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153/184

154th 慌ただしい艦内

「次、前方左翼、巨大な宇宙漂流物。撃てぇー!」

「わかった」

「任せてぇー!」

「フン。こんなの楽勝よ」


 アクシズバリエーションを展開した先。惑星ギンギールまで向かう航路には

大量の宇宙漂流物があり、それらを破壊しながら進んでいく。

 パープラー隊長がうまく回避してくれるというのもあるが、これだけ巨大な戦艦だと、回避

するのも容易じゃない。

 小さい宇宙漂流物であるなら大した問題ではないが、明らかに巨大な宇宙漂流物は

破壊して進まないと危険なんだそうだ。


 そこで、三人狙撃に着かせていたため、射撃訓練も兼ねて、砲撃を発射しながら

進んでいる。

 

「こちら操縦室、パープラーよりエレット艦長へ。

まもなく惑星ギンギールへの着陸を開始する。

システムへの着陸申請を命令してくれ」

「承知しました」

「一応今は私が副官だ。そこまで堅苦しくしないでいいよ、エレット」

「……了解。システム時空へ艦長からの指示。惑星ギンギール着陸地点へ

本艦の着陸許可を申請」

「システム時空より艦長へ。着陸申請を申請……誘導シグナルが出ています。

位置を修正……どうやら本艦のサイズが巨大すぎて、着陸地点では収まらないと

の事です。着陸可能地点を再検出いたします……着陸予定地点より

一五キロ離れた地点への誘導指示がでています」

「誘導を許可。着地地点修正をパープラー隊長へナビゲート。

ミシーハ博士とパープラー隊長の着地方法通話を直ちに接続」

「承知しました。艦長、初めての艦長役、お疲れ様でした」

「ありがとう時空。結構緊張するな」

「私たちももういいわよね。行きましょ、ニッキー、レグア」

「うん。セイソーたちのとこにいくのぉ?」

「シェラハもまだ改造中なのかな」

「そうじゃないの? 私のルシールもよ。ミシーハ博士に改造してもらえるのは

光栄だけど」

「俺は挨拶の準備しないと。言語はセイソーに入ってるよな。

俺もセイソーたちの所へ行って確認しないと」


 ここから先はパープラー隊長に任せて、俺たちは艦内のアルバを格納

してあるドッグへと向かう。

 巨大なドッグには確かに二機のアルバが搭載されている。

 そして、中には大量のヘッツ。どれも機体に個性があり、特徴的な

動きをしているのばかり。

 自分の家にあったヘッツもそうだった。

 姉ちゃんへヘッツ一体一体を愛している。

 それがよくわかる。


 リボンを結んだヘッツがこちらへ着て、頭を傾げている。


「エレット様、どうされました?」

「セイソーいる? 惑星ギンギールの言語プログラムがセイソーに搭載されてるか

確認しにきたんだ」

「呼んできます!」


 そう告げると、リボンを結んだヘッツは素早くセイソーを探しに行った。

 スカートも付けているから、女の子設定のヘッツなのだろう。

 

「私も欲しいーー! ヘッツ欲しいよぉ! あの子がいーー!」

「こらこら。ヘッツは物じゃないんだ。 道具のように欲しがったらだめだぞニッキー」

「わかってるよ! ニッキー絶対大切にするもん。みんなだけずるぅい」

「シェラハはあまり、構ってくれない」

「ルシールもそうよ。ヘッツにだってそれぞれ特徴がある。人がそれぞれ違うようにね。

だから可愛いとかで欲しがるものじゃないのよ?」

「でもぉ……ニッキーだってエレットみたいに相棒! とか言ってみたいもん」

「ははは……セイソーと俺には強い繋がりがあるからな」

「そーいえばセイソーとエレットってどういう関係なのぉ? 昔ミシーハ博士

に作ってもらったんじゃないの?」

「いや、セイソーはただのスクラップロボだったんだ。任務先で捨てられていた

やつを拾ってきてさ。少しずつ少しずつ治していったんだ」

「へぇ……エレットって色々拾ってくるのが好きなのぉ?」

「どうだろ。そんなとこかもしれない。マテリアラーズだって、言い換えれば

素材を収集するけど、拾って集めるようなものだろう?」

「そういえばそうよね。未知なる惑星に行って、貴重な素材を手に入れるのは

凄く楽しいけど、危険も伴うし」

「私も、エレットに拾われたの」

『えっ?』

「レグア……少しいい方の勉強、しような……」


 突然ぽつりと凄い事を言うレグア。

 四人で話をしていると、先ほどのリボンをつけたヘッツが、セイソーを引っ張り

ながら走って来た。


「おお、セイソー! 恋人ならぬ恋ヘッツができたみたいじゃないか」

「マスター。からかわないでクダサイ。お待たせしまシタ。ギンギールの

言語はばっちりデス。いきまショウ。マスター!」

「ああ! 頼むぜ相棒!」

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