39th 共闘! 大詰め二次試験
レグア、シロ・コボルト、不知火・青井は一斉に奥へと走り出す。
レグアが戦闘かと思いきや、駆け足が速いのはシロ・コボルトだった。
「わんちゃん早い! 全然追いつけない!」
「わうわう! わうー?」
「後ろの伸びてるのが可愛い」
「尻尾ですよね!? わかりますぅ! 私も尻尾好きです! それにしても
シロ・コボルトさんて名前どうやってつけたんでしょうね?」
「シロ。コボルト。どっちで呼んだらいいの」
「シロちゃんだとありきたりですし……トルボコロシさんとか?」
「可愛くない」
「がーん……じゃあレグアさんが決めてくださいよぉ」
「シロッコ」
「それだっ! シロッコちゃーん!}
「わうわう!」
あだ名を決めながらも置いて行かれる二人。
シロッコはただの犬ではなく、生体を大きく環境に合わせて進化した犬種。
厳しい風が吹き荒れる環境で育ち、それがゆえにその風を生み出す力を身に着け、また強靭な
足腰や保護膜を獲得した風犬という種族だった。
「わ、わふ!」
「ここにいるって? あーーー! 本当にいた! お尻丸出しで……」
「これが、お笑い芸人」
「体張ってますね、この人たち」
「ばふっ」
「あいたーー! なんだこの犬! 尻を噛むな!」
「あった、バッジ」
「あーーー! そんな! お嬢さんそれはあんまりだ!」
「どうして」
「だって俺たち戦ってないよ!? 正々堂々戦って奪うってのが筋でしょう?」
「そういうものなの」
「違いますって! 試験で奪われたら負けなんですから!」
「へっへっへ。正直なお嬢さんだ、今のうちにずらかるぞコンポタ!」
「だ、だめだ。犬っころに先回りされてる!」
「くっそぉ! こうなったら」
「こうなったら!」
『俺たちが相手……』
「ばーふっ! ばふ!」
シロッコが吠えると突風が巻き起こり、ポタージュ・コーンとスベル・タヤスクの衣類を
全て空中へ巻き飛ばす。さらに陰に隠れてバッジを奪おうとしていた、気体のミスト・リガルドまでも。
不知火・青井は恥ずかしそうに目を伏せるが、レグアはまじまじと見て、バッジを奪っていた。
「キルキルキルキルー……」
「お嬢さん、せめて恥ずかしそうにくらいしてよ! 俺たち死ぬほど恥ずかしいから!」
「相棒、服脱げちまったら宣伝にならないぜ……」
「けどよ。今のでひらめいたんだ、俺たち……お笑いや戦闘より」
「動物になつかれるからペット飼育員やるか」
「わうわう! わうーー!」
バッジを奪われた後もしばらくシロッコに追い回される二人だった。
一方そのころ……ブルーチーム、支配・村雨と牙・流星は、協力してボーン・カルシウムから
あっさりバッジを奪い取り、次の獲物について話し合いをしていた。
「次、南にいくか?」
「東はこっちの上位陣がいるみたいだし、そうするか」
「オットーーォ、見ッケー、マーシタ。ワターシの、腹いせになってクダサーイ!」
「ミキサス・キャロライナ! だがこっちは二人だぜ。そう簡単にやられてたまるか!」
「単独行動なんてしてるから、シェラハにバカにされるんだよ」
「ハァン? 弱いアナターたちと違ってワターシは強い。誰かと組む? 冗談じゃアリマーセン」
空中へ跳躍し、木の枝へ足を身軽にひっかけるミキサス・キャロライナ。
しかし、彼女のその行為は無駄に終わる。
「なっ……何をした」
「いや、あいつはまだ何もしてない。木の枝に足をひっかけてるだけだ」
「ホワーイ! ワターシの獲物だったノニー!」
ミキサス・キャロライナが手を下すまでもなく、支配・村雨と牙・流星はバッジを
奪われていた。空中に浮かんでいたバッジは、そのまま何処かへと消滅してしまった。
レッドチーム残りはミキサス・キャロライナ、仁・青井、レイザー・ミハエル。
ブルーチーム残りはALL零、シロ・コボルト、不知火・青井。




