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6st 同期のフラージュ&ルシール、登場! 

 調べるのが終わるまで、外の扉の前で待つエレット。後方からカツカツと歩く音がする。

 この特徴ある足音は聞けば誰だかすぐわかった。


「何よアンタ。やっと戻ってきたわけ? 本当にのろまね。成果あったの?」

「げっ。フラージュ」

「その名前で呼ばないでっていつも言ってるでしょ! あたしを呼ぶ時はフラーって呼びなさい!」

「悪かったって。お前も任務だったんじゃないの?」

「地脈調査なんてとっくに終わったわよ。ね? ルシール。あんたのセイソーよりよっぽど優秀よ、この子は」

「酷い言われようデス。マスター」

「仕方ないだろ。あいつのは特別性なんて騒ぎじゃない。ただ……」

「ボロ。フラー様。今日もお美しいです」

「そのボロっての、本当にどうにかならないのか?」

「これが可愛いんじゃない。ね? ルシール」

「ボロ! まったくわかっていませんね。ルシールはエレクトリクルライツ製の最高峰仕様。

その辺のボロと訳が違うのです。わかりましたか? ボロットさん」

「こいつ、やっぱりポンコツじゃないか? セイソーは名前間違えたりしないぞ」

「おっしゃる通りデス、マスター」

「これは間違てるんじゃありませんー、見下してるんですー……ってあら? 誰か出てきた?」

「エレット。ちょっといいかな」


 エレットの手をつかみ扉内に引き入れるレグア。

 どうしたのだろう? 


「ちょ、ちょちょちょ……誰よその女!」

「ん? レグアだよ。今日知り合ったんだ」

「ふ、ふーん。なかなか可愛いじゃない? あたし程じゃないけど。あ、待って! あたしも行く!」


 レグアに率いられて再び扉の中に入ると、ライチェ先輩がちょいちょいと指で近くに来るよう合図している。

 少し嫌な予感がするな……と考えていると、耳打ちされる。


「あんたさ。あの子、うちの隊員に引き入れてくれない? 相当な能力を秘めているわ」

「ええ!? だってここの星の住人でしょ? いいんですか? そんなことして」

「あの子の体調べたんだけどね。この星の生態とまるで合わないのよ。多分この星の住人じゃないわ」

「……そうなんだ。でもレグアの意思次第じゃないかなぁ」

「だからあんたが説得するんでしょ! ここに連れてきたのもあんたなんだから、責任取りなさい! 男

でしょ!」

「男って、そういうの関係あんのかな……ここでお別れってのも何だし誘ってみますよ、先輩」

「よし。まずは飲み物でも飲んであんたも一度落ち着きなさい。フラーも連れてきたなら紹介の手間が

省けるわね」


 と、ライチェ先輩と話しているとレグアとフラーも椅子に腰をかけた。

 紫髪のフラーと、薄い青みがかったレグア。どっちも顔を合わせているが会話はない。

 レグアはともかくフラーは結構おしゃべりなのになんでだ?


「改めて自己紹介しましょうか。私はライチェ。ここでは生体研究が主ね。素材の

どの部位をどういう素材にして売るか……なんてことを考えたりしてるいるわ。

私のHETS……ヘッツについては説明したわよね? エレット」

「してません! そんな暇ありませんでした!」

「そ、そう。確かに着いてすぐ、殴られてたわね、あなた。ヘッツっていうのは

エレットでいうところのセイソーよ。ハイエンドテクノロジーシステム。通称

ヘッツ。覚えておいてね」

「わかった。さっきもすごい能力を秘めていた」

「私のヘッツはミリオネラ。あらゆるデータを極限まで詰め込める優秀な子よ」

「ミリオネラです。ミリーとお呼びくだサイマセ」

「わかった。よろしくミリー」

「ほら、あんたも挨拶しなさい。どうしたのよそんなジロジロ見て」

「あたしより、大きい……はっ! べべ、別に気にしてないわよ? 

あたしはフラー。こっちはルシールよ。ところであんた、一体何者なわけ?」

「フラーにルシール。覚えた。私は私がわからない。あなたはあなたの事、わかるの」

「この子何言ってるの? 頭大丈夫なの?」

「行きがかりで共闘したんだ。すごい力を持っている」

「戦闘能力ならフラー様より上デス」

「はぁ? そんなわけないじゃない。何言ってるのセイソー! いいわ、勝負して

あげるわ。もしあたしに負けたらここを去りなさい。いいわね!」

「おい、フラー!」

「あんたは黙ってなさい! トレーニングルーム、借りるわ!」

「ちょーっと私も見てみたいかな。彼女の実力を」


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