32th 二次試験に向けて カスタマイズカービンガン、ノイザーカチューシャ
レグアが地上に戻ると、すぐにエレットとフラーのいる場所へ向かう。
どちらも見ていたようで、レグアの様子を熱く語っていた。
「どこで見てたの」
「ここだよ。無数の角度から見ることができるんだぜ、この椅子」
「それより次の試験まで時間あるんでしょ。あんたの分の特製スィーツよ。
これじゃ余裕で試験合格じゃない。つまんないの」
「そんなことはないよー? 一次試験はただのふるいがけ。
ここからは簡単にいかないんじゃないかな」
「父さん!? いつの間に。ふるいがけにしてはなかなか難しいと思うけどな」
「別に全部破壊しろとはいってないだろ? 君みたいに全部破壊しちゃう子も
たまにはいるけど」
「いくつ壊せばよかったんだ?」
「例年よりは高い数値に設定してある。三十だ」
「そうすると一分十枚か。ここで結構脱落しそうだね」
「そりゃ受験者が八十人以上いるんだから、そうじゃないと困るだろう?」
「そんなにいるの!? それにしてもレグアはおとなしいな」
「はむ……はむ。美味しい。はむ……はむ」
「先ほどまで縦横無尽に暴れていたとは思えないね。この子は」
「レグアちゃん、可愛いでしょー? 綺麗系も入ってるし」
「エレハ。ちょーっと頼みがあるんだけど、父さんについてきてくれるか?」
「試験の難易度、もっとあげるつもりかしら? 別にいいわよ。レグアちゃんは
絶対合格するし」
「随分な自信だな。こりゃ気合が入る。それじゃな、三人とも」
そういって席を立つ二人。より試験を難しい課題にしていくつもりだろう。
あの二人が組むとろくなことにならないから少し心配だな。
「セイソー。次の試験が始まるまであとどのくらいだと思う?」
「参加人数、同時可能人数からして恐らく一時間程でショウカ」
「ヘッツは与えられないけど、装備はしていいんだよな?」
「問題ないはずデス。武器の使用も認められていマス」
「父さんたちが何か悪だくみするならさ。こっちもレグアが合格しやすいよう、レグアに
色々装備するってのはどう?」
「面白そうじゃない。逆に泡吹かせてやるってわけね! いいわ。あたしの可愛い装備も
提供してあげる」
「はむ……はむ……いいの二人とも」
「ああ。レグアは武器や防具ってどんなのが使いやすいと思う?」
「やっぱひらひらのふわふわよね?」
「よくわからない。でもアクションインパルスだけだとあまり遠くのを攻撃できない}
「確かにそうだな。遠くはなれたやつを攻撃するのは困難か。セイソー。収納できる
いい銃ない?」
「そうでスネ。レグア様は小柄ですノデ、カスタマイズカービンガンがいいかと思いマス」
「いいね。カービンガンか。素材は足りる?」
「足りそうデス。ですが武器以外の素材はあまり提供できないかもしれまセン。
マスターの装備がスカスカになりマス」
「それならそっちはあたしの出番ね。煩わしくない装備を提供してあげるわ。感謝しなさいよね!」
「ありがとう。フラー好き」
「な、なによ! 別にあんたに好きなんて言われても嬉しくもなんともないわよ。
ルシール。あれを出しなさい」
「ボロ。あれとはフラー様が一番お気に入りで誰にも手放したくないという
カチューシャでしょうか」
「ばば、バカ言わないでよ。一番手放したくないものなんて他にあるに決まってるじゃない。
ほら、早く出しなさいよ。ノイザーカチューシャ」
「これ何」
「あんたの声を反響させて攻撃できる装飾よ。つけてあげるわ」
「ありがとう。フラーは最初怖かったけど優しいから好き」
「誰が怖いよ! あたしは最初から優しいでしょ! 失礼しちゃうわね、もう!」
「そーいうところが怖いんだよなぁ」
「何か言った!? バカエレット!」
頭に銀色のカチューシャを付けてもらったレグアは、今まで一度も見せた事が無い
わずかな笑顔のようなものを見せた気がした。




