46th 三次試験の前準備!?
「筆記試験って何」
「よりによって筆記試験? あり得ないわ。後で覚えていけばどうにでもなるじゃない。
なんだったらヘッツがいればいいじゃない!」
「マテリアラーズでは確かに大気の状態確認や素材の安全性の確認、惑星の規約なんかも
覚える必要があるけど、今の時代基本はナノインジェクトで処理するのが当たり前だからなぁ。古いよ、考えが」
「本当よ! ばっかじゃないの。あり得ないわ。あたし抗議してくる!」
「だめよフラーちゃん。いいのよこれで。うふふふ」
「うわぁ!? ミシーハ博士? びっくりした!」
「ええーーー!? 本物のミシーハ博士ですかぁ? あの? 本物の本物?」
「しーっ。声が大きい! 静かに」
「あら、この子確か、レグアちゃんと一緒に戦ってた女の子よね。ふーん、あなたもなかなかいいわね」
「不知火・青井ですぅ」
「アオアシラ」
「あら、呼称までもらってるのね。いいじゃない。うんうん、決めたわ! あなたも合格に導いてあげる」
「姉ちゃん、やっぱり何か企んでるんだね……」
「企むなんてそんな悪そうな事しないわ。正々堂々会長たちに挑むだけよ! でもそうね。時間がないの。
だからこの際、アレで我慢してね。試験が終わった後もしばらく続くけど……」
「一体どうするんですか?」
「シェラハともう一人、妹のシェラリルを埋め込むわ。シェラハをレグアに。シェラリルをアオアシラちゃんに埋め込むわね」
「私、アオアシラって名前になってますぅ……くすん」
「シェラハってあの高飛車の? 埋め込むっていったいどういうことなんだ?」
「レグアちゃん。アオアシラちゃん。あーんして。こう。あーん」
『あーん』
ひょいとレグアと不知火・青井の口に何かを入れるミシーハ博士。
ごくりと飲み込む二人。
「わわっ。一体何を食べさせたんですかぁ!」
「味しない」
「味がしないとは失礼ね。とろける高級チョコのようと言いなさい!」
「……? 何か聞こえた」
「わ、私にも聞こえました! 先ほどの試験のシェラハさんてAIの声!」
「ええ? 俺たちには特に何も……」
「聞こえなかったわ……」
「あらしの声も聞こえるなす? あらし、シェラリルなす」
「ええ!? 何かまた聞こえました!」
「それはね。一時的に二人の体にAI機能をつけるものなの。時間とともに消滅するわ。
それでね。このAIはヘッツとして開発してる最中だったの。二人の事は今後も引き続きインプットされるわ。
シェラハ、シェラリル、シェラノールの三体を作っているのよ」
「それならシロッコにも使ってあげてほしい。役に立った」
「シロッコってあのわんちゃん?」
「もう一人のシェラノールっていう人格AIを使えば、シロッコちゃんとも喋れたりするのかな?」
しかしシロ・コボルトの姿は先ほどから見えない。
どこにいったのだろうか?
「それなら父さんが目を輝かせてみてたから、あちらは父さんに任せておけば平気かな。
なのでシェラノールは非公開! うふふっ」
「そもそもその疑似人格AI、そのままヘッツにするつもりなの?」
「ううん、違うわ。それじゃ面白くないじゃない? そうね、言い方を変えるなら
ちゃーんと、魔改造しちゃうわ」
「魔改造って……姉ちゃんが言うと本当にそうなりそうで恐ろしいよ」
迫り来る三次試験。試験は一時間後。
これでレグアの入団試験は終わりだ。
後は合格を祈ろう。




