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2st 巡り合わせ

「マスター、一大事デス」

「なんだセイソー。今操作で忙しいんだ! これ、めっちゃむずいぞ! 特に旋回!」

「パルスナー様からの通信デス」

「げーっ! 怒られるやつ! 切ってくんない?」

「ダメデス。強制接続デス! 解放シマス!」

「……てめぇエレットこの野郎! もう五時間も遅れてるぞ! 一体何してやがるこのアホ! 

お前任務初日から報連相もできねぇのか? ああ!? 先輩なめんな! 殺すぞ!」

「うひぃー! すみませんパルスナー先輩! ちゃんと偵察してますから! それに今帰還中です!」

「今、ちゃんと偵察してるって言ったな……成果は?」

「おいセイソー。成果はどうだ?」

「全然ダメデス」

「……帰ったら説教な。あー後そっ……に……らし……か」

「あれ? 先輩? 先輩?」

「……ろ……て……な」

「先輩! しっかりしてください! 先輩! ……ばーかばーか!」

「後……殺す……な」

「げっ。何で聞こえてんだそこだけ! 今の無し! 無しです!」

「いけまセン! マスター! アコルド木にぶつか……」


 

 ドガシャアーーーーーン! 


「……っつつーーーーー! ああー! もう! 先輩が邪魔するから! どうしよう、これ。

やばい……ぶっ壊れた。セイソーなおしてくれ!」

「無茶言わないでクダサイ。マスター……おや? マスター、大変デス。マスターは人殺しになりマシタ」

「何ーーー!? 何で? 木が人だったのか? 木って人だったのか?」

「違いマス。木の上に人型がいたようデス。ほら、ココニ」


 セイソーは小型のマシン。派手にぶつかった木と木の間に入り、何かを示している。

 ぶっ壊れた六脚のパーツを脱ぎ捨て、近寄ってみる。幸い足などに負傷は見られない。

 本当に今時の装備はスペックが高く安全性も申し分ないな。

 そして……倒れていたのは人型の女性だった。


「こんなところに人型ねえ。そもそもこの惑星に人型なんているのか?」

「マスター。今はこっちに来てはいけまセン」

「げっ。服が木にひっかかって破れてる……でも死んだってまじかよ……」


 その者はがばっと起き上がりこちらを睨みつけた。

 全然死んでないけど? 

 ピンピンしてますよ? 

 あ……。


 女性と思わしきその人物と目があう。そして自分の体を見て、俺を見る。

 再び自分の体を見る。


「会話認証パターンを読み取り思考チップにいれマス、マスター」

「……あなたが脱がしたの」

「ち、違うって。ごめん、あれ? どこから話せばいいんだ?」

「じゃああなたが脱がしたの」

「違いマスお嬢サン……おかしいデスネ。心音がやはりシマセン」

「じゃあ自然に脱げたの」

「俺が木にぶつかって……脱げたのかも……はい、ごめんなさい」

「服、取って」

「破れてしまったノデ、新しいお召し物を構築シマス」

「? あなたたち。さっき見てた。何者なの」

「それはこっちが聞きたいんだけどなぁーっと。見てない、見てないよ俺は!」

「嘘。さっき見てた」

「いや、それはね……」

「音。する。急いで。破れた服でいい」

「承知しまシタ。マスター、洋服を取ってあげてクダサイ」

「わかった。フレキシビリティーハンド!」


 エレットの腕が伸び、木の枝をつかむと、ひょいと体を木に乗せ女性ものの破れた服を

セイソーに投げ渡す。

 触った感じ、見たこともない材質で非常に興味があった。


「その服……」

「時間がない。今は黙って。ついて来て」

「え? どこに?」

「いいから」


 わけがわからないまま、セイソーを持ちあげ女性についていく。

 森林地帯でまさかのトラブル。こりゃ絶対先輩に怒られるなぁ……。


「静かに。間に合わなかった。来る」

「来る? 何が? セイソー、何か反応あるか?」

「いえ何もアリマセン。どういう事デショウ」


 突如地面がぐらりと揺れ……巨大な昆虫生物が現れる。大きい! 蜘蛛……いや、足が十六本! 


「これは、進化した生命体でショウカ。心音がシマセン。機械……でもないようデス」

「気を付けて。獰猛」

「まさか帰り道にこんな大型と遭遇するとは。素材持ちかえれば先輩の説教、少しは減らせるかな」

「不可能と判断シマス。甘んじて受け入れまショウ」

「……そうだよな。よし、やるか!」

「承知シマシタ」




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