95th どこへ行くの?
ニッキーをメデスマグナ三号に乗せると大はしゃぎをして喜ぶ。
メデスマグナ三号は二人なら乗っても余裕がある大きさだ。
セイソーをニッキーに渡してあげて、ゆっくりと浮上を開始する。
「それで、何処まで行こうか? あんまり離れると怒られるだろう?」
「んじゃ惑星の真反対ー」
「無茶言うな! そんな遠くまで行ったら俺も隊長にどやされるよ」
「えー。だってうるさいじいじが駆け付けたら嫌じゃーん。そうだ、レイジとリュウジにも
連絡しようよー」
「レイジとリュウジ? 懐かしいな。あいつら元気にしてるのか?」
「してるよー。エレットの奴、勝ち逃げしやがって! ぜってぇ許せねえ! って
ぼやいてたよ? 後求婚されちゃった。きゃっ」
「求婚?」
「私に勝ったら考えてあげるって言って頑張ってたけど、二百勝した辺りから相手にするの
つまらなくなっちゃったー。勝てるわけないし、勝っても考えるだけなのにねーっ」
「うっ……ちょっと可愛そうだな。でもシドーカンパニーのお嬢様と結婚なんて、それくらい
してでも勝ち取りたいんだろうな」
レイジとリュウジっていうのはニッキーと同じくゲーム仲間だ。
昔はよく一緒に遊んだが、マテリアラーズに入隊してからは殆ど遊べなくなってしまった。
今頃元気にしてるかな……と考えていたら、ニッキーと同じく目の前に現れそうなのでやめておこう。
「ねえねえ、それよりこの星ってどんな面白いものがあるの? うちの会社で扱えそうな素材、いっぱい
あった?」
「どうかな。でも地球資源と似たようなものはいくつかあったぞ。鉄鉱石や銅鉱石、スズや亜鉛なども
見て取れた。ただどれも目的の素材とは違ったから入手は最小限だけどさ」
「えぇー。鉄鉱石ならいっぱい欲しいよぉ。銀は? 金とかとれてない? 白金とかも
見かけなかった?」
「銀も金も白金も見てないな。銀ならあるかもしれないけど、どうだろう」
「珊瑚とか真珠貝は? ねぇねぇちゃんと素材探してるのぉ?」
「実は……」
ここに来てからの経緯をニッキーに話すと、ものすごーーーい不機嫌になる。
「ふぅーん。素材探しそっちのけで女の子と遊んでたんだ。ふぅーん」
「遊んでたわけじゃないって。凄い能力を持ってる子なんだ。それに、記憶がなくて」
「そうだよねー。エレットは困ってる女の子、放っておけないんだもんねー。ニッキーの時みたいにー。
ふーん。だからニッキーに会いに来なくてもいいんだよねー。ふーん」
「そういうわけじゃなくてさ、なんかこう、パープラー隊長にいいように使われてるっていうか」
「それじゃそのパープラー隊長ってのをやっつけにいこ! そうすればもっとエレットと遊べるんでしょ?」
「あれでも一応うちのボスなんだ、わかってくれ……」
「もう! じゃあいいよっ! そのレグアって人に合わせて。勝負するから!」
「おいおい……でもあちこちうろうろするよりは本部に連れて行った方がいいよなぁ……あれ?
なんか急に暗く……」
ニッキーと話しながらメデスマグナ三号を基地方面へ走らせていると、辺りが急に暗くなり始めた。
上空を見ると雨雲のようなものは見えない。まるで空間そのものが夜になったような感じだった。
「何だ? 何が起こってる?」
「きゃははーーっ! 先に面白いイベントかな? 何々? なんのフラグ? イベントアイテムもらえる?」
「ゲームじゃないんだぞ! セイソー、何かわかるか?」
「確認いたしマス」




