44th 私は負けない
リターンを宣告されたミキサスキャロライナの肩上には、ミリ単位のサイズしかない
レイザー・ミハエルが乗っている。
「ファイナリーリーチングザクライマックス。ビーケアフル」
「ワーカッテルワヨ! アンタ! 英語ヤメナサーイ!」
「ホワイ」
「ダッテココ、元々日本ジャナーイ!」
「ザッツライト。オウケイ……あーあー。言語はこれでいいか? いくぞハスキー娘」
「ダカーラ! 英語ヤメナサーイ!」
今度はレグアたちを攻撃する番なのか、その場を離れたドンタスを追い、移動を始める
ミキサス・キャロライナ。
レグアたちは仁・青井を倒し、そのまま直ぐに木の上へと移動していた。
「見えないやつがくる。シロッコ、どうしたらいいの」
「わう?」
「そうね。私がどうにかしないといけない」
「わう!」
「シロッコはここにいて。全部私が倒してくる」
高々と跳躍して、エレットからもらったカスタマイズカービンガンで狙いを定める。
しかし察知していたドンタスは、そこへ容赦なくミサイルを撃ち込んでいく。
「見えてるんだよねぇ。この意味、わかる? その状態からだとクリーンヒットだよ」
「別に構わない」
レグアはミサイルを避けようともせず、そのまま腕を盾にして防いでいく。しかし追撃するミサイルは
レグアの背中側から攻撃して爆発。少なからずダメージを受けているように思えた。
「無茶な戦い方するねぇ。あまりやりすぎると後で怒られちゃうよ。でも君には一発
殴られてるからねえ。おあいこってやつなのかな……うん?」
レグアはドンタスの懐に入ると、ノイザーカチューシャの前で思い切り手を叩いた。
パァン! という音とともにノイズが激しく走り、ドンタスの鼓膜をおかしくする。
「おおおぉ……グラグラする……いやこりゃ……参った……」
ばたりと倒れるドンタス。さらにその奥でもミキサス・キャロライナが悶絶していた。
「いいわよ小娘! ほら今のうちにやれ! やってしまえ! ギタギタにしてしまえその女を!
オーッホッホッホ! いい気味だわ!」
「ダメ。うかつに近づけば一位の人がいる」
「ばうわうーーー! ワウワウ!」
シロッコが風を纏いながらミキサス・キャロライナの方へとびかかる。
少しだけレグアの方を振り返った。
まるで、あとは任せたぞ! と言っているようなつぶらな瞳をしている。
「レイザーカノントワイス! ヘイドッグ! ロックオフ」
「見えた。そこね」
シロッコが犠牲になっているところへレグアがアクションインパルスを放つ。
しかし非常に見づらいうえ、異常な速さを誇るレイザー。攻撃はあたらない。
「申請を受理したわ。仕方ないわね」
ぽつりと呟くシェラハの声。それと同時にレイザーの辺り一面を火が覆いつくした。
レグアはその間にミキサス・キャロライナのバッジを奪う。
「火遁、フレアサークル!」
レイザーの逃げ道を覆いつくすほどの炎に後方からレグアも迫る。
だがそこをうまく回避してシロッコに飛びついたレイザー。
もふもふの毛の間に入れば見つけ出すのも困難。
かといってシロッコを攻撃すれば失格となる。
「あいつ、ずるい」
「せっかく戻って奇襲したのに! ずるいですぅ!」
「ばふっ……」
「ふっふっふ。シャラップ。何とでも言うがいい」
「ばう?」
「シロッコちゃん、何とかできないの……?」
「毛を全部むしればみつかる」
「そんな可哀そうなことできませんて! お姉さんたまに怖いですぅ!」
そう話していると、シロッコがモリモリと大きくなり、二足歩行形態となった。
さらにそのまま自分に風纏いを行い、自分の体ごと上空へ竜巻を起こす。
「バウーーー!」
「あーーー、シロッコちゃーーん!」
「最後の形態、可愛くない。使わないで」
「ノーーー! シット! この犬、変身型かぁーーーー!」
竜巻から一体どこにしまっていたかもわからない、レイザーのバッジがぽとりと地面に落ちてきた。
「試験終了。二次試験。勝者はレッドチーム。三名も残るなんて、やるわね、あなたたち」
「やったぁー!」
「ばふっ」
「特製スィーツ、食べたい」




