47th 三次試験 筆記試験のあり方
「コホン。これより筆記試験を開始する。わしはマゼル・ナベリスクである。
今回出題される問題は、地学、薬学、素材分析学など、マテリアラーズに必要と
される多くの難題がつまっておる。回答時間は百二十分。
渡されたタグビートエフに文字を記載していきなさい」
「ばふっ」
「……文字が記載できない者への代筆は認めている。
しかしなぁエレヴィン。なんでお前がシロ・コボルトの代筆をやるのだ?」
「仕方ないでしょう? たった一匹受験しにここへ飛ばされたらしいんです。
あなたがおかしな試験を出すからこういう作業が必要になるんでしょう?」
皮肉たっぷりに伝えるエレヴィンに眉を引きつらせるマゼル・ナベリスク。
エレヴィンは、にやりとシロ・コボルトへ微笑んで見せる。
「……正当かどうかはそのものの意思を拝見するから注意するように。わかっているな?
エレヴィン」
「ご自由に」
「では、始めなさい」
レグアは問題文を眺める。文字はすぐさまレグアが理解できる文字へと変化される。
【粒子移動における欠点を一つ、挙げなさい】
これはわかる。エレットが吐くが答えだ。
「違うわよ! 何言ってるのあなた。形状変化と形状構築のバランスが不安定と書きなさい!」
わかった……次は何。
【アクシスバリエーションにおける軸変動は何度まで可能か】
一度しかやったことがないからわからない。
「何度って聞いてるのはどのくらいの角度かってことよ! まったくもう!
本当にダメな子ね。ここには三百六十度と書きなさい。
ミシーハ博士は容易く三百六十度まで可能にしたわ。シェラハでもできたけどね」
よくわからないけど、きっと凄いのね。次。
【惑星カトゥラエールにおける地表温度と摘出可能素材の代表物について述べよ】
おいしそうな惑星の名前ね。ちょうどいい温度で食べられるものがいい。
「あら。意外とあってるじゃない。温度は二十四℃。今でも小麦がよくとれるの」
行ってみたい。ここから遠いのかな。次。
【対機構種族において、適切な戦闘方法と対処方法、捕獲方法を述べよ】
全て粉々に破壊して持ち帰る。
「脳筋! その回答は脳筋よ! 戦闘方法は雷か粘着質を用いた武器。対処は
正面に回らない事。捕獲方法は動核の機能停止よ!」
凄い。あなたがいればなんでもできそう。シェラハは凄い。
「ふ、ふん! 別にシェラハが凄いのは当然よ。あなたも精々頑張ることね」
そうする。次は――――。
「終わったぜ。ほらよ」
「なんだと? エレヴィン。嘘を申す出ない。まだ何も書いてないではないか」
「何言ってんだ。なぁ? シロッコ」
「ばふっ」
『シェラ三姉妹。オールコピーを展開します。全コピー展開先……フィールド一体」
「えっ? ええっ? シェラリルちゃん?」
「要望通りなす。全員分回答を足すと終わりなす」
「上からはレグア。真ん中は不知火・青井。最後はエレヴィンが回答を読んで解いていた。
後はリンクで繋げて自動入力で上空から文字を射出しておしまい。
時代遅れの爺さんには、よくわからないかな」
「おい! どう考えてもそれは……」
「おいおい。あんたらの意見通りにやらせたんだぜ。不正の範囲じゃない。考えたのも俺じゃない。
文句は無しだ。こっちは早いとこ終わらせて、新しいチームとミッションをやらせたいんでね。
ここにいる全員、十分な戦力と判断する。これ以上いちゃもんつけるなよ会長」
「くっ……ならば一つだけ条件がある! ここにいる六名。
一週間以内にランクD以上の素材を最低三つ、納品させろ! いいな!」
「へいへい。それが俺たちの仕事ですからね。わかりましたよ会長」
「ランクDを三つ!? 無茶だ!」
「そうよ! 私たちだってまだランクE素材を二つ納品した程度なのに!」
そう、俺やフラーはまだ駆け出しのマテリアラーズ。それでも務めて一年程で
ランクE素材を二つ納品するのがやっとだった。
それをランクD三つなんて……。
かなり大変なことになったぞ。




