86th 同じ種類ではない?
グロウコーピオと戦闘を行った辺りに着いたエレットたち。
ゆっくりと着地するアルバはそこから歩いて移動を開始する。
「確かに小さい生命体は襲ってこないわね。あれも心音がしない生物?」
「恐らくそうだ。あの新しい基地へ行くとき、かなり襲われたんだけど全然来ない」
「エレット。あれは私とエレットを襲ったやつとは多分違う。
まだ大人しいほう」
「グロウコーピオは確かに狂暴だったな。セイソー、あの時のデータはある?」
「勿論ありマス。少々お待ちくだサイ」
セイソーが出力する映像を見て、グロウコーピオの動きなどを再確認する。
するとアルバが移動を停止した。
「あれ? どうしたんだろう。アルバ」
「何か動けない理由があるんじゃない? 敵……とかね」
「今のうちにアルバを動かす練習したほうがいい」
「それもそうだな。よし、まずはパンチだ! アルバパーンチ!」
「ださっ! もうちょっとまともに技を繰り出してみなさいよ!」
アルバは命令通り正面に向けて右フックを放つ。大きく空を切るが、凄い迫力だ。
「技っていっても、こんな巨体でどんな技をすればいいんだ?」
「何かあるでしょ!? こう、波動をだすとか!」
「何ですか波動って!」
意味がわからないので首を傾げると、アルバもそれに合わせて首を傾げる。
そうだ、そのあたりの木とかを引き抜いて武器にすれば……。
しかしこの巨体からすると、大きな木も指一本分の大きさに満たない。
これでは豆粒を握って振るうのと同じだ。
「そもそもこの巨体なら、手を振るだけでも十分戦力になるんじゃ?」
「そうそれ! 波動よ!」
「それって衝撃波っていうんじゃ……」
「波動の方が恰好いいからそう呼ぶのよ! 必殺技みたいじゃない。ね?」
「ね? って……そういえばライチェ先輩って太古の日本アニメの大ファンでしたね。
「あらよく覚えてるわね。私が操ってみたかったわぁ……そうすればどんな攻撃も通さない!
凄いフィールドを展開したり、暴走! なんてしちゃったり……ああ、わくわくが止まらないわ。
早く暴走してみて!」
「暴走してみてって……アルバを制御できなくなったら、俺たちどうなっちゃうと思ってる
んですか!?」
「エレット。それよりあれ。多分心音のしない襲ってくる敵」
「え? どれだ?」
レグアが指さす方向を見ると、空に小さな点のようなものがみえる。
あれは……まるでシェラハのような蜂に見えるけど、あれが襲ってくるのか?
「やっぱり俺には違いがわからない。レグア、あれで間違いないんだな?」
「間違いない。来る」
レグアがそういった瞬間、アルバめがけて突撃してくる小さな蜂。
急ぎ回避を要求して突撃を避けるが、ただ突進してきたわけではない。
旋回してそのまま左右よりアルバを攻撃し始める。
しかし小さいので攻撃を把握しきれいないうえ、ダメージを受けているかどうかも
わからない。
「これ、まずくないか。アルバだと攻撃されてもダメージが伝わってこない。
どう対処したらいいんだ?」
「アルバの攻撃されてる部分ごと攻撃してみたらどう?」
「それじゃ壊れちゃうかもしれないぞ!?」
「私が出て退治してくる」
「ダメだレグア。あれ一匹とは限らない。そうだ。もっと高く上昇すればついてこれないかもしれない。
アルバ! もっと上昇してくれ!」
意思が伝わったのか少しずつ上昇していくアルバ。
その蜂のような生物はしつこく攻撃してくる。
エレットの予想通りあまり高くは飛べないようで、しばらくしがみつくように攻撃していたが、かなりの
高さまで上昇すると、ついていけず引きはがすことができた。
ひとまずどうするかを上空で考えるエレット。
「セイソー。何かアルバに持たせられるいい武器はないか?」
「それでしたら、指先にこれを持たせたらどうでショウ。範囲は狭いと思いマスガ」
「これは……」
「現状で一番大きい武器、大鎌デス。この鎌を振ると電撃が走りマス」
「よし、アルバに渡してみる!」




