43th ドンタスVSレイザー、仁・青井VSレグア・シロッコ
「いやこりゃ参ったねぇ。君しかいないし今ならネタバレにはならないよねえ」
「ビークワイエット。シャラップ」
「試験官相手にも強気だよねぇ。アリ程もないその体じゃ、見えなくて当然だねえ。
しかしアリ程の体積しかないのに、ビームは人並みの大きさ。いやこりゃてこずるわけだよねえ」
ドンタスはホーミングミサイルを発射しつつも、レイザーの動きに注目する。
その体は見えない程に小さく、素早い動きをする虫のような存在。
その小ささゆえに、シロッコでも追う事が困難だった。
「一発あてようにもまったく当たる気がしないねえ。だがその体だと、一発が命取りになる。
いやこりゃ参ったねえ」
「"ザッツノットトゥルー。アイアムインビンシブル!」
「俺は無敵だって? そんなはずないけどねぇ……一位の実力、見せてもらおうか!
マキシマムエアーミサイル放射!」
上空を埋め尽くす程のミサイルが、ドンタスの甲羅から射出される。
居場所を把握するのが困難だが、逃げ道を塞いでしまうほどのミサイルならと、容赦なく
放出されたそれらは、辺り一面で爆発を起こした。
しかし放ち終わったドンタスの顔面にレーザーが迫る。
「うおっと! いやこりゃ参ったねぇ。今のでかすりもしないのか。
両方を公平に攻撃したけどねえ。かすりもしなかったのは君が初めてかな」
「シャラップ。リターンミキサス・キャロライナ。アプリケーション」
レイザーがそう呟くと、シェラハが怒声をあげる。
「はぁ? あのふざけた女を呼び戻すわけ? ルールだから従うけど信じられないわ。
あんな女戻して何の役に立つのよ!」
「シーイズグッドショルダー」
「……肩に乗りやすかっただけなんだねぇ……」
そのころ仁・青井とレグア・シロッコは――――猛烈な技の応酬を繰り広げていた!
「風遁、風切風芭蕉」
「バウワウ、ワウーー!」
「えいっ」
爆風が細道を突き抜けるように周囲を切り裂き進む。その道の正面をシロッコが
風で押し返し、さらにレグアがアクションインパルスをうちつけ相殺する。
仁・青井はさらに上空へ展開して、そこから手裏剣を数枚、レグアへと投げつけるが
これもまたレグアの腕が盾に変わり防がれてしまう。
「ちっ。やりにくい相手だ。防御、攻撃、そして術への対応。どれも手練れと
変わらないレベル」
「あなたもやるのね。こういうのを楽しいっていうんでしょ。エレットと会った時みたい」
「それが誰だかは知らないが、俺は楽しくもなんともないね。さっさとこの茶番を終わらせる」
「シロッコ。少し下がっていて。合図したら風を送ってね」
「バウ?」
レグアは跳躍して仁・青井に迫る。当然察知している仁・青井は
忍術で応戦しつつ後退。しかしレグアは構わず突っ込んでいった。
火遁を拳の風圧で避け、土遁を破壊し風遁で切り裂かれながら前進する。
「なんなんだ、お前。少しは怯めよな。顔も傷だらけになるぞ」
「私は早く戻りたいの。ただそれだけ」
「そうかよ。なら敗退させてさっさと戻してやるよ! 火遁、富士ノ大爆発!」
手にはめている何かの機械を地面に打ち付けると、地面が隆起していき、火山が
爆発するような火が噴き始める。それはレグアめがけて飛来する爆炎となり、次々と
打ち出されていった。
「今よ、シロッコ」
「バウ、バウバウー!」
シロッコが後方より風を発生させる。その風に乗ったレグアは、爆炎に追尾されながら
一気に仁・青井の真ん前まで迫った。
「くっ……早い」
「捕まえた。逃がさない」
「なっ……なんだこの怪力ゴリラ女は」
「ゴリラって何。私の住んでいた世界にはいない」
仁・青井のバッジを引きはがしたレグアは、爆炎をうまく木に誘導して
事なきを得る。
「お前の体、一体どうなってるんだ。サイボーグか何かか」
「私は私がわからない。私を知るためにも、マテリアラーズに入りたい」
「お前の意志が俺の意志より上だったってことか。だが、俺は諦めない。
俺の手で必ず……」
「仁・青井。敗退よ。なかなかやるじゃない。私程じゃないけど」
「ほう。彼は最後まで残ると思っていたんだけどねぇ」




