53th 操縦室の役割担当
食事を終えて、おいていったヘッツの許へ戻ろうとしたが、扉がびくともしなかったので
諦めてジョーゴンをどうするかを考えることにした。
「相手の艦って何隻くらいなのかしらね」
「駆け出しの宇宙賊らしいから一隻なんじゃない? しかもこの船と違って最新鋭ってわけじゃないだろうし」
「ばうー?」
「シロッコちゃんはそういえばどこから来たんだろう? 後シェラノールさんに聞いて見よっと」
「そろそろ出発しようか。姉ちゃん出てきそうにないし。父さんのおいてった通信から
居場所はわかるんじゃないかな。操縦室に行こう」
全員で操縦室に行くと、それぞれが配置に付けそうな装置が見受けられる。
発進を指示する艦長席、マッピングを表示させる通信席、攻撃を行う砲撃席、障壁を展開したり
後方を確認する防備席などがあるようだ。
「艦長はエレットね。私たちどうしたらいいの」
「エレットさん、お願いしますぅ。私索敵したいから通信席にしますねっ!」
「ばう! ばうばうー!」
「シロッコが真っ先に防備席についたわね……あたしはレグアと一緒に砲撃席かな」
「そうだな、ひとまずそれで試してみよう。アオアシラさんはこれを通信席の端末にとりつけてみて」
「せめてもうちょっと短くして呼んでくださいよぉ……」
「さんはいらない。アオアシラの方が可愛い」
「そうね、そう呼ぶことにしましょう」
「わかった。気を付けるよ」
「気を付ける方向性が違いますぅ!」
ブーブーいいながらも端末へエレヴィンが残したデータを取り付けると、リアルなマップに
赤い点滅が映る。発信機でも取り付けてあるのだろうか? 恐らくこれが宇宙賊ジョーゴンの
艦隊だろう。
一隻しか映っていないように見えるので、相手は一隻だ。
「現在地はどうやったら映るんですかぁ?」
「スクリーンに現在地って入力してごらん。ヘッツの装置なら現在地とデータまでの距離分析を
自動で行うはずだよ」
「ええと、火星がこれで……ここに現在地……? わわっ! 火星がぐるっとまわりました!
すごーい、ジョーゴン艦隊まで赤い線がびゅーって伸びました!」
「凄いわね……マテリアラーズでもここまで便利なもの、まだ見ていないわよ」
「わかりやすくていい」
「ここからだと進路は遠くなさそうだけど、ジョーゴン艦隊の背後付近に回って来れないかな。ジョーゴンの移動進路なんかは出てる?」
「出てないですぅ。停泊中かもしれないです!」
「それなら背後に回ろう。その赤い線を少しひっぱって、ジョーゴン艦隊の後ろ辺りに動かせる?」
「ええっ!? えーと、こう……かな。わー、自由に動かせますっ。楽しい……びよーん、びほーん」
「アオアシラずるい。レグアもそれ、やってみたい」
「あんたはこっちで射撃の練習! ほら、宇宙漂流岩石を狙って撃ってみなさい。外すんじゃないわよ。
ここに手を当てて上にスライドさせてロックをオフにする。その後そのスコープから覗いて狙いを定めて」
「こうね」
バシューンと発射のさせ方を伝えていないのに発射させるレグア。
宇宙漂流岩石に命中して粉々になる。
「な、なかなかやるじゃない。筋がいいわね」
「これも面白い。もっと射撃していいの」
「弾丸があまりないんだ。練習だけにしておいてくれ。それじゃそろそろ出発するぞ!」




