48th 班分けとヘッツの証
無事合格したレグア。改めてエレヴィンが挨拶にくる。
「よう。おめでとさん。あの爺さんのあの顔、傑作だっただろ?」
「あの人っていくつなの? 本当に頭固いけど」
「七百歳くらいだったかな。今じゃもっぱらあの形態だけど」
「な、七百歳!?」
「それよりほら。身分証の授与だ。これがレグアちゃんので、こっちがアオアシラちゃんのだ。
シロッコのはもうつけてやった」
「私、結局アオアシラになってるんですけど……」
「綺麗。宝石みたい」
「マテリアラーズの印、結構貴重な宝石なんだぜ」
「ばふっ」
それは首にぶら下げると、すっと消える宝石。
実際に存在はしており、必要な時にだけ姿を現す。
「さて、お前だち三人ブルーチームは今日からエレット、フラーと共に任務にあたってもらう。
場所は惑星アルバメデス。現在捜査中の未知なる惑星だ」
「ついに戻れる! しかも三人も仲間増えて!」
「へへーっ。感謝しろよ。父さんが頑張ってそうさせたんだぞ。
レッドチームの方がもっと簡単な場所だ。あちらはレヴンズとオリナスと組む。
五人活動でDランク素材三つなら、どうにかなるだろ」
「それぞれ三つっていってたから、合計九個じゃない?」
「ま、まぁ何とかなるって。それとヘッツだが――――」
「お父さん! すとーっぷ! まだ秘密なの!」
急に表れるミシーハ博士。手を横につけ、頬を膨らませている。
直ぐ近くには小さなロボットがいるが、これはヘッツなのだろうか?
「三次試験の時にも話していたけど、三人には私のオリジナルヘッツを提供してあげるわ。
ただし実験も兼ねているから、データ取りに私もついていくわ!」
「おい。今何て言ったエレハ」
「私もついていくわ!」
「……父さん、よく聞こえなかったよ。今何て言った?」
「わ、た、し、も、つ、い、て、い、く、わ!」
『えーー!?』
ミシーハ博士はあちこちで狙われている。それがゆえに月の隠し施設からほぼ
出られずにいた。
それがアルバメデスまでついて行くとなると、かなり大ごとになる。
「それはダメだ。父さんの首が飛ぶだろ?」
「ただついてるだけの首なんて、飛んだっていいでしょ? 直ぐにヘッツ型父さんにしてあげる
んだから」
「俺の娘、やっぱ宇宙一怖くない……?」
「姉ちゃん。どうやってついてくるつもりなの? それにエレミナはどうするんだ?」
「エレミナなら、ここにいるじゃない」
「はい?」
先ほどから小さなロボットを連れていると思ったが、それを指し示すミシーハ博士。
どう見てもエレミナには見えない。
「ほら、顔だけ出してみて。エレミナ」
「ジャーン! お兄ちゃん見っけ!」
「これ、グラフィティー通信じゃないの?」
「いいえ。違うわよ? 顔、触ってみて」
手を伸ばしてエレミナの顔に触れると、くすぐったそうに顔を少し歪める。
どう見ても本物のエレミナそのものの質感だった。
「……どうなってるわけ? あれ」
「さぁ……本体がここにあるってわけじゃないのかな」
「いいえ。本体を部分的に転送してるのよ。下は機械ね。
下だけ生身なんて想像しちゃだめよ? うふふ」
「それで、これをどうするんだ? 姉ちゃん」
「だからこの機械の方を家に置いて行って、私たちはアルバメデスに行くのよ! いい案でしょ?」
「それって、何か意味あるの?」
微妙な空気の中、父さんだけが頭をかきむしっていた。
ミシーハ博士の発想についていけないのは無理もないが……それより新しいレグアたちのヘッツの
事だけは聞いておきたい。
「そうそう。それでね。ヘッツの話だけど……フラーちゃん、エレットのヘッツは改良してあげる
として、レグアちゃん、アオアシラちゃん、シロッコちゃんとうまくリンクさせてね……
凄い事ができるようにしちゃおっかなーって! うふふっ。楽しみだわぁ……」
凄い事と聞いてあまりいい事が思い浮かばない。一体どんな事なのだろう。
「それより姉ちゃん。レグアたちのヘッツの本体はどれなんだ?」
「私の秘密星から持ってきてるところだから、もう少しだけ待ってね。三つ分になったから、時間がかかるの」
『秘密星?』
てっきり月の自宅だけで開発していると思ったんだけど。
そんな星まで用意していたのか……。




