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165th トレーニングルーム 装備換装 レプリカ・フラガラッハ

 訓練エリアから出てくる四人。

 ニッキーがとにかく嬉しそうにしている。

 全員の行動はそれぞれの視点で体感出来る、ビュータンジブルという装置で確認中。


 こちらは直接見ていたからよくわかるが、一番動きが悪いと感じたのはレグア。

 いつもの容赦の無いような攻撃が一切見られず、躊躇してばかりだった。

 逆にニッキーは素早い動きで相手を翻弄し、死角からの攻撃を巧みに利用。

 ……というか、俺を含む男性ゲームプレイヤーはニッキーに殆ど勝てない。

 上手いんだよ、戦い方が。


「さて、それじゃ仁さん。肩慣らしに装備換装ありでやろう。

俺は剣使いでやるから……」

「ここで相手を攻撃しても、本当に傷つかないのか?」

「ああ。衝撃は起こるけど。倒れ方が危ない時も、頭部を感知したり脊髄を感知して

局所的に床が柔らかくなる……らしい。滅多に起こる事じゃないけど」

「火やミサイルでもか」

「大丈夫だ。火は直ぐ消えるけどね」


 仁さんに説明をして、訓練エリアへと向かう……前にチェックだ。

 セイソーにお願いする装備換装……剣使いかな、やっぱ。

 

「セイソー。それじゃ剣使いに……」

「マスター。先ほど仁様に素材をお渡ししたノデ、どれにも装備換装出来まセン!」

「あ! やべ、どうしよう」

「はぁ……あんたって相変わらずね。いいわ。私のを提供してあげる」

「フラー!? もう見終わったのか?」

「途中で止めちゃった。レグア、どうしたんだろう。何か凄く怯えているようだった」

「俺たちを攻撃するのが、怖いのかもしれない。後で話を聞いてみるよ」

「お願いね。くぅー! 負けた負けた。全部あのバカシェラハのせいにしてやるわ」

「あーははは……あんま喧嘩すんなよ。サンキュなー」


 フラーのヘッツ、ルシールより素材提供を受け、今度こそ準備完了。

 一足先に訓練エリアへ入り、装備換装も済ませた仁さん。堅甲格闘士かぁ……ああいうのも

いいな。

 

「セイソー。「必須装備、剣使いで頼む」

「承知しまシタ。ソード(sword)、生産惑星地球、アイルランド。ニニ一八年仕様制

レプリカ・フラガラッハ」

「え? 新しいの、買ったの?」

「買いまシタ。マスターがお金を稼いできてくれたノデ」

「……あ、ああ。セイソーは武器マニアだもんな……」

「恐縮デス。続イテ、サブ装備、左腕(left arm)、オペレーティングコンソール」

「何だコレ?」

「レプリカ・フラガラッハを操作する仕組みデス。実在したか定かではナイ、フラガラッハは、勝手に

動き戦う変な剣だったソウデス。面白がった科学者が似たようなものを造った結果……だそうデス」

「お、おお。試してみ……」

「マスター。次デス! レプリカ・フラガラッハに併セテ、アーマー、ヘッド、ショルダーを

保有素材カラ均一装備シマス。カラーは……ピンクデス」

「何でピンクなの!?」

「フラー様からお預かりした装備が、全てピンクデシタ。ミスオールウェイズというメーカーモノ

デス」

「しまった……そう言えばフラーのは女子ブランドだ……」


 ここから変更してる時間は無いし、これで戦うか。

 全身ピンクの恥ずかしい恰好になってしまった。

 女性陣の方を見ると、皆もう見終わったのか、ニッキーがお腹を抱えて笑い転げている。

 くそ……そんなに笑わなくてもいいだろ! 

 

「準備はいいのか?」

「ああ。待たせたね仁さん。勝負はスリーノックダウン。別にわざとダウンを狙っても構わない」

「ああ」

「一つ気を付けて欲しいのが、本来衝撃を与えるのが目的でない攻撃も、衝撃として判定される。

それは、本人が負ったはずのダメージを衝撃としてカウントするからだ。つまり、予期せぬ

吹き飛びとかが起こるって事。それも含めてさっきレグアがダウンしたんだろうけど」

「わかった。気を付ける。受け身を上手く取れればダウン判定にはならないのか?」

「ああ。明らかにダウンとみなされなければ。倒れ方にもよるかな。直ぐ起きるってだけだと

ダメだ」

「理解した。こちらの忍術道具は使用して構わないな?」

「ああ。使用制限のある危険物以外は平気。毒とかね。あっても直ぐに中和されるけど」

「よし。始めよう。こいつは楽しみだ。俺向きだね」

「ああ。俺も訓練場、好きなんだよな。ようやく男でまともに戦える相手だ。いくぜ、仁さん!」

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