38th いよいよ出番
「もう九対六かぁ。これはどうみてもブルーが不利ね」
「そうだな。レグアがレッドだといいんだけど」
「どちらでも大丈夫。直ぐ終わらせる」
そうしている間にも、試合展開はさらに進む。マルクマール、エリオット・チャリオットが
連携してシャーネルからバッジを奪う。
また、コンゴ・ガルード、センートゥも連携してオットー・スパイノーラからバッジを奪う。
その四名もまた、仁・青井と不知火・青井の餌食となる。
この時点でレッドチーム、六名、ブルーチーム、三名となった。現時点で売の差がある。
「いよいよ一位、二位、三位のお出ましの時間よ。精々頑張る事ね。全員最も離れた位置から
始まるわ。準備はいいかしら」
「行ってくる」
「頑張ってね! もしブルーなら、お笑い芸人から狙うといいわ!」
「わかった」
「そういやあいつらどこいったんだ? バッジは取られてないから負けてはいないんだよな」
「それよりレイザーってやつが気になるわ……これでどんなやつかきっとさらされるわよ」
「確かに。レグア以上に早くクリアしてたんだよな。気になる」
「一位カラ三位マデノ選手、転送シマス」
――――ジャングルのようなマップに降り立ったレグア。
空気は澄んでおり、辺りに人の気配は感じられない。しかしすぐさまジェラハが喋り出す。
「振り分けを説明してあげるわ。第三位、シロ・コボルト。ブルーチーム」
「わう?」
第二位、ALL零。ブルーチーム」
「どちらでも構わない」
「第一位、レイザー・ミハエル」
「……」
画面には何も映し出されない。しかし草木が揺れているのが見て取れた
「高機能型ステルス迷彩なのかな。まったく見えないけど」
「そういった種族の可能性もあるわね。それよりも見て! レグア、凄い勢いで走ってるわ!」
「フラーがお笑い芸人を狙えって言ったから、きっとはりきって向かってるんだよ!」
「あっちゃー、余計な事言うんじゃなかったわ。何であの子ってあんなに真っすぐなのよ、もう!」
バレバレな程音を立てまくりながら、土煙をあげて走るレグア。当然敵側も直ぐそれを察知して
行動に出る。真っ先に動いたのは……「木遁、木葉縛りの術」
数十枚の木の葉が、レグア目掛けて押し寄せる。それを見たレグアは、すぐさま蹴りを地面ごと放ち
木の葉を吹き飛ばした。
「火遁、火の葉嵐」
吹き飛ばされた木の葉一枚一枚に火が付き、竜巻を上げながらレグアへと再び向かっていく。
今度は政権突きの構えを取り、正面へ一突きすると、燃える竜巻は後方へ押し返される。
「……手ごわい。こいつは後回しだな」
「逃がさない」
レグアが居場所を察知し、バッジを奪おうとした……が、それは真っ赤な偽物で、木人形だった。
「おかしい。この人だったはず。えい、えい、えい」
「ちょっとぉーー! お姉さん! それ人形、人形ですぅー!」
「誰。敵なの」
「ちち、違います。私、助けに来たの! 二位の人! 協力してお兄ちゃん倒しましょう! 私、不知火・青井ですぅ!」
「お笑い芸人。先に倒さないと。約束なの」
「へ? お笑い芸人?」
これがレグアと不知火・青井の最初のコンタクトだった。
さらに……。
「わう?」
「あ、可愛いのいた」
「わんちゃん? そういえば一次試験の三位だったような……私、わんちゃんに負けちゃったんだったぁ……」
「わう?」
「あなたも一緒にいきたいのね」
「わうわう!」
ブルーチーム上位三名。これが近くに居合わせたのは偶然ではない。
強者は必然的に苦境を打開しようと方向を定める。
その結果である。




