティー(カモミールとレモンバーム)
3 食欲増進の薬草サラダ(バジルとミント)
「全部、成功した」
私は、嬉しくなった。
父さんが言った。
「これなら、店で出せるレベルだ」
おばあさんも頷いた。
「よくやった。リナちゃん、ソフィア、お前たちは素晴らしい」
10 メニュー名を考える
「メニュー名も、考えましょう」
ソフィアさんが提案した。
「薬草スープは、何て呼ぶ?」
私は考えた。
「消化を助けるスープ?」
父さんが言った。
「もう少し、親しみやすい名前が良いかもしれない」
「じゃあ、タイムのやさしいスープ?」
ソフィアさんが提案した。
「良いね!」
私も賛成した。
「ハーブティーは?」
「疲労回復のお茶、だと固いかな」
「リラックスティー?」
「それも良いけど、もう少し」
ソフィアさんが考えた。
「カモミールの安らぎティー、は?」
「良いね!」
私たちは、笑顔になった。
「サラダは?」
「爽やかサラダ?」
「ハーブサラダ?」
父さんが提案した。
「バジルとミントの食欲サラダ、は?」
「良いです!」
ソフィアさんが、ノートに書き込んだ。
1 タイムのやさしいスープ
2 カモミールの安らぎティー
3 バジルとミントの食欲サラダ
「完成しましたね」
私とソフィアさんは、顔を見合わせた。
やった。
11 おばあさんの評価
おばあさんが、私たちを見ていた。
「お前たち、よくやった。薬草の効能を料理に活かせた。これは、すごいことだ」
ソフィアさんが嬉しそうに言った。
「師匠、ありがとうございます」
おばあさんが続けた。
「リナちゃん、お前は料理の才能がある。ソフィア、お前は薬草の知識がある。2人で協力すれば、もっと良いものができるだろう」
私も、頭を下げた。
「ありがとうございます」
おばあさんが笑った。
「さあ、これを陽だまり亭で試してみるといい。お客さんの反応が、楽しみだな」
12 父の感想
家に帰る道。
父さんが言った。
「リナ、良くできたね」
「ソフィアさんと一緒だったから」
私は答えた。
父さんが続けた。
「でも、リナの工夫もあった。失敗しても、すぐに次を試す。それが、大事だ」
私は、嬉しくなった。
「父さんも、助けてくれたから」
父さんが笑った。
「改装が終わったら、この3つのメニューを出そう」
13 職人たちの進捗
同じ頃。
職人たちも、作業を進めていた。
トビアスの工房。
調理台が、完成に近づいている。
明るい木。
美しい仕上がり。
ディーターの工房。
器が、焼き上がっている。
白い素焼きに、植物の模様。
透明釉薬が、美しく輝いている。
グリムの工房。
調理器具が、完成している。
鉄の黒と、木の柄。
統一感がある。
マルクスとインゲが、各工房を回っている。
「順調ですね」
「ああ、もうすぐ完成だ」
職人たちも、最終段階に入っていた。
14 それぞれの夜
夜。
私は、ベッドの中で考えていた。
薬草料理の研究。
3つのメニューが完成した。
タイムのやさしいスープ。
カモミールの安らぎティー。
バジルとミントの食欲サラダ。
陽だまり亭で、お客さんに出せる。
どんな反応があるかな。
楽しみ。
ソフィアさんも、ベッドの中で考えていた。
リナちゃんと一緒に、できた。
薬草を、料理に活かせた。
師匠も、喜んでくれた。
嬉しい。
15 エンディング
薬草料理の研究が、成功した。
3つのメニューが、完成した。
リナとソフィアの挑戦は、実を結んだ。
一方、職人たちも。
陽だまり亭の改装も。
最終段階に入っている。
すべてが、完成に近づいている。
次回、それぞれの完成が、訪れる。




