98th 姉の行動予測不能
結局チップ類を復元して三日前の状態へと戻すと、自由に動けるようになった。
つまりあの基地内で起こっていた現象の何かが移動疎外をしていた事になる。
黒いモヤのようなものは相変わらずその地点で発生したままだったが……あの絵と何か
関係のある場所なのだろうか。
辺りは確かに火山地帯だが……ここの事は報告しておく必要があるだろう。
「そっちの機械はどう? 動くようになったぁー?」
「ハイ。まもなく動かせると思いマス」
「随分と余計な時間を食ったな。急いで基地まで戻ろう」
「準備完了デス。直ぐに発進いたしマス」
俺たちはメデスマグナ三号へ乗り込むと、再び勢いよく走りだす。
未知の惑星で何の防衛処置もなく、一つ所に留まり続けるのは命を捨てるようなものだ。
帰り道はセイソーの提案で、メデスマグナ三号に搭載されている角部分……この星の生命体の
武器だが、これを使用してみることに。
速度を落とし岩石に突撃してみると、ずぶりと突き刺さった。
岩がまるでバターに突き刺したかのように深々と刺さる。
「マスター。回転させてみてクダサイ」
「こうか?」
ギュルギュルと高速回転すると、突き刺した岩がはじけ飛ぶ。
そのまま速度をゆっくり上げて前進すると、岩を掘って進む事が出来た。
「こりゃすごい。岩石の中を調査できるのか、これ」
「そのようデスネ。まだ実験段階デショウ。しかしこれがあれば新しい鉱脈の発見が出来るかもしれまセン。
ミシーハ博士、凄いデスネ」
「ねえねえ。ミシーハ博士いるの? いないの? いるならサイン欲しい!」
「えっと……」
「ミシーハ博士はおりまセン。断じておりまセン」
「ええー。本当かなぁー。ニッキーの女の勘がここにいるー! っていってるんだよねぇ」
「と、とりあえずパープラー隊長に報告しよう。出来れば擦り付けたい……」
「ん? 何か言ったぁ?」
「何も言ってない……ちょ、首を絞めるなって! 暴れるな!」
「ええー。だって退屈なんだもん。ニッキー早く遊びたいー!」
「ニッキー様は元気が有り余ってマスネ。まず基地に着いたらお食事デモ」
「そういえばお腹すいたぁー。エレットぉー、早くぅー!」
「苦しい……やめてくれ……」
首を絞められつつ急いで基地まで向かうと、上空付近に着く。
しかしハッチが開かない。困ったな……。
「もしかしてメデスマグナ三号に付いてた装置って、ここのハッチを開けたりするやつだったのか?」
「そうかもしれマセン。何かしらのセンサーのようなものでショウカ? それが移動阻害をしていた
可能性はありまスネ」
「えー? 入れないのぉー? どうするのー!?」
「いや、大丈夫みたいだ。開いたぞ……あ……これは言い逃れもうできないな」
ハッチが開き浮上してきたのは、ミシーハ博士のアルバ。
なんていうタイミングで出てくるんだ……。しかも手の上に乗っているのは紛れもなくミシーハ博士。
こちらへ向けて両手を振っている。
「マスター、どうしまショウ」
「思考停止していいかな。俺、疲れてきたよ」
「ええー!? 何あれ!? エレット! 何あれー! 楽しそう。誰か乗ってる!
白衣? あれってミシーハ博士? いるじゃーーん! エレットとセイソーの嘘つきーー!」




