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152th 積載された兵器アルバ

 システム、時空にアルバの事を尋ねると、情報が全員に開示される。


「アルバについての情報です。本艦に搭載されたアルバは全部で二機。一機目は

アルバナデシコ(撫子)。本機体登録者、フラージュ様により活動可能。

機体特徴であるカラーはR:238G:187B:203と推定。撫子の花に酷似した、紫みのあるピンク系統の色で

統一されています。全高五十二メートル、全幅十二メートルの

大型機体です。総重量は千七百トンに達し、外甲装備にムーンシェパード金属を多量に含んだ

ボディを装着。ヘッツ特殊機構を搭載し、意思伝達を可能にした本機は、もはや空前絶後の

戦闘兵器へと昇華しました。また、本機は単独宇宙活動を可能とし、新戦闘システムアンチフィールド

オペレーションシステムを搭載。また、稼働出力はアルバ自身による自動出力供給システムが作動し

自立的永久活動を構築可能。燃料となる根源は未だ不明確な部分がありますが、超長時間の活動も

夢ではないと推測されています。尚、現段階でミシーハ博士の指示による活動限界は数分と設定されており……」


 そこまで聞いて、一旦中断してもらった。だめだ、ついていけない! 


「ああ、ちょっと待ってくれ……パンクする……」

「もう訳がわからないわ……」


 それは俺だけではなく、ほぼ全員そうだったようだ。

 特に気になるところを、最初にパープラー隊長が突いた。


「私としては、搭載されているのが二機というところに突っ込みをいれたいのだが?」

「あら。一機だけだと何かあった時に困ると思って。二機体目である私のアルバクロトビ(黒鳶)

も連れてきたのよ。もっと情報を供給しないといけないけど」

「機体ってことはアルバに何か着せたってこと?」

「アルバは兵器よ。意思疎通するためにどうにか会話出来ないかと思って色々調べたの。

そうしたらアルバの意思回路を負荷なく接続できる事がわかって。それで接続したら意思疎通ができたのよ。

凄いでしょ?」

「凄いの意味がよくわからないけど、凄いんだろうな……もう別次元の話だ」


 途端に不知火青井ことアオアシラが声を上げる。


「えーーー!? そしたら私の青井スーパー忍者X号とも会話できちゃうんですかぁ!?」

「青井スーパー忍者X号っていうのはよくわからないけど、アルバアイネズ(藍鼠)とも意思疎通

できるわ」

「ええっ!? 私のアルバはスーパー忍者Xなのにぃ……」

「その名前、絶対おかしいから! 忍者Xから離れろって」


 なぜその名前でいけると思ったんだ。

 発進するときに一機だけアルバ忍者X! といいながら発進させるつもりなのか。

名前がいびつでおかしいだろう! 



「ということで、武器の説明をお願いしたら? 時空に……」

「ちょっと待ってくれ……アルバはまだ試験している最中だったはずだ。今はそれより

補給港へ急ごう。エレット。時空に指示を出してアクシズバリエーションを」

「そうでした。展開するのってここだとまずいですよね? それぞれ何の役割を任せるか

決めて持ち場に着いたおいた方がよくないですか? 宇宙賊とかにも遭遇するかもしれないし」

「そうだね。それもエレットに任せてみようか。勿論私にも指示を出して欲しい」

「パープラー隊長は補佐をお願いしたいので、副官として俺の同席をお願いします。

狙撃員としてレグア、それからフラー。索敵として仁さんとアオアシラ。艦内点検は時空が

やってくれるのかな?」


 姉ちゃんが黙って頷く。それなら……「アーニィとジョーゴンたちは姉ちゃんのサポートをしつつ

ヘッツやアルバの管理をお願いしよう。うちの艦内にメカニックが姉ちゃんしかいないんだ。

ヘッツが代用して大分賄ってくれるとは思うけど、負荷が大きいから」

「わかりましたっ! やったー! 私もついに、雑用以外のメカニック案件がっ!」

「アーニィ。はしゃいではいけないよ」

「失礼しました隊長! ……いえ、副官殿!」

「よろしい」

「それと、グリズリーさんは食事と健康管理担当をお願いしていいかな。自動調理システムも

あるけど、食事管理はやっぱり人手があった方がいいだろうし」

「もちろんだよ。一緒に連れてきてもらってよかったな。これだけ人数がいると、料理

の作り甲斐があるよ」 

「ニッキーはぁ?」

「ニッキーはどうしよう。まだマテリアラーズの隊員じゃないからな……パープラー隊長は

どう思います?」

「こういった事態であれば、彼女にも何かしらの役割を与えるべきだろう。。彼女の

実力は確かなのだろう? それならばレグア君たちと一緒に配置するのが適切かもしれないね」

「そうですね……それならレグアたちと同じく射撃要因として配置についてくれ。

時空、この艦の砲台は何門積んであるんだ?」

「ペドラカノン砲七百四十門とエグゼグソリュートカノン砲千二百門を搭載しております」

「桁がおかしくないか……」

「全方位射撃を可能にするためよ。宇宙領域によっては岩石とか、多いからね」

「そっか……いや、そっかで済ませていいのだろうか。そんなに摘んだらコスト凄くない?」

「大丈夫よ。全部父さんのツケにしてあるから」

「……もしかしてエレヴィン中将が行方不明なのはそれが原因じゃないだろうか」


 パープラー隊長の突っ込みに、全員シーンとなってしまう。

 これ、コストどれくらいかかったんだろう。

 いや聞かなかった事にしよう。

 姉ちゃんの商品購入ルートは全くの謎だ。

 どのような手順で仕入れてアルバまで持ってきたのかも謎だ。

 あまり深く突っ込むと、全員先ほどと同じようにパンクしてしまう。

 今は現状を受け入れて、アクシズバリエーション展開に向けて動くとしよう。

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