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161th アンネさんからの連絡

 アッシェンMへと戻ると、物資に関してはジョーゴン一味に一任した。

 彼らは本当に良く働いてくれる。

 変わった奴だけど、おっちょこちょいで真面目だ。

 荷物は地面が動くので、システム時空に頼めば適切な場所までもっていってくれる。

 

「セイソー。早速装備の確認をしようか」

「マスター。その前に通信を確認してくだサイ」

「通信? ああ、エレミナにか」

「いえ。マスター宛てにアンネ様より通信が入っておりマス。

早く見て欲しいのか一杯飛んできて困ってイマス」

「どれどれ……げっ。何だこのタイトル……遊んでるな……」


 タイトルを見ると、早く見てぇとかじらさないで……とかで埋め尽くされていた。

 あの人、挑発が好きなんだろうな……恰好とかもそうだけど。釘紅スリーってあだ名、案外

あってたんじゃないのか? 


「えーっと、エレットよりアンネさんへ通信」

「あーーーーーー! やっと出たわね。私が散々誘ったのに」

「あのー。少しまともに履歴を残してくれませんか。セイソーが消去するの大変なので……」

「セイソー? ああ、あなたをサポートするメルトロイドの事?」

「ええ。そんなとこです。それでアンネさん、どうしました?」

「事前の打ち合わせよ。どう? もう出発してる?」

「ええ。現在補給惑星ギンギールで物資の補給をしてます。今日はここで停泊し、明日出発

する予定ですよ」

「そう。こちらも明日出発予定……って何か凄いところにいない? 映像に凄いのが映ってるけど」

「え? ……ああ。背景を格好いい戦艦に投影してもらってるんですよハハハー……」

「男の子ねぇ……って嘘は良くないわ。後ろに女の子いるじゃない」

「え?」

「あーー、エレットぉ! 知らない人と密会してる! ニッキーを置き去りにしてーっ」

「げっ。今ちょっと忙しいから後にしてくれニッキー」

「うふふっ。まぁいいわ。予定通りあの子ともう一名確保できたかしら?」

「はい。そっちはぬかりなく……いや、人数が多いくらいで向かってます」

「あら。それなら外回りの警備もお願いしようかしら。その艦、凄いものなんでしょう?」

「えっ? えーっと……出来なくはないけど、パープラー隊長が何て言うか」

「え? まさかパープラーもそこにいるの?」

「はい……成り行きで……」

「そう……いいわ。到着を少し早められるかしら。実行前に少しそちらへお邪魔するわ」

「わかりました。ガウスさんたちの方は?」

「あっちも連絡はいれてあるわ。それじゃまた、連絡いれるわね」


 よし、これで連絡は大丈夫だ。ふてくされたニッキーを連れて装備の確認をしよう。

 

