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4st 粒子移動許可

「マスター。本部より粒子移動許可が下りてマス。使用しまスカ? 殺されマスカ?」

「それって使用するしかないだろ!? でもあれ嫌いなんだよなぁ。絶対吐くわ」

「それはマスターの訓練不足デス。今後もしょっちゅう使わないといけまセンヨ」

「粒子移動許可って?」

「レグア様も同行者に入りますノデ、ご利用いただけマス。少し言い訳をせねばなりませんガ。

マスターは言い訳が得意中の得意ですノデ」

「お前なぁ。別に言い訳が得意なんじゃなくて、説明が得意って言ってくれよ。

はぁ。ここでぼやいてるとまた先輩に怒られる時間が増えるだけだ。セイソー、頼む」

「承知しまシタ。レグア様はマスターにお捕まりくだサイ」

「……こう?」


 首をつかむレグア。そこはやめて欲しい。首じゃなくて背中とか腕とかあるだろう? 


「首じゃなくてさ……」

「粒子移動準備を開始シマス。粒子化装備展開。マスターを中心に七メートル範囲を粒子化しマス。

ストックエンジン作動。目標地点……エンパイア・レゾナ(帝政の共鳴地)発進シマス」


 体がバラバラになる感覚と吹き飛ぶ感覚、そしてまとまる感覚が同時に行われる。

 本当、何度受けても気持ち悪い感覚だ。


「エンパイア・レゾナに到着しまシタ。マスター、レグア異常確認シマス」

「うげげげーー、まじで気持ち悪ぃ……」

「……凄い。一瞬で移動した」

「レグア、お前平気なのか?」

「何ともない。無事」

「マスター、異常、マスター異常、マスター、異常。脱臭脱臭脱臭脱臭消毒消毒消毒消毒消毒」

「ちょ、やめ! やめろー! 消毒液ぶっかけるな! うわ、しみる!」

「ここが、あなたたちの住まいなの」

「ぶふっ。はー……セイソーちょっと大人しくしてろ。ここは俺たちの拠点だ。根城ってわけじゃない。

言ったろ? ここには偵察で来たんだ。俺たちは素材集めを生業とする商人みたいなもんだ」

「商人。何か売ってるの」

「主に素材を売って加工して武器にしたりする。さっきも使ってただろ?」

「あの電撃が走る槍。凄かった。うまく扱えていないみたいだったけど」

「初めて使用する武器は適合率が悪いんだ。慣れれば多分うまく使える。構築はセイソーがしてくれるから

素材があればいつでも出せる」

「そう。便利なのね。私には足や手を武器に変えて戦ったりすることしかできない」

「そんならレグアも俺たちの武器使ってみたらいいんじゃない?」

「面白そう。それよりも、行かなくていいの」

「やっべええーー! 急いでいかないと!」


 エンパイア・レゾナ。仮説的に造られた、まるで城のような建物。内部はそこまで広くないが、頑丈で

簡単な攻撃では傷一つつけられない頑強さを誇る。これも素材から構築されたもの。

 中に入るエレットとセイソー、レグア。埃一つない綺麗な内部を無数の機械や生物が動いている。



「オカエリナサイマセ。エレット様。奥デ――――」

【おいこらエレットおーーーーーー! 一瞬で来いっつったろうがこのぼけぇーーー!】

「うわわわわ、先輩めちゃくちゃ切れてる! セイソー、対処法教えてくれ、頼む!」

「素直に殴られるのが一番早いとデマシタ」

「ま、まずい。あのブチ切れモードで殴られたら感電死する。助けて」

「無理デス。私がショートしマス」


 バァンという大きな音とともに一つの扉が開き、中から人影がでてきた。

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