64th ライトニングスコード
新装備を換装したレグア。
その装備は驚異的な性能だった。
レグアが手を動かし、照準が合うたびにトリガーを引くだけで次々対象へ高電圧が放たれていく。
ライトニングスコードを持つレグアはあらゆる角度から確実に小型生物をとらえていく。
心音のしない小型の生物は、次々と現れるが、どれも同じ個体ばかり。
一度登録されたものなので、再照準セットをするまでもなく撃ち落としていく。
「十一、十二、十三……十四……これで全部ね」
「凄い……一人であっという間に全部倒しちゃった……」
驚いて口をぽかんとあけるアオアシラ。
他に同じ個体がいないか警戒するレグア。
「あはは……俺とセイソーの出番は無しか」
「マスターすみまセン。セイソーがマッピングに時間をとられていたセイデ」
「いや、レグアの新武器お披露目ってことで十分だろう。俺たちよりアオアシラや
シロッコの能力も気になるしな」
「はぁ……私も三千年装備、欲しくなったわ……」
「入手経路が少し特殊なのよ、その素材。シドーにいる友人に手配してもらったんだけど、しばらくは
難しいかな。エレットとレグアちゃんの装備以外はまだ作れないのよ」
「えー!? エレットも持ってるの?」
「そうなのか? 俺も知らないんだけど」
「先ほど艦の中でミシーハ博士に搭載されたものがありマス。今はお見せ出来ない状態デス」
「何よー! 見せてくれたっていいじゃない! ケチ!」
「それより先を急ごう。また違う個体が出たら厄介だ」
「わかってるわよ! ふんっ!」
「あはは……フラーさん、怒ると可愛いですよねっ」
そっぽを向くフラーを見てからかうアオアシラ。
その後ほっぺをつねられたのは言うまでもない。
シロッコは道すがらマーキングをしている。いざという時に道がわかるように
するためだろうか?
「あら? この奥少し開けてるわね。何かあるのかしら」
「姉ちゃん先に行くのはだめだって。あいつらいきなり表れて危険なんだから」
「本当だわ。少しどころかかなり開けてる場所があるわね。素材とかあればいいんだけど」
「いくつかの岩石や鉱石は採取しておりマス。先ほどの心音がしない生物も一部回収
しまシタ」
「何かいるなすよー。シェラリルの目にはよく映ってるなす」
「心音のしない生物……か。ここにもいるか」
遠目に見える開けた場所はかなり暗く、肉眼では何がいるかわからない。
各ヘッツにそれぞれ暗視スコープを出してもらい見てみるが、それでも
いまいち何がいるかわからなかった。
「何よ、全然見えないじゃない。どうなってるの?」
「真っ黒な生命体かもしれない。暗闇で黒い生物なら、暗視スコープがあっても
良く見えなくて当然だよ」
「あれは……カブト虫? クワガタ? みたいな生物かもしれないわね」
「カブト虫? クワガタ? ってなぁに?」
「遥か昔、地球に生存していた虫よ。小さくて形が人気だったみたいで
高額で取引されていたそうよ」
「虫を高額で? うひゃー。昔の地球の人って変わってたんだね……」
「虫をお金で買うなんて、何考えてるのかしら。いい蜜でもとれるとか?」
「いいえ。観賞用らしいわね。私でもあまり虫を飼いたいとは思わないわ」
「しかもさ、その虫って幼虫のころはもっと気持ち悪い形だったんだぜ。
データ図鑑で見たら思わず……」
「ちょっと! そこから先は言わないでよ。あー……そんなのと戦わなきゃいけないの……
私嫌かも……」
「私がやる。フラーは大人しくしていて」
「はぁ? 何であんたばっかりにいいとこ持ってかれなきゃいけないわけ? やるわよ。
やればいいんでしょ! あたしの方が先輩なのよ! ふん!」
フラーの怒りの導火線に火をつけたレグア。
先ほどルシールに出してもらっていた装備を構え、一人一歩前へ出た。
「ここはあたしが一人でやるわ。あんたたちは先輩の雄姿でも拝んでなさい!」