「艦長よりシステム時空へ。ミシーハ博士はどこに?」

「システム時空より艦長へ。ミシーハ博士は現在、アルバの調整を行っており、ドッグ内三番室にて

危険な実験を行っております」

「危険な実験……システムに危険って言われる実験を許可していいのだろうか」

「ミシーハ博士なら問題ないでしょう」

「うっ……絶対的な信頼だな。直ぐにその場所まで案内を頼む」

「承知しました」


 地面が移動する感覚にも慣れてきた。ニッキーもついて来るらしい。

 レグアやフラーはコッペパンを担いで食事処に向かったようだ。

 食いしん坊のニッキーだが、コッペパンより新しい装備の方が気になるのかな。


 ――アルバの置いてあるドッグスペースには大きな部屋が三つある。

 そのうちの一室、三番室前まで来た。


「姉ちゃん、入るよー」

「ミシーハ博士ぇ! ニッキーにもヘッツ頂戴ー!」


 部屋の扉を開けると、そこには体形だけ人型の、顔がロボットの何かがいた。

 部屋を間違えたのかな。あれ? 三番室であってる。

 姉ちゃんは見当たらないな。


「あれ? ここであってるよな。姉ちゃん、どこだ?」

「目の前にいるでしょ」

「目の前にはロボットしか見えないよ?」

「ふっふっふ。成功ね! ほら、近づいてきて」

「えーっとロボットにか?」

「えいっ」


 急にロボットに羽交い絞めにされる。

 遠隔操作で動かしているのか? あれ、感覚がロボットじゃない。


「よーし成功ね。。名付けて、逆擬視感覚破壊、私ってロボ! よ」

「私ってロボ! って、それなんか意味あるのか?」

「あるわよ。カモフラージュできるでしょ。ロボットだらけの場所に潜入したときとかに」

「そんな変なロボが置いてあったら怪しまれるだろ!」

「大丈夫よ。エレットが騙されるくらいなのよ。誰もミシーハ博士なんて気付かないじゃない」

「ミシーハ博士って思われなくても、何だこのロボットって不審に思われるだろう!」

「うっ……それはまぁ、確かに……」

「はぁ……それより姉ちゃん。セイソーに姉ちゃんの服をしまってただろ。悪いけど

交換品として出しちゃったぞ」

「えーー! いざって時にエレットと逃避旅行するための私の替えのお洋服がー!」

「そんな時はこないから安心してくれ……いい加減弟離れしなさい。それよりも、新しい

素材を手に入れたから、新しい装備形態を構築しておきたいんだけどさ」

「あら。今度は何使いになりたいの? お姉ちゃんに話してみて。エレットのお願いなら

何でも叶えてあげる。ミシーハ使いになってみる?」

「あのね……俺が姉ちゃんを操縦してどうするんだ……はぁ」

「マスター。お水をドウゾ」

「有難うセイソー」

「ニッキーの話も聞いてぇ! ニッキーもヘッツが欲しいの!」

「あらニッキーちゃん。来てたのね」

「気づいてもいなかったのぉ!? 本当、エレットしか見てないっ! むー。ニッキー

だって戦えるのにぃ」

「うーん。シドーカンパニーのお嬢様にヘッツを提供するのはさすがにまずいわね。

シドー博士はお元気?」

「おじいちゃん? うん。でもおじいちゃんはニッキーに作ってくれないよ。

危ない事に巻き込まれるから断固として反対じゃー! って」

「そう。博士らしいわね。それなら私も作ってあげれないわ。プロトタイプのメルトロイドじゃ

ダメなのかしら?」

「メルトロイドじゃ装備の換装出来ないじゃーん! ニッキーもエレットみたいに

装備を換装したいのぉ!」

「困ったわね。今急ぎで三体造ってる最中なのよ。私が造ったなんて知れたら、シドー博士に

怒られちゃうし……そうだわ! リボンをつけたヘッツ、わかるかしら。あの子を

ニッキーが仲間にすればいいのよ!」

「えっ? 仲間に?」

「そうそう。あの子の好感度をあげていって……ニッキーちゃんにメロメロにしちゃえば

それはもう、あなたの虜。つまりニッキーのものね!」

「わかったぁ、やってみる! ありがとミシーハ博士!」


 大喜びで出ていくニッキー。

 ……いやいや、そういう問題なのか。


「姉ちゃん。上手い事ごまかしたんじゃないのか。今の」

「え? 何言ってるのよエレット。ヘッツは人と一緒。あなたもセイソーも、お互い大事だから

いつも一緒にいるんでしょ。そういう相手同士じゃないと、本来ヘッツは機能しないわ。

だから、私がヘッツを造った中で、唯一あなただけが深く心を通わせあってる。

そんなエレットだから、私は大好きなの。わかる?」

「うーん。それはwかるけど。リボンをつけてるって事は、そのヘッツ、女の子設定だよな……」

「そうだけど、ニッキーちゃんは可愛いじゃない? だからきっと、うまくいくわ。うふふっ」



 まぁそれでうまくいくならいいか。

 それより、装備の構築をしないと! 

 さて……準備しよう。

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